【スタッフ】
製作 : 河津秋敏/石川富康/村山治/橘秀仁
プロデューサー: 村岡伸一郎
監督 : 荒戸源次郎
原作 : 車谷長吉
脚本 : 鈴木棟也
【キャスト】
大西滝次郎/寺島しのぶ/大楠道代/内田裕也
【ストーリー】
尼崎へ流れ着いた生島与一(大西瀧次郎)は、もとは物書きだったが、繊細な若者らしい虚無感に捕らわれている。それでも、食う為に焼き鳥屋の下ごしらえの仕事をもらい、あてがわれたアパートで、朝から晩まで、黙々と串を刺す。そのアパートには、刺青師やらヤクザな兄を持つ綾(寺島しのぶ)という女が住んでいる。彼らは、生島に対して微妙な距離を保ちつつ、観察している。特に綾は、近づいたかと思えば突き放すような接し方をし、生島を翻弄していく。そして、ある日「私をこの世の外へ連れてって」と生島を誘いだす。そして、二人は赤目四十八瀧を登っていく。
【感想】
ありがちな失敗なのだけど、期待しすぎて肩透かしになっちやった・・・つまり、無垢な気持ちで出遭わなかった、わたしの間違いだな・・・残念なことをしてしまった。
けど・・・この映画の目指したところって、非日常性じゃないかと思うのだけど、それはなかったような気がするんだよなぁ~。とにかく、わたし的には、非常に日常的な風景であり、心象に思えた。
尼崎を「アマ」と呼ぶってのが、何か特別なことのような、非日常世界へ入っていく呪文のような扱われ方をしていたように感じたけど、関西人にとっちゃ、マクドナルドがマクド(関東じゃ、マックだね)なのと同じ程度のことなわけで、特にコメントすることの方に違和感があったりしたよなぁ。
それから、生島君の心情みたいなものは、決して特別なことじゃないでしょ。妙な縁を感じたんだけど、数日前(2005年11月16日(水) )のパティオに「内職仕事で金を稼ぎたい私」ってエピソードを書き込んだんだけど、これは限りなく生島君的心情なんだよなぁ、マジで。自分に対して人一倍の執着も自負もあり、一時は自分の才能を頼りに独自の世界の構築さえ可能だと思ったときもあったにしろ、今は虚無という怪物に喉元まで飲み込まれ、あとほんの僅か捨てられない何かが鈎針になり、この世に引っかかっている状態で、できるだけ単純な、できるだけ世の隅で行える仕事を、誰に気に止められることなく繰り返しながら、ただ息をしているだけのごとく暮らしていたいみたいな心情ね。
でも、まっ、心情的にそうであるのと、実際生島君のように行動してしまうことの間には、ものすごく深い溝があって、なんやかやいっても、そうそう人は、それを飛び越えたりはしないんだけどね。特に家族持ちは。
つまり、まっ、エロティシズムに関しても、自己破壊性みたいなものに関しても、大きすぎる期待をしてしまっていたのだけれど、実際に見た映画は、リアリズムの世界だなと思ったということです。で、最初から、そこを望んでみていたならば、もっとのめり込めただろうにと、少し悔しい気分なのでした。
製作 : 河津秋敏/石川富康/村山治/橘秀仁
プロデューサー: 村岡伸一郎
監督 : 荒戸源次郎
原作 : 車谷長吉
脚本 : 鈴木棟也
【キャスト】
大西滝次郎/寺島しのぶ/大楠道代/内田裕也
【ストーリー】
尼崎へ流れ着いた生島与一(大西瀧次郎)は、もとは物書きだったが、繊細な若者らしい虚無感に捕らわれている。それでも、食う為に焼き鳥屋の下ごしらえの仕事をもらい、あてがわれたアパートで、朝から晩まで、黙々と串を刺す。そのアパートには、刺青師やらヤクザな兄を持つ綾(寺島しのぶ)という女が住んでいる。彼らは、生島に対して微妙な距離を保ちつつ、観察している。特に綾は、近づいたかと思えば突き放すような接し方をし、生島を翻弄していく。そして、ある日「私をこの世の外へ連れてって」と生島を誘いだす。そして、二人は赤目四十八瀧を登っていく。
【感想】
ありがちな失敗なのだけど、期待しすぎて肩透かしになっちやった・・・つまり、無垢な気持ちで出遭わなかった、わたしの間違いだな・・・残念なことをしてしまった。
けど・・・この映画の目指したところって、非日常性じゃないかと思うのだけど、それはなかったような気がするんだよなぁ~。とにかく、わたし的には、非常に日常的な風景であり、心象に思えた。
尼崎を「アマ」と呼ぶってのが、何か特別なことのような、非日常世界へ入っていく呪文のような扱われ方をしていたように感じたけど、関西人にとっちゃ、マクドナルドがマクド(関東じゃ、マックだね)なのと同じ程度のことなわけで、特にコメントすることの方に違和感があったりしたよなぁ。
それから、生島君の心情みたいなものは、決して特別なことじゃないでしょ。妙な縁を感じたんだけど、数日前(2005年11月16日(水) )のパティオに「内職仕事で金を稼ぎたい私」ってエピソードを書き込んだんだけど、これは限りなく生島君的心情なんだよなぁ、マジで。自分に対して人一倍の執着も自負もあり、一時は自分の才能を頼りに独自の世界の構築さえ可能だと思ったときもあったにしろ、今は虚無という怪物に喉元まで飲み込まれ、あとほんの僅か捨てられない何かが鈎針になり、この世に引っかかっている状態で、できるだけ単純な、できるだけ世の隅で行える仕事を、誰に気に止められることなく繰り返しながら、ただ息をしているだけのごとく暮らしていたいみたいな心情ね。
でも、まっ、心情的にそうであるのと、実際生島君のように行動してしまうことの間には、ものすごく深い溝があって、なんやかやいっても、そうそう人は、それを飛び越えたりはしないんだけどね。特に家族持ちは。
つまり、まっ、エロティシズムに関しても、自己破壊性みたいなものに関しても、大きすぎる期待をしてしまっていたのだけれど、実際に見た映画は、リアリズムの世界だなと思ったということです。で、最初から、そこを望んでみていたならば、もっとのめり込めただろうにと、少し悔しい気分なのでした。