CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

モノ・トーンの世界 その4

2020年07月30日 | Southern Rock

デュアン・オールマンのスライドがうなりをあげてStatesboro Bluesが始まるともうそこはオールマン・ブラザーズの世界。

1971年の2枚組アルバム、AT The Fillmore East。日本に上陸したのはその2年後の1973年で当時はアトランティック・レーベルから発売。

彼らの存在を認識したのは、翌年1972年のアルバム、Eat A Peachからで、デュアン・オールマンはすでにこの世に別れを告げていた。当時はパープル、ツェッペリンやイエスなど英国のロック・バンドを追いかけてEat A Peachまでは手が回らなかった。

(1976年の再発盤。日本ではビクターがキャプリコーン・レーベルと新たにライセンス契約を結んでいた。)

彼らのアルバムを手にしたのは、次作Brothers & Sistersからで、FMでRumblin’ Manがよくオン・エヤーされていて、そのギター演奏のかっこよさに惹かれて購入と相成り、さらにグレッグ・オールマンのサザーン・ブルースの虜となる。

てな事で、彼らの古いアルバムを遡って聴いていったことから AT The Fillmore Eastに遭遇。

ジャケはクールなモノ・トーン。

しかしその内側には熱気にあふれた演奏でオレンジ色に染まっている。

当然、タブロイド判の“オレンジ色のニクい奴ら”のことではない。


モノ・トーンの世界 その3

2020年07月29日 | ROLLING STONES関連

もちろんストーンズにもあります。

1965年の夏、収録された 楽曲だけでなくモールス信号を各メンバーの身体で表現したジャケにもポップさ表現したビートルズのアルバム、Helpに遅れること約一ヶ月、ついにストーンズのニュー・アルバム、Out Of Our Headが登場。

(Out Of Our Head UK盤)

頑固にも英盤にはシングルで発売された大ヒット曲、サティスファクションは収録されず、大半はアメリカ録音のR&B系、さらにジャケはモノクロ。

ビートルズのそれと比べて非常に対照的な内容で、少々泥臭イメージかな?

発売から55年経って聴いてみる。

泥臭いイメージ皆無、ストーンズらしいクールなモノ・トーン。

(2010年、ABKCOから出た再発盤ボックスの1枚でオリジナルの真っ赤なデッカ・レーベルとは色合いが違うけど、どこか懐かしい。UK盤は通常シングルは収録しない設定だが、アメリカで独自に先行シングル・カットされたHeart Of Stoneが収録されている。)


モノ・トーンの世界 その2

2020年07月28日 | JAZZ・FUSION

モノ・トーンのジャケと言えばこのお方を無視するわけにはいかない。

元ウエザー・レポートのメンバーであったジャコ・パストリアスが1976年に出したデビュー・ソロ・アルバム、Jaco Pastorius。

若干24歳の彼がこのレコーディング・セッションで10代から書き溜めていたとは思われない成熟した曲を革新的なベース奏法で披露。

モノ・トーンだからといって日本的なウエットなイメージは沸き起こらない。

受ける印象としては、 派手さを殺した大人のシックな色合いを出してるって感じですかね。

 


和物モノ・トーンの世界

2020年07月27日 | JAPANESE

リボルバーの白黒ジャケを見ていると、このアルバムを思い出す。

中島みゆきの1976年のセカンド・アルバム、みんな去ってしまった。

リボルバーがドライなモノ・トーンだとすると、こちらはかなり湿気を含んだ奴。

やっぱり日本人的にはそんなイメージになるのかな?

ただ前作のデビュー・アルバムから比べると、全体的に和製フォークから歌詞とメロディーに歌謡曲の素がパラパラ見え隠れ。

翳りはあっても柔らかくしっとりした味付けに仕上がっている。

お好きですか?と問われれば嫌いな世界でもない。

でも毎日は勘弁して。

サイドー2の4曲目、“うそつきが好きよ”は日吉ミミがカバーしてたのをテレビで見た。

“うそつきが好きよ”って言われると嘘でも嬉しい〜


モノ・リボルバーで一撃

2020年07月26日 | BEATLES-BADFINGER関連

空を見上げると本日も灰色のどんよりした雲が遥か彼方まで連なり、時々思い出した様に雨がパラパラ。

こんな時、ビートルズのリボルバーのモノラル盤はどうよ?

