CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

イギリス生まれのならず者

2023年04月30日 | West Coast Rock

昔は日本のミュージシャンが海外でレコーディングするのが流行っていた。特にアメリカの西海岸で録音すれば、乾燥した気候で音も違った感じに仕上がるとか...

因みに、イーグルスの1973年のセカンド・アルバム、Desperado(ならず者)は、彼らのデビュー・アルバムと同様にグリン・ジョンズ、プロデュースの下ロンドンのスタジオでレコーディングされたとか。

カントリー・ロックをベースに西部のならず者、ドゥーリン・ダルトン・ギャングをモチーフとしたコンセプト・アルバムだ。

ちょっと渋めの印象だったのか、チャート的には前作を上回ることができなかったものの、後年再評価され売れ行きも伸びて大ヒットし彼らの代表作の一つとなった。

個人的には収録時間が約35分と少々短めで物足りない。後2曲ほど追加して全体的なアルバムの流れにもう少しメリハリを付けることが出来たならって今でも思ってしまう。

霧の都とも呼ばれるロンドン。ウエスト・コーストの気候と比べる湿気の多いイメージでアメリカ西部のならず者を描くにはちょっと違うのではないかと....

まあ本当の所は現地の気候ってよりは、ご当地の著名かつ敏腕プロデューサーやエンジニアにお願いすれば、収録場所がどこであれそれらしき音に仕上がるって事ですかね。

2014年のリマスター盤のレコードで聴いてみる。

間違っても、ウエスト・コーストの風を感じるだとか言ってはならない。


昔々のお話

2023年04月29日 | SSW

いゃ~ 今じゃ昔と比べて見る影も無くなった年老いたあっしではありますが、こんなあっしにも皆さんと同じように少年時代ってなものがあったんですよ。

確か担任が新米の女の先生だったから調子に乗っておちょくり過ぎた様な? そこに生活指導の先生がやってきて私を含む悪ガキどもはボコボコに成敗されて、更に親は学校に呼び出され後でコッテリ絞られた様な思い出も…

歯を食いしばれ!って言われてすぐにビンタが飛んできたり、硬い表紙の出席簿で頭を叩かれたり。

今じゃそれらは御法度ですが、昔は結構普通でしたね。

それはともかく個人的には学校生活の楽しみはやっぱり毎年行われるクラス変えでしたかね。

学年一の可愛い子と同じクラスになり、そして席替えで隣に座り彼女とMy Dear Friendになれたらな~って妄想をしてみたり。

そんな甘酸っぱかった香りを今でも思い起こさせてくれるのが、SSWのロボの1972年のシングル、I’d Love You To Want Me(片想いと僕)。

ああ~それから、心配しないでください。

いちびりはとっくの昔に卒業しました。


Slow Train Coming

2023年04月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ユダヤ人だったディランが1978年突如クリスチャンに宗旨替えした、そしてその翌年からゴスペル・アルバムを制作が開始していく。

後にゴスペル三部作と呼ばれたその第一弾が本日の1979年作Slow Train Coming。

ゴスペルと聞いて戸惑いディランから離れていったそれまでのファンもいたが、信仰心の熱い彼の地では新たなファンを獲得し、アルバムもチャートのトップを窺うほどの大ヒットとなった。

今回はマッスル・ショールズ・スタジオでジェリー・ウィスクラーとバリー・ベケットによるプロデュースの下、腕利のセッション・ミュージシャンに囲まれたレコーディングはそれまでの行き当たりばったりではなくかなりプロフェショナルに満ち溢れた作品になったのではないだろうか?

ギターにはダイヤー・ストレイツのマーク・ノップラーが主人公を喰わない様に控え目のながらもツボを押さえたプレイである。

移民大国アメリカでは、ヨーロッパの国々と比較すると信仰心は強いと感じられる。住み慣れた祖国を離れ新たな希望に満ちあふれプロミスランドに到着した移民者達を結びつけるのは祖国の政治的なイデオロギーではなくやっぱり宗教で現在に至るも生活の一部となり結構強固な結び付きを維持している。

片や、全国各地寺社仏閣に溢れた我が祖国日本では、一部の熱心な信者を除けば手当たり次第お願いすると言う少々薄~い繋がりですかね。

果たして、我々に未来の希望に満ちたSlow Trainが将来やってくるのだろうか?


古代への追想って?

2023年04月27日 | PROG ROCK

1977年の作品、Grand Illusionで遂にスティクスはアメリカのトップのロック・バンドの一つとして認められた。

そして翌年の次作、スタジオ・アルバム、Pieces Of Eightで前作同様、全米チャート6位を記録しその地位を堅固とした。

アルバムに収録されたタイトル曲、Pieces Of Eightは作者のデニス・デ・ヤングによると単にお金の執着とか物の所有欲によって夢を諦めちゃダメだって事を示しているそうな。因みにPiece Of Eightはスペインの昔の銀貨のことで、この場合富の象徴って意味ですかね?

