新宿通りを突き進むと、なんやら怪しげな一角にぶつかります。ここは昔
三光町と呼ばれた一帯。新宿駅東口にまだ木造の建物(というか文字通り
のバラック)が並んでいたボクの青春時代は、青線地帯と呼ばれ、その
延長上にあり、ふつ~の学生さんはなかなか近づきがたい場所でありました。
現在は新宿三丁目という名前になって、その雰囲気が随分と変わりました。
今ではすっかり市民権を得たようですが、何故かオカマさんたちが沢山棲息
していた場所でもあります(笑)最近、余りその手の店を見なくなりましたが、
どこに行っちゃったんだろう。
そんな一角で、この赤い文字が一際目立つこのお店。当時新宿に集う若者
たちの多くが青春していた場所。あのロシアの文豪ゴーリキーの代表作から
とられた名前のお店、「どん底」。なんと創業が1951年!ボクが一番行った
のは高校時代かな。当時は歌声喫茶というのが全盛時代。ここは確か三階
まであると思うのですが、各階ごとに主みたいなリーダー格のお客さんがいて、
その人の指導で見ず知らずの人たちが仲良く肩を組んで合唱しておりました。
ボク等小心者の少年たちは片隅のカウンターでその生態を観察していたんで
すけど(笑)
このお店の常連客であったのが、有名なところでは三島由紀夫とか野坂昭如とか。
彼等がエッセイなぞにこの店のことを書いていたのを見て、喜んだりして。彼等が
愛したのがこの店のウリであった「どん底カクテル」という不思議な飲み物。単純に
言えば焼酎の炭酸割みたいなもの。ちょっと甘味があって、すっきりした味で、
カクテルという名に相応しくない、サイダーの大瓶に詰めて供され、コップでぐびぐび。
一本呑んだら腰が抜けるという代物でした(笑)兎も角、安くて早く酔える!貧乏学生
にはもってこいの飲み物でしたね。
それからあの歌手の加藤登紀子さん。彼女はほんとあしげにここに来ていたようです。
当時無名であったので、ボクの記憶にはありませんが。
因みに時々奥様と社会見学ということでこちらに来て、どん底カクテル(略して「どんカク」
を呑んでますが、昔と違って随分とスマートな飲み物になってます。腰が抜けるということ
はないようですね(笑)
オカマバーやら飲み屋が多かったこの町も随分と様変わり。おとなしくなったような
気がします。
新宿末広亭。最近の落語ブームで、ここはまた往時の盛況を取り戻して
いるようです。毎日TVで繰り広げられるどたばたの意味のないどつきギャグ
やら下手なタレントの一発芸じゃ見てらんないですものね。
いつまでたってもなくならない、小中学校のいじめ問題なんて、こういう下品な
お笑い番組の影響ってかなりあると思うけどなぁ・・・
ついこの間も、何で人気があるのかボクにはわからないのですが、一発芸の
タレントが高飛び込みの真似だかして大怪我をしたようですけど。あれって、
ある意味いじめじゃないの?業界も視聴者も麻痺してるからねぇ。
大衆酒場の典型。まだ開店前ですけど、開店と同時にお客さんで埋まります。
まだ日の高い時間から(笑)長引く不況、こういうお店が受けるのも理解できますわ。
この二つとも前回紹介した調布の名店「い志井」の経営するチェーン店だったのね。
びっくり!それなら安心して今度飲めると思ったりして(笑)
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Phoenix 東北&関東
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