快活な一面を引き出そうとGood Day Sunshine〜♪と声を張り上げるも、俺の知ったことじゃねぇとTomorrow Never Knows、Dr,Robertいかがっすか〜?精神的に病んでる人にはよ〜く効きます、効きすぎちゃってI’m Only Sleeping、俺は潜水艦の中で素敵な毎日!と世間を気にせず能天気気味に歌い、片や税務署の連中なっちゃいね〜 税金取り過ぎ〜! と食ってかかるお方もいらっしゃり、メンバー各人てんでバラバラの少々サイケデリック気味なご意見やご主張…

それでも一旦左右スピーカーから同じ音の塊がド〜ンと放出されると、む〜っと感じる湿度の高い空間にスッキリ・クッキリ系の締まったサウンドが…

湿気対策にはモノ・リボルバーの一撃で。

1982年モノ盤

かってモノ音源といえば、60年代に出たお高い〜英モノ盤を中古ショップで探すか、さもなくば1982年にプレスされた再発モノ盤に頼らなければならなかったが、2009年にCDモノ・ボックス、さらには2014年には新しくプレスされたモノ盤レコードが登場し、今ではモノラル音源を比較的簡単に楽しむことが出来る。

Dr,Robertいかがっすか〜?じゃなくて、リボルバーのモノ盤一家に一枚いかがっすか〜?


すわ! エイリアン?

2020年07月18日 | PROG ROCK

何やら白く光る謎の物体がお嬢様の喉元に!

ELP1973年発売のアルバム、Brain Salad Surgery(恐怖の頭脳改革)。

キースの弾けるキーボードのプレイに、ブンブン唸るグレッグのベースとカールのドラムが重くドシドシと被さるいつものELPの様式美を形成し、収録曲のレベルも彼らの集大成とでも言える内容で、代表作のアルバムだと言える。

ところで、邦題の“恐怖の頭脳改革”について、前頭葉は英語でFrontal Lobe。

Lobeは葉と言う意味があり、Saladを葉物と取れば脳前頭葉手術と解釈出来るのであながち的外れではない。

ただWikiなんかには、作者の意図はちょっと違ってセクシュアルなものだと書かれている。

しかし、この女性の絵に表されている髪の毛や襟あたりの造形は、確かどっかで見た印象が…

そう、この絵の作者はギーガー。

後に1979年のリドリー・スコット監督の映画、エイリアンのクリエーチャー・デザインに携わりアカデミー賞を受賞、世界的に名を馳せるその人なのである。

博士:なんとなく、この謎の物体ってエイリアンの口からニョロっと飛び出すアレの原型などと思ってしまうのう〜

助手:ELPメンバーによるジャケのデザイン採用によるこのアルバム、世界各国で大量に流通したのおかげでギーガーも一気に世界進出への道をたどりますね〜

博士:ギーガーは1979年のエイリアンでさらなる名声を得たが、ELPの方々はこのアルバムがピークとなり徐々にかっての輝きを無くして行くことに。でっ、1980年に賞味期限切れで解散の憂き目に遭っておるのう〜

助手:何だか例の謎の物体に人気を吸い取られてしまった感じですかね?

そこで、ELPの皆様の当時の心境を一言で表しますと…

ギーガーのエイリアン、ギーガーの絵イリアン、ギーガーの絵イリャン、ギーガーの絵イラン、ギーガーの絵いらん! バンザイ〜!

そんな訳ない!

どうもすいません。

1976年の国内再発盤。

ELP設立のレーベル、マンティコア。

ライオンの様なサソリの様な、背中の針の様な背びれはこれまた一体...

やっぱり貴方もエイリアン?

 


早く梅雨があけて欲しいね

2020年07月16日 | JAPANESE

バラエティーのMCとしてあちこちの番組に出演し人気を博している有吉氏。

今の若い人は多分知らないだろうと思う。

それは今から約25年ほど前の1996年の12月、漫才コンビの猿岩石名義で出した初シングルが、1997年オリコン年間11位でミリオン・セラーを記録。

ちょうどその頃思い切って新しい方向に仕事を転換していたときで、もし失敗すればお終いと言う不安が頭の片隅に。

そんな時この歌の“見えない未来を見つめて”だとか“行けるところまで行こうか...見えない地図を広げて”なんてベタなフレーズに妙に共感し、何とかなるさと楽観的に開き直りが出来た様な?

