親にステレオ買ってもらって洋楽のLPを買い集め出したのが1970年代の初め頃。
あの時はLP一枚がレーベルによって違っていたけど、だいたい1800円から2000円だった。
それらを消費者物価指数を参考に今の価値に換算すると約4−5倍となり一般的な家庭の子供にとっては結構なお値段で、当時自分の小遣いで買えたのは大体月一枚、正月のお年玉で一気の数枚ってレベルだった。
月一回行われた個人的LP購入選考会では、新譜の情報が掲載されている専門誌の立ち読み、ラジオでオン・エヤされている収録曲の印象と個人的な6感を基に今月の一枚が決定された。
ここで注意しなければならなかったのが、専門誌による提灯記事の大げさな宣伝文句とラジオでの先行シングルの印象だけでアルバムを評価出来るかの判断だった。
ネットのストリーミングで簡単に全曲試し聴き出来るなんて本当に良い時代になったものだと感慨深い。
結果予想通りに個人的に捨て曲なしのアルバムもあったが、シングルだけであとの曲がいまいちなLPアルバムもあったが、せっかく時間をかけて検討し大枚を叩いて購入した訳だから少しでも気に入ったところを探そうとなんどもかけまくった記憶が。
それが功をそうしたのか回数を重ねると結構馴染んできて悪くない評価のアルバムとなった例もあった。
ただ歳を重ねる自身の収入も増え大人買いが出来るとなると、レコードに対する扱いが雑になる。数回聴いてそれほどのインパクトをもたらすことができなければ、レコード棚に放逐され長い眠りにつく事になる。
CD時代になると扱いは更に雑に...
レコードの場合は片面20数分で終了し、裏面に展開する間に気持ちのリセットが出来、そこで集中力も回復。
ところがCDの収録時間は約70分強あり、その容量を全て使わずとも通常50ー60分程度の音源を収録したアルバムが巷に。
よほど変化に富むアルバム構成でないと連続して聴くと単調な印象にもなるし、アーティストも収録時間に余裕が出来たことから良かれと思ったかどうかは定かではないが、蛇足と思えるパートが増えて曲が結構冗長な展開となって退屈を覚える事も多々ある。
曲によってはサビのパートをこれでもかと無闇に繰り返すのではなく、本当に心地良く聴こえるサビを一発にすれば物足りなく感じもう一度聴いてみようってかって感じる場合もある。
ポール・マッカートニーが1993年のアルバム、Off The Groundは1989年のFlower In The Dartと1997年のFlaming Pieの間に出たらしい。
車のラジオで時折かかっていた軽快なHope Of Deliveranceに惹かれたものの、オン・タイムでは何故か購入しなかった。
このCDが2014年に再発されようやく購入。
一聴し、演奏はライブ・バンドのメンバーで固めてしっかりまとまっていて悪くはないけど、ポールにしては少々地味って印象だったかな?
その後はCDのトレイに乗る事もなく忘れられた存在に、そして本日それ以来の登場。
改めて思うことは、曲数を減らしさらに長尺な曲は思い切って短縮しもっとアルバムの展開にもっとメリハリつければ集中力の劣化した私のようなオジンに優しいアルバムになるのではないかと思う今日この頃…