プロデューサーのポール・サミュエル・スミスと二人三脚で数々のアルバムを制作しヒット街道突き進んだキャット・スティーブンスであったが、自身のやりたい音楽とはニュアンスがちょっと違うってことで、ポールとのコンビを解消し1973年わざわざジャマイカまで出向いてR&B色を濃くしたセルフ・プロデュースのアルバム、Foreignerが完成。
音楽の方向性の違いでレコードの売れ行きが落ちた事から、翌年の次作、Budda And The Chocolate Boxでは再度ポールと組み少々ポップ度を上げた事により売り上げも上昇。
ただレコード会社主導のポップ・アルバムではなくやっぱり自身の心の向くままに音楽を作成したい強い思いがあり、1975年の9枚目のスタジオ・アルバム、The Numbersはセルフ・プロデュースに戻り、銀河の一惑星、Polygorでの九つの種族の物語をベースにしたコンセプト・アルバムとなった。
タイトルはThe Numbers、副題はピタゴラスの定理の物語なる少々小難しいテーマ。更にヒット・シングルも無かった事から、イギリスではチャート・インせずアメリカでも13位と売り上げを落とす不人気作となった。
それでも長年のファンであるオイラとしてはイチ押しとは言えないが、キャット・スティーブンスらしさは十二分に感じられる作品だと思う。