コロナ感染拡大中で停滞中の今日この頃ではあるが、これまた楽観的ではあるが早く真夏の白い雲の様に再び風に吹かれて歩いて行けることを願う。

3インチのCDも中古屋の片隅に佇んでるだけで今や化石の様な存在ですな。


ハーフ・スピード・カバーの王者

2020年07月15日 | AMERICAN ROCK/POPS

1960年代後半、世の中サイケデリック・ブームって事で、何でも海の向こうではドラッグでトリップしながらロックを愉しむようなブームがあったそうな。

ドラッグの影響を受けていると当然焦点の定まらぬぼんやりとした幻覚の世界に誘われる訳で、そういった場合は緩〜いテンポの楽曲が好まれるのか、スピードを落として演奏しさらに同じフレーズが繰り返されるインプロビゼーションを挿入し長尺の曲が数多く作られた。

アメリカでは、オルガンの音色が特徴のドアーズやアイアン・バタフライらが登場し人気を博した。

その中でもハーフ・スピード・カバーの王者として一時期ロック界に君臨したのが4人組のバニラ・ファッジ。

日本ではジェフ・ベックとBBAを結成し来日公演でライブ盤を残した関係でドラムのカーマイン・アピスとベースのティム・ボカートらがバンド内では突出しているイメージがあるが、残り2名のギターのビンス・マーテルとキーボードのマーク・ステインも頑張っていて、バンドとしてのバランスはうまく取れているように思う。

1967年のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは大ヒットし全米6位を獲得し、さらにシングル・カットされたシュープリームズのYou Keep Me Hanging Onはスローに生まれ変わりなんと全米6位を獲得。(ただしシングル盤はラジオでオン・エアーしやすいようにショート・バージョンだった)

それ以外にも、レノン-マッカートニーのTicket To RideやEleanor Rigby、カーティス・メイフィールドのPeople Get Readyにゾンビーズの She’s Not Thereなどなど、それぞれハーフ・スピードの長尺バージョンが漏れ無く収録されている。

(レコードからCDに移行される80年代後半のATCOレーベル、アメリカ盤でございます。)

今聴けばレトロチックで悪くはないけど、こんなにイントロが長くスローな展開じゃ切符買っている間に汽車は出ていってしまうかもね…

確か、カーペンターズのカバーした時も乗り遅れたって話だし。 

なあ〜んって、適当なこと言っちゃダメ!

どうもすいません。


隠れ家で一息つく

2020年07月14日 | West Coast Rock

アメリカの1976年、6枚目のオリジナルアルバム、Hideaway。

ジョージ・マーチンがプロデュースを引き受けた通算3枚目のアルバムで、初期の泥臭く荒削りなCSN&Y風だった面影はなく、サウンドは円熟の味が滲み出た全面AOR仕立てのポップ路線へと変遷。

リスナーによって好みはあるけれど、個人的にはこれがアメリカとしての完成形では無かったか?

もちろん前作のHeart(全米4位)と比べるとチャート的には全米11位と振るわなかったのは、アルバムの売れ行きを左右する Sister Golden Hairのような大ヒット・シングルが無かった事から、少々地味と映ったのかも…

このアルバムから2枚目のシングルとしたカットされた、デューイ作のAmber Cascade(琥珀の滝)。

残念ながらヒットするには至らなかったが、デビュー・アルバムで大ヒットした同じデューイ作のHorse Of No Name(名前のない馬)で、砂漠での暑さにやられ (ドラッグにやられた比喩?)ぼんやりと長い旅を続けてきたのがついに琥珀色の滝(雨)で今までの雑味が洗い流されスッキリしたって感じかな?

その後人気が下降局面になったのを考えると、せっかく隠れ家で一息ついたのだから、次のアルバム、Harborではもう少し尖がって冒険してもよかったのではないかと今更ながら思わずにはいられない。

我が家には、どう言うわけかアメリカのアメリカ盤もある。アメリカ・プレスのジャケにはアメリカのロゴがこれまたどう言うわけか見当たらない。見ての通りアメリカです〜て事なのか?


時代はエヤー・ビーで

2020年07月13日 | BEATLES-BADFINGER関連

先日こんな本を見かけた。

タイトルは完全保存版ビートルズ・シングル・ジャケット・コレクション[国内編]と謳われ、さらには帯にはシングル58枚を原寸大カラーで一挙掲載、世界的コレクターとして知られる著者の秘蔵レコードが収録されたマニア垂涎の一冊!なるキャッチ・コピーが躍っているではないか!

