博士:明確なコンセプトがあれば、レコーディング前にタイトルは出来ておるじゃろう。しかし、普通レコーディングを開始すると、当初持っていたコンセプトが途中で変化する場合もあるので、先に仮題を設定しレコーディング後に、再度検討する場合が多いと思うが。
助手:レッド・ツェペリンの1979年のスタジオ8作目にあたるIN THROUGH THE OUT DOORはどうでしょうか?
WIKIには、”ロバート・プラントの子息が急逝した事による活動停止とパンク・ロックの隆盛から、レッド・ツェペリンは過去の遺物であるという議論が巻き起こった。それに対して、新しいスタジオ・アルバムに“ドアの外側から内側へ”という意味を込めIN THROUGH THE OUT DOORと命名した”と訳のわからない事が書いてありますが…
博士:本当に意味不明じゃ。わしは、英語の先生でないから、正確でないかもしれんが、THEという冠詞の後にOUTとDOORの単語が独立している事から、THE OUT DOORは、“出口の扉”と解釈したい。海外に行くと出口専用の扉にOUTと表示されているのを見た事があるのじゃよ。
すなわち、IN THROUGH THE OUT DOORは、出口の扉を抜けて中に入る、すなわち”いつもの行動とは逆である”という事を意味しているのではなかろうか?
助手:なるほど、今回のアルバム制作は、ペイジがドラッグ中、ジョン・ボーナムがアル中の影響で万全ではなく、ジョン・ポール・ジョーンズとロバート・プラントが主となり、今までとは全く異なる形でのアルバム制作と成りましたからね。
博士:多分録音終了後、ペイジが自身のスタジオで最終ミックスを行った時に、 今までとは違うやつという意味で、IN THROUGH THE OUT DOORとタイトルを決めたのではないだろうか?
このアルバムの印象としては、前作のプレゼンスを引き継ぐ内容ではなく、むしろ6作目のバラエティーに富んだ内容のフィジカル・グラフィティーを軽くしたものように感じる。今までのハードでキャッチーなギター・リフもそれほどなく、ドラム演奏もかなりソフトに仕上げられている。時代に合わせ、ちょっと路線を変更してみたかったのかもしれないのう。
助手:副題をつければ、ZEP NOW! という感じですかね。
博士:ペイジはIN THROUGH THE OUT DOORの後、以前のような ハードなギター・リフとヘビーなドラムを盛り込んだアルバムを制作したかったみたいじゃ。残念ながら、ジョン・ボーナムの急逝により実現はしなかったがのう。
コアなファンの要求を完全に満足させる事は出来なかったが、ZEPとしての楽曲の水準は保たれ、ヒプノシス制作の特殊ジャケットも話題となり、全米・全英それぞれ1位に輝き、アメリカだけでも累計売上が650万枚以上という大ヒットとなった。さすがはZEP。博士も、いい加減な新説を唱えるのではなく、もっと地道にしっかりとした記事を書きブログの人気を向上させて欲しいものである。
紙袋の中に、レコードを収めるインナージャケットが入っており、インナージャケットは6種類あり、どれが入っているか紙袋から出さないと判らない趣向であった。
博士:心得た! それでは、ペイジの人気にあやかって、地味頁のペンネームで記事を書こう!
いや~ そういう問題では…