コンチネンタル・スタイルの豪華かつ壮大なホテルのことである。
昨今、有名ホテル・チェーンがあちこちに新しくホテルをオープンし、インフレ気味に5スターと呼称して居るみたいだが、グランド・ホテルとは、もし勝手にグレードをつけることが出来るなら10スターと言っても差し支えないほどの長い歴史と高い格式を持っていると考える。
プロコル・ハルムの1973年の6作目のスタジオ・アルバムでそれは歌われている。
R&Bとクラッシックを融合させた作風でデビューしたかれらは、このアルバムでもその実力を遺憾なく発揮している。少し抑え気味の歌唱に荘厳なオーケストラとコーラスが絡む。
しかしながら、グランド・ホテルの豪華さを形容歌詞とは相反してメロディーは悲しげで、一体何をこの歌は語るのか私のような凡百の頭では理解できない。
助手:オオー、凄いですね~ 何かプロコル・ハルムの宣伝担当者みたいな口上ですね。
博士:プロコル・ハルムのオリジナル曲の作詞はキース・リイドが担当しているのだが、彼の詞は非常に難解でよく解らないのことが多いのじゃ。
その当時、本人に浮かんだインスピレーションや抽象的な表現、あるいはしゃれっ気のある言葉を散らばらせているので、どういった意図で作詞したのかは本人に確かめないと理解できないのじゃ。
助手:TVシーザーって曲ありますが、テレビって言うのは、絶対君主のシーザー、アニメで言うとマイティー・マウスと言う意味ですよね。
博士:歌詞を読んでみると、テレビは見ている人たちをいつもスパイしているなんて件があるから、SF作家、ジョージ・オーウェルの小説“1984”に登場する双方向テレビとか監視カメラのことを歌っていると何かに書いてあったのう~
助手:そういえば、デビッド・ボウイーの小説“1984”をコンセプトにしたアルバム、ダイヤモンドの犬にも、BIG BROTHER(オセアニア国の指導者)が登場する曲ありましたね。
最初何のことかわからなかったのですが。
やっぱり、自身で歌詞を直訳するだけでは何のことかさっぱり分かりませんね。
博士:我、クラッシック・ロック研究所としては、コンセプト・アルバムと称されているアルバムの解読の方法としては、まず精神を集中してジャケットを眺め、そして歌詞は無視して音だけを頼りにして、アルバム本質は何かを読み取るのじゃ!
助手:ロック道を極めると言うのは大変ですね~
博士:ディランの36枚組みブートレッグ・シリーズ第13弾、THE 1966 LIVE RECORDINGSを聴く事と比べたら大したことは無かろう。
当時のライブではディランは必ずコンサートの最後の方にライク・ア・ローリング・ストーンを歌うからのう~
何しろ、各公演のライク・ア・ローリング・ストーンを36回も聴く事になるのじゃ。
これだけ転がされると、削りに削られ、最終的には細かい塵と化すことになる!
助手:博士! 大変です。キース・リイド氏によりますと、コンセプト・アルバムには間違いがないが、タイトル曲のグランド・ホテルを除いてはコンセプトとは関係ないといっていますが…
やはり、一曲ごとに翻訳していかないといけないのでしょうかね?
博士:かくなる上は、電子翻訳を使うのじゃ!
T.V. Caesar Mighty Mouse
T. V. シーザー強大なマウス
Holds his court in every house
すべての家で彼の裁判所を保持します。
Spied in every crack and corner
すべての亀裂やコーナーに見張られて
Watch you eat your TV dinner
時計あなたのテレビ ディナーを食べる
Creeping in through eyes and ears
眼や耳に忍び寄る
Finding out your secret fears
あなたの秘密の恐怖を見つけること
T.V. Caesar Mighty Mouse
T. V. シーザー強大なマウス
Shares the bed in every house
すべての家のベッドを共有します。
通りすがりの人:意味不明~