ビートルズのレコードやCDを買い集める自称4流コレクターである私としては、何やら大っぴら公開するには少々ためらわれる“秘蔵”なるワードに惹かれて発作的購入行動のスイッチがオンとなり、購入と相成った。

ところで、ビートルズの音源を完クリで集めるとなるとかなり骨の折れる作業となる。

何しろ、通常なら初回プレスで廃盤となるが、ビートルズの場合はやっぱり人気アーティストとして何度もプレスされそれらをすべて網羅するとなるとかなりの種類になる。さらに日本国内だけではなく当然海外盤でも同じ状況なのでさらにその種類は増える。

この本は国内シングル盤だけに限定しているにもかかわらず細かな違いを考慮するとかなりのバリエーションが存在する事を示している。

例えば、同じタイトルでもオデオン盤かアップル盤のレーベルの違い。また同じレーベルでも、プレス時期によってジャケ・デザインや販売価格が異なることも。

さらにオデオン盤とアップル盤でジャケ・デザインが共通している複雑なケースも、そして製造会社が東芝音工か東芝EMIかでこれまた新たな種類が発生し、それ以外にもエラー盤とかその他細かな違いなどあるそうな...

(左が初回盤、右は同音源でジャケのデザインが変更されたセカンド・スリーブ、両方ともオデオン・レーベル、定価330円也)

(両方とも初回オデオン・レーベル、定価370円也)

(両者ともアップル・レーベル、左は東芝音工製で定価400円、右側は東芝EMIに社名変更後再プレスされた物で定価は500円に改定)

著者もそのあたりは十二分に認識されていて、前書きには“マニアックな人には物足りないかも”、またその注意書きとして“中には初版でないジャケもある”と記し、私のようなビートルズ・コレクター界の末端構成員(決してその筋の者ではない)としましては、改めて完クリが如何に大変な作業であるか再認識する次第でありまして…

博士:中古を収集する時間もお金もないワシとしては、この本でジャケの画像を目にしっかり焼き付け買った気分になる極意を習得し今後エヤー・ビートルズ・コレクター道に精進する所存じゃ!

助手:弱者である4流コレクターの味方、略してエヤー・ビーですね。そのお言葉いただきました。星三つです!

通りすがりの人:エヤー・ビーって民泊のAirbと勘違いして紛らわし〜! あんたも秘蔵じゃなく秘本と勘違いしたんじゃね〜の?

どうもすいません。


AORへの入り口、ビリー・ジョエル

2020年07月12日 | AMERICAN ROCK/POPS

1973年のセカンド・アルバム、Piano Manで成功を収めさらなる飛躍が期待されたが、続くサードとフォース・アルバムは出來が良かったものの何故か売れ行きはそれほどでもなかった。

そして1977年遂に長年の期待を背負ってアルバム、The Strangerが大ヒット。

当時ハード・ロックやプログレもパンクやディスコにお株を奪われ低迷していた頃、AOR系を聴き始めるきっかけとなったアルバム。

プロデューサーはポール・サイモンのセカンド・ソロで初めて知ったフィル・ラモーン。彼との共同作業がビリーの売れ筋のツボでも探り当てたのでしょうかね…

全米2位となり、現在までにアメリカだけで1千万枚を売り上げ、シングル・カットされた曲も漏れ無く大ヒット、おまけにグラミー賞も受賞と文句なし。

普通 LPを買うとお気に入りの魅力ある曲とそうでないどうでもいい曲が混ざり合っている場合がほとんどだが、このアルバムは捨て曲無しで最後までサクサク。

また新しい週が始まる。気持ちを整えるために日曜の夜はサラッとね。

Just The Way You Are〜 ♪♪

 

 


ジェリコって何処?

2020年07月11日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1993年のザ・バンド再結成のアルバム、Jericho。

再結成とはいえ、ロビーは不参加、さらにリチャードは1986年に物故。

仕方がないので、旧メンバー3名に新たに3名の新メンバーを加えて制作された。

昔のザ・バンドを思い起こさせるノスタルジックな雰囲気が漂っているに過ぎないなど辛口のレヴューも目立つが、もともとザ・バンド自体が古き良きルーツ・ミュージックを追い求めてきたのだから、昔の雰囲気がまたまた楽しめるアルバムと言うか、私としてはよくぞ再結成してくれた、パチパチパチパチの出来です。

(ファースト・アルバムに登場したBig Pink)

因みに、アルバム・タイトルのJerichoは旧約聖書に出てきたパレスチナの古代都市かと思いきや、このアルバムの3曲目の曲、The Cave Of Jerichoを聴いてみると、ジェリコ〜、ケンタッキ〜♪♪って歌っていますね。

フランスのパリと思いきや、近所の洋品店、パリって感じですかね?

