映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『SAYURI』 '05 米

2007-04-15 15:50:18 | Weblog
【スタッフ】
制作 スティブン・スピルバーグ
監督 ロブ・マーシャル
原作 アーサー・ゴールデン
【キャスト】
チャン・ツィイー、渡辺謙、コン・リー、ミシェール・ヨー、役所広司、桃井かおり、工藤夕貴、大後寿々花、ケリー・ヒロユキ・タガワ、ケネス・ツァン、ツァイ・チン、マコ岩松、テッド・レヴィン
【ストーリー】
母が重い病になり、姉と二人、父によって人買いに売られた千代。姉は女郎屋に売られるが、彼女は芸者の置屋に売られる。そのまま、そこで頑張っていれば、芸者になる道は開かれていたが、姉と一緒に逃げようとした千代は、下女として奉公させられることになる。姉とも生き別れ、未来に何の希望も見出せなくなっていた時、彼女の前に一人の男性が現れる。売れっ子芸者のお姐さんたちを連れて街を歩いていた会長さんが、打ちひしがれている彼女を見つけ、かき氷を奢ってくれたのだ。それが、彼女の初恋だった。そして、彼女は会長さんに少しでも近きたいという人生の目的を得る。すると、偶然にも彼女に手を差し伸べてくれる人がいた。一番の売れっ子芸者の豆葉。彼女の庇護の元、彼女は芸者「さゆり」に成長していく。そして、会長さんにも再会することが出来たのだが、彼女の思いは、なかなか会長さんには届かない。そんな中、日本は戦争に突入し、そして敗戦を迎える。芸者さゆりの人生も、それによって、大きく変わってしまう・・・。

【個人的感想】
どこか『覇王別姫』的な展開を想像していたんですよね。戦争によって、激変する芸伎の人生みたいなことをね。そこに、報われぬ恋とかも絡んでくるのかなと。けど、ただただ少女の初恋がどうなっていくのか・・・みたいな話でしたね。戦争のような大きな世の中の流れに否応なく巻き込まれていく個人であるとか、芸の追及であるとか、そういうのは全く関係なかったですね(^^;。
となると、見所は、コン・リー&桃井かおりさん。個人的には、ミシェル姐さんが贔屓なんだけど、この映画では、なんといってもコン・リー&桃井かおりさんが、段違いに好かったですよ。半端なくエグ美しいっす、この二人は(爆)。だから、コン・リーさんがスクリーンに映らなくなったら、とたんに映画がショボクなりましたもん。
特に、戦争が始まってからは、完全に腑抜けた話になりましたね。アメリカさん制作だから仕方ないのかもしれないけど、なら、なんでこのテーマ、この舞台を選んだんだと言いたくなります。
日本の話なのに日本ぽくない部分ってのは、わたしは、別に気になりませんでした。むしろ、よく出来てる方ですよ。ある程度までは、日本に見えますもん。もっと酷い映画、今までに、いっぱいあったでしょ。それらに比べれば、ものすごく質が良いと言っていいと思いますよ。映像美も、十分堪能できましたし。けど、戦争を挟んで・・・って話を取るなら、もうちょっと覚悟を決めて、敗戦国日本の庶民を描いてくれなくちゃ、映画が薄っぺらくなりますよ。女同士のドロドロとした勢力争いだとか、普通のお嬢さんとは違う芸伎の切ない恋の部分を描きたいなら、戦争なんて絡めずに、コン・リー押しでいけば、これはかなり面白くなったと思いますよ。コン・リーVSミシェル・ヨー、コン・リーVS桃井かおり、コン・リーVSチャン・ツィイー、どれも怖いくらい面白いでしょ(爆)。
そうそう、わたしは映画を見るまで、工藤夕貴さんが出てらっしゃるって知らなかったんだけど、工藤さんも、ものすごく好かったですよ。とにかく、日本のマスコミは謙さん押しでしたけど、彼女のことも、もっとアピールしてあげるべきだったと思いますよ。
というわけで、見終わった感想は「もっと、コン・リーを出しときゃ好かったのに」でした。