それから通算8枚目のアルバムでもあるので、アルバム・タイトルとして採用されたのかもしれない。

それはともかく、それまで60年代のローカル・バンド時代から長年活動してきた集大成の位置付けだとも思える。

アメリカではプログレ・ロックがなかなか浸透しない状況でハードかつポップに、更に歌を丁寧に歌い上げる作風が遂にプログレ・ファン以外に広く受け入れられた。

日本盤のタイトルは“古代への追想”ってなっている。Pieces Of Eightとはどうも関係ないみたいな気もするが… ヒプノシスが制作したジャケにモアイ像が描かれていたので、そうなったのだろうか…?


Born To Run、ブルース・スプリングスティーン

2023年04月26日 | AMERICAN ROCK/POPS

オイラは生まれついての走り屋さ。

アメリカン・ドリームを目指して走り抜く。

あの辛かったBack Streetともおさらば。

ガソリンのある限り例えThunder Roadであろうが全力で駆け抜けてやるさ。

デビュー時はディラン・チルドレンなどと呼称され評論家から結構注目を集めていたもののヒットには至らず、ようやくその人気に火が付いたのが1975年の3枚目のオリジナル・アルバム、Born To Run。

1曲目のThunder Roadからエンジン全開、サイドーBのShe' The One前まで息つく暇もなく突っ走り、次のMeeting Across The Riverで一息いれて最終曲のJunglelandに辿り着くって感じの熱い展開の作品ですかね。

因みにワタシも恥ずかしながら自動車運転免許証なるものを持っていて、昔はよく走り回ったものだ。

今でもたまに運転するのだが、ただ昨今のガソリンの高騰で時代遅れのハイオク車を乗り回すのはいくらBorn To Runって掛け声をかけても、金欠によるガス欠でとてもじゃないけれどJunglelandに辿り着けない。

街に行くにはやっぱり電車が一番ですかね。


レコードの魅力、その3

2023年04月25日 | 特になし

LPレコードって音楽だけでなくアートの世界にも誘う魅力があるってことで、以前長岡秀星氏や横尾忠則氏制作のジャケを紹介した。

本日はそれに続いてはイギリス人イラストレーター、ロジャー・ディーン氏(1944- )の作品でも。

1968年に出た英ロック・バンド、ガンのアルバム、悪魔天国のジャケのデザインを引き受けたことで、その分野の仕事も受けていくことに。

初期で一番有名なのはイエスの1971年のアルバム、Fragileですかね。その評判が良かったことからその後イエスを筆頭にプログレ・バンドのジャケ・デザインを数多く手がける第一人者となる。

我が家にもロジャーの作品が結構あり、その一部でも眺めてみようかと…

1972年、ユーライア・ヒープ、Demons And Wizards

1972年、ユーライア・ヒープ、The Magician's Birthday

1973年、バジャー、One Live

1974年、イエス、Relayer

1974年、グレイビー・トレイン、Staircase To The Day

1980年、イエス、Drama

1995年、ユーライア・ヒープ、Sea Of The Light

CDだとやっぱりジャケのサイズが小さいことから、インパクトは半減。

やっぱりレコード!

もちろん中身のミュージックが重要なのは言うまでもないのだけれど、見た目も大事なんじゃないかと…


これもイエス

2023年04月24日 | PROG ROCK

ジョンもリックもいないイエス。

それが1980年、イエスの10枚目のスタジオ・アルバム、Drama。

バグルスの二人が加入。

トレヴァー・ホーンのボーカルはハイトーンなのでそれほど違和感はなく、キーボードのジェフ・ダウンズの演奏も当時の時代にあったアレンジでこれはこれでいい。

そしてアランのドラムスやスティーブのギター・ソロは通常運転、クリスのぶっといベースも健在でやっぱりイエス。

肝心の楽曲は、全体的に印象に残るフレーズが多くまたいつもよりポップで聴き易いかな?

大昔にあまりに安かったので中古ショップで中身も見ずに買った盤をそのままほったらかしにしていた。

さっきレコードを取り出してみると、なぬ〜 見本盤! 