 


Last Concert In Japanと銘打ったにしては、その後も結構日本公演ありましたけど…

2020年07月11日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連

普通のロック・バンドならギリ及第点のライブかな。

本日は1975年東京のBUDO-KANで録音されたパープルのライブ・アルバム、Last Concert In Japan。物故されたトミー・ボーリン先生を追悼ってことで1977年に日本だけで発売。

しかし、これがパープルとなるとそうはいかない。なぜなら、そのわずか3年前の1973年に歴史的な名盤Live In Japan(もしくはMade In Japan)を残しているから比較されるとどうしても分が悪い。

リッチー師匠の代わりに加入したトミー先生、東京公演時、腕の不調でまともにギターが弾けない状態だったとか。また薬をやっていたてな話も聞こえてきたけど

結局第4期パープルは約2年活動後解散し、その後直ぐに薬のやり過ぎでトミー先生は冥界に旅立たれた。

私にとって、トミー先生といえば以前このブログでもアップしたフュージョン・サウンドが炸裂したビリー・コブハムのアルバム、Spectrumでの客演で大活躍された印象が非常に強く残っていて、このアルバムを聴いた時同じ人がギターを弾いているとは思えなかった。

ただ、ギターが不調ならその穴埋めはキーボードで、またボーカルもドモ・アリガートの連発で日本公演を盛り上げようとするなど、このライブはバンドとしての一体感は感じられた。

その後のパープルの日本公演でボーカルに返り咲いたイアン・ギラン氏、かってのように高音でのスクリーミング出来なくなってしまっているしね...

今改めて聴き返せば、もうこれはこれで良しとなるのではないかと。

 

 


魔女の森から参上

2020年07月08日 | PROG ROCK

本日は英国トラッド・フォーク出身のストローブスでも。

手元にあるのは彼らの1971年の4枚目のアルバム、From The Witchwood(魔女の森から)。

(オリジナル英盤のジャケが地味だったことから、日本盤のジャケは英盤のインナーにあった宗教画を全面的に採用。そしてWitchwoodはのちに設立された彼等のレーベル名でもある。)

(確かにオリジナルのジャケ・デザインは地味すぎる。これじゃストローブス知らない人は見向きもしない)

このアルバムのよくある解説文では、リック・ウェイクマンが在籍したバンドで、彼がイエスに移籍する最後のアルバムとか何たら…

残念ながら、このバンドに関してはリックの存在ばかりにスポット・ライトが当たってばっかりではあるが、このバンドの肝といえばリーダーであるデイブ・カズンズで、彼が提供する格調の高くかつユニークな曲に被せる彼の独特な節回しがこのバンドの特徴であり骨格であると言って間違いない。

確かに、リックの華麗なキーボード・ワーク、トニー・フーパーの高音でのボーカル、ハドソン・フォードによるポップな楽曲の提供や、さらにトニーとのメンバー・チェンジで後日加入するデイブ・ランバートのソリッドなロック・ギターも売りではあるが、個人的にはそれらは聴き手に対してバンドの多様性を示しているに過ぎない。

(左から、デイブ・カズンズ、トニー・フーパー、リチャード・ハドソン、ジョン・フォードにリック・ウェイクマン、写り具合は確かに地味かな?)

あくまでもデイブ・カズンズが主だからね!

と喚いてみたものの、マイナー・バンド故に同好の士が少ないのがネックで一体何を言わんとしているのか中々解ってもらえないだろう。

確かにもう21世紀になって既に20年が過ぎ去ろうとしている今、この手の英国トラッド・フォーク系を日本で聴く人なんてかなり希少的な存在だ。

もう少し年月が過ぎ去ればクラッシック・ロックなんてカテゴリーは消滅し、クラッシックの一部に編入されるかもね…

まあ今出来る事といえば、このアルバムの最後に収録された曲で、I’ll Carry On Beside Youとトニー・フーパーが高らかに歌い上げるごとくシコシコと聴き続ける事ですかね。

ただ同好の士がいないのでBeside Youとはいかないけれど…

うちのカーちゃん曰く、“んっ? ストローブス、誰それ?”って感じですからね。