映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『悪い男』 '01 韓国

2006-05-09 17:08:16 | Weblog
【スタッフ】
監督・脚本: キム・ギドク
撮影   : ファン・チョリョン
音楽   : パク・ホジュン
【キャスト】
チョ・ジェヒョン/ソ・ウォン/チェ・ドンムン
【ストーリー】
ヤクザのハンギは、公園でボーイフレンドと待ち合わせしている女子大生ソナをみかけ、ひとめぼれしてしまう。ボーイフレンと仲良くしている姿を見て、思わず二人に歩み寄り、いきなりソナにキスをし、居合わせた軍人たちに無理やり引き離され、袋叩きにされる。ソナとしては、不愉快ではあるが、通り魔的な出来事として捨て去ってしまえる事件のはずだったが、ハンギのソナへの執着は、ソナが思っているほど生易しい物ではなかった。ハンギは、部下たちを使って、ソナに罠をかけた。本屋で本を見ている彼女の横に、財布を置き忘れたように放置し、それを彼女が自分のものにしてしまったのを確認してから、泥棒として捕まえ、警察に突き出されたくなかったら、財布の中身を弁償しろと法外な金額を彼女に借金させたのだ。そんな借金を返せるはずもない彼女は娼婦街に売られてしまう。そして、ハンギは、自らソナに手を出すことなく、身を売るソナをマジックミラー越しに見つめる。

【感想】
これが、日記で話した、複数の友達に「絶対に好きだと思うよ」と薦められた映画です。ふうむ、みんなは、わたしのこと、どう思っているんだろう・・・でも、確かに嫌いじゃない(爆)。
だけどね・・・今、状況が少し特殊なのですよ、わたし。ソナちゃんと同じくらいの年の女子大生の娘が一人暮らしを始めたばかりの母親としての私が、この映画を、ひどく拒否するのだ。で、「親は何しとんじゃ!!ソナのお嬢さん風の風貌からいって、娘のこの状況をほっておく家庭じゃなかろうが!!」と叫んでしまった(爆)。
でなくても、キドク監督の作品って、共感域に入るのに、多めの時間が必要なんだなぁ、わたしは。もう一作『悪い女』も見たけれど、同じ印象だった。観客のタイプとして、わたしは共感派なんですよ。よりメインに近い登場人物にで共感できたら、その映画が楽しくなるタイプなんです。なんで、その共感は入っていくのに、この監督の場合は時間が必要みたいです、その分、入り込んだら、独特の絆を感じるようなマニアックな世界に取り込まれる感じではありますが。
で、『悪い男』の場合、共感域の入り口は、ハンギが酔ってソナの部屋に侵入し、彼女の横に寝転がって、子どもみたいな姿勢で寝ちゃった時だったなぁ。あの瞬間、胸がギュンときて、あっ!
ヤラレタなって感じたです。それ以降は、ソナに執着するあまり、彼女を浚ってきたはものの、自分には彼女を愛する資格もなければ、愛される可能性もないと、どんどん気持ちが引いていって卑屈になっていくハンギに、どっぷり共感してましたけどね。意外に卑屈な愛は好きだから(爆)。
だけど、ソナには、最後まで共感はなかったなぁ。役者さんが、すごく良くって・・・可愛いし巧いし、ものすごく好きだったけど、ソナの心理に対しては共感はなかった。実話でも誘拐犯に恋しちゃった富豪の娘さんの話とかあるし、エッチ系の映画では普遍的人気のあるテーマだし、有り得ない心の動きではないのかもしれないけど、これは、わたし的には無しなんだよね。たは認めないけど自は認めるMな私は、自分から望んで辛い状況に落ちていくのは好みですが(そういう意味では、ラストのソナには多少共感するかな)、強要されて辛い状況に落とされると、異常なほどの闘争心が生まれちゃうんだもん。愛情関係だけじゃなく、普通の人間関係でも、仕事上の人間関係でも、攻撃に対しては非情かつ強硬に対処するタイプですから(爆)。
というわけで、娘のことを考えさえしなければ、ほんと好きな映画だと思います (^^;。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『シークレット・ウィンドウ... | トップ | 『赤目四十八瀧心中未遂』 \'... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事