ビートルズのLPだと見本盤を収集しているコレクターも結構いてそれなりの価値がつく場合もあるんだけどね…


土曜のリラックス・タイム

2023年04月22日 | BEATLES-BADFINGER関連

土曜日の朝はいつもは結構遅くまで寝床に居てリラックス。

ただ本日はいつもと違って、選挙の投票日の前日ってことで朝から街宣車が次々とやってくる。

仕方がないので、窓を閉め切ってリラックス出来る音楽鑑賞でも。

久しぶりにターン・テーブルの乗るのはポール&リンダ名義の1971年のアルバム、RAM。

表・裏面共にあっという間に聴き終わり、ようやくリラックス出来たって感じ。

個人的に捨て曲なしの好アルバム。

はちゃめちゃなMonkberry Moon Delightの破壊力がすざましい。

 


Goodbye Baby Hello Friend

2023年04月21日 | Wishbone Ash

ハワード兄弟をプロデューサーに迎え原点回帰を目指した1976年のアルバム、New Englandはアメリカでは全く受けなかったが、”彼等らしさ”が感じられたのか英国ではチャート22位と少々盛り返し次のアルバムに期待した。

そして同じプロデューサで翌年に出たアルバムが、Front Page Newsだった。

むむ~、これはいかん。何かこぢんまりまとめられた感じで英米どっち付かずのサウンドはインパクトに欠けた様に感じた。

一体彼らはアメリカで何をやりたかったのかな?

一般の印象も私と同じで、アメリカでは全く売れず、出身地のイギリスでも前作より売れなかったそうな。

アメリカで受けようとするなら個人的にはもっと仕掛けを多くしてギンギンに弾けりゃ良かったのにって思う。

てな事で、このアルバムを最後にイギリスに帰る事に…

歌の文句じゃないけれど、

Goodbye USA Hello UK~🎵 って事に。


みんな大好き、ビートルズのカバー

2023年04月20日 | BEATLES-BADFINGER関連

世界中の数多くのアーティストがビートルズの曲を取り上げている。

70年代になって洋楽に目覚めた私などはカーペンターズのHelpやTicket To Rideのカバーが印象的。特にカレンが歌うTicket To Rideでは主語がオリジナルのHeではなくSheだったのに、なるほどなって思った。

ビートルズが現役の頃にも数多くのカバー・バージョンが制作され、中でもセルジオ・メンデスとブラジル’66の1968年のボサノバ・タッチのカバーは大人の雰囲気たっぷりだな~と感心した。

先日そのシングル盤を中古で入手した。

なるほど、アレンジはジャズ畑のデイブ・グルーシンが担当。どおりでオシャレでクールな仕上がり。

セルジオ・メンデスのグループはこれ以外に、With A Little Help From My FriendsやDay Tripperもカバーしている。


プログレ不毛の地、アメリカ

2023年04月19日 | PROG ROCK

1969年前身のバンドが結成されその後メンバー・チェンジなどを経て、1973年Kansasとしてレコード・レーベルとの契約を果たしプログレの道を歩む事になった。

そして翌年セルフ・タイトルのデビュー・アルバム、Kansasが出た。

彼らはカンサス、それともカンザス?

ロック・サウンドにプログレ風味のバイオリン、キーボードそしてギターなどしっかりした演奏が絡み合う芸風で当時のアメリカのミュージック・シーンにおいては他のバンドとは一味違う結構ユニークなスタイルだと感じた。

ただこのアルバム最初の数曲を聴いてオォ~中々いいねって感じだったけれど、聴き進めて行くうちに何となく曲にどれも同じような雰囲気を感じ、少し焦点がぼやけたのが少々残念に思えた。

その後アルバムを重ねるごとにサウンドは進化しプログレ不毛の地、70年代のアメリカにおいて成功を収めた数少ないプログレ・バンドとなった。

プログレ・バンドのメンバーって全員が痩せているってイメージだったけれど、アメリカじゃなんか違うような…


ミラージュ

2023年04月18日 | AMERICAN ROCK/POPS

メンバー・チェンジして心機一転、アルバム、Fleetwood MacとRumourと立て続けにメガ・ヒットさせ、1979年にはこのバンドにとってホワイト・アルバム的な存在のTusk、さらにツアーを敢行しライブ・アルバムも発売。

やるべき事は一通りやり尽くしたような…

ミュージシャンの性として、そこで立ち止まるわけにもいかない。

少し時間が経った1982年、ようやくニュー・アルバム、Mirageが完成。

3人の異なった個性を持つソング・ライターが曲を持ち寄り、いつもの様にポップでバラエティーさが売りのアルバムで、全米アルバム・チャート1位を獲得し以前のアルバムに引けを取らない売り上げを叩き出す。

ただ長く待ったわりには個人的には何だか後退したもしくは元に戻った様な印象で、よく出来たアルバムなんだけれどもマンネリ感はありましたね。

ずっと何かを追い求めてきて、辿り着いたらゴールではなくそれは蜃気楼。

更に新しい何かを求めて彼らの旅は続いて行くのであった。


焦点

2023年04月17日 | PROG ROCK

1970年、オランダが誇るプログレ系ロック・バンドのフォーカスはFocus Plays Focusというタイトルのアルバムでデビューを果たす。

翌年、国際盤が欧米でも発売。異なったジャケのデザインを採用し、オランダでシングルのみで発売されたHouse Of The Kingが追加収録された増量盤として登場。

