「蝶々」
二つ折りの恋文が、
花の番地を探している。
なんとも短い詩(散文詩)です
ほんとにこれだけ
こんな短い文章で 蝶々が広い野原を ひらひらと
次から次へと 蜜を求めて彷徨う様が
或いは 果たせぬ恋に疲れた 旅人の姿が
シルエットとなって あなたの目の前を
通り過ぎるのでしょうか
はたまた バッグにラブレターを忍ばせたあなた
恋人は未だ振り向いてくれない
いつ渡そうか
この胸のうずきは なに?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
詩はジュール・ルナール作「博物誌」から
(岸田国士 訳)
ルナールって皆さんご存知ですよね
あの「にんじん」の作者です
2009年5月12日投稿