まだヤン・アッカーマンのギターが少々大人し目ではあるが、初々しくもフォーカスらしさは十二分に感じられるデビュー・アルバムだ。

このアルバム、これ以外に国によって異なったジャケ・デザインが何種類かあるそうな。中でも紫の背景にピンクのドット全面的に配置されたUK盤は少々謎めいている。

このジャケ・デザインは、裏表を並べて焦点を変えて遠くから眺めるとFocusって文字が浮かび上がる仕組みに。

(遠くから眺めるとFocusって文字が浮かび上がる。)

ただ、もう一点不思議なことはこのダフル・ジャケットの内側のデザインだ。

下半分の4コマのスペースには、各メンバーの写真があったはずだが、何故かブランクに…

誰か知ってる人いれば教えて!


アンテナがあってのオレたちです

2023年04月16日 | American Hard Rock

出身地のテキサスだけではなく、その名が全米に知られる様な活躍を成し遂げたZZ Top。

90年代になってから、大型の契約でレーベルをワーナーからRCAに移籍し、1994年位移籍第一弾が通算11枚目のアルバム、Antenna。

(オレ達の歌届いているかな?)

大ヒットした80年代のシンセ3部作の芸風に別れを告げ、シンプルでヘビィーなテキサン・ロックへと原点回帰。残念ながらアルバム・チャート・トップ10は逃すものの、翌年にはプラチナ・ディスク獲得しその人気は健在。

マンネリなんてどこ吹く風、Same Old Rock、上等です。


CDとLP

2023年04月15日 | AMERICAN ROCK/POPS

カーペンターズといえば軽快なポップ・ナンバーややや翳りのあるバラードにカレンの伸びのある素直な歌唱力とそれを最大限に生かすハーモニーが売り。

しかし1973年のアルバム、Now And Thenをピークにその人気にも徐々にではあるが翳りが見え始めた。とは言え、当然の如くそのあたりの凡百のアーティストと比べれるまでもなくその存在はまだ遥か彼方の銀河系の如く高い地位を保っていた。

ただ当時から、評論家筋からはマンネリ続きで退屈だととも言われていた。

それに反応してリチャードが”それじゃ一度初心に帰って勝負しようじゃないの!”と言ったかどうかは定かでは無いが、新しいコンセプトでアルバムの制作が始まった。

それが1977年に出たアルバム、パッセージでジャケ表にはお馴染みのカーペンターズのロゴ(ジャケ裏に小さくひっそりと)も兄妹の写真もなく単に五線紙上に音符というシンプルなデザイン。更に曲は自作曲は今回収録されずそれまでと毛色の違う曲を含んだ外部作家の作品を使用。

(日本盤の帯にはロゴと兄妹の写真もクッキリと)

もちろん従来の”らしい”曲も収録されているが、特別な気合いも入っていたのかそれまでとは一味違った仕上がりとなった様に感じた。

ただ、時代と共に人の好みも移り変わって行くのが世の常。力作にも関わらず思ったよりヒットせず時代は変わったって気がした。

かく言う私も、このアルバムは当時スキップし21世紀になってリマスターされたCDを購入したものの数回聴いた程度だった。

とある日、何ちゃらオフの店頭で私を呼ぶ声が…. (まあ、自分の単なる思い込みなんですけどね)

振り返ると、このアルバムが! コンディションを見ると帯付きでジャケットも痛みなく綺麗、それよりもレコード盤が新品同様。数回聴いただけで押入れ行きとなり、長い眠りから覚めると何ちゃらオフの店頭って感じですかね。

300円だったので買って家に持ち帰り一聴すると、これが非常によろし~

(サイドー1はやっぱり重厚なオーケストレーションをバックに歌うDon't Cry for Me Argentina、On The Balcony Of The Casa Rosadaから始まっているので何だか映画鑑賞しているみたい。)

(サイドー2のハイライトはプログレ系っぽいクラトゥーの作品のカバー、Calling Occupants Of Interplanetary Craftですかね)

CDのデジタル音源だとそれほどの手間なしに簡単に聴くことが出来るので、もし気分が乗らなければ途中でもそこでお終い。

反対にレコード、特に中古の場合はレコードの洗浄・乾燥と音源再生以前に何かと手間と時間がかかっているから、一旦プレイヤーに針を落とすとこちらも気合いを入れて最後まで集中して聴くことに。

案外そこで再発見することがあるのかも。