ビートルズ・フリークでもあるトッド・ラングレン。
カバーだけでは飽き足らず、ユートピアの面々を率いて1980年遂に完成、ビートルズ調アルバム、その名もDeface The Music。
直訳すれば、音楽を汚すっていう意味に。ビートルズを下敷きにチョイとお遊び、御免なさい、って感じかな?
とは言えそこは奇才トッドの事、パロディーと言ってもかなり真剣にお遊びしたって感じでそれぞれの楽曲はかなり作り込まれていて聴いていて中々楽しめる。
ただね、国内盤の宣伝がひどいかった。
確かに日本ではイマイチ知名度が低く、“あぁ、ローリング・ストーンズ知ってる、知ってる、サティスファクション聴けばノリノリ!確かボーカルはキース・ジャガーだっけ?”てな人にはまずトッドもしくはユートピアの存在は認知されていないだろう。
当然ビートルズのファンを何とか取り込んでセールスに結び付ける何らかの手法は必要。だからって、帯の宣伝文句だとかライナーの制作にビートルズのイメージを無理やりパロって植え付けようとしたのはあまりに安易だったかな? 特にくだらない邦題を各曲につけたのは最悪のセンス。
(これは酷い、あまりに安易!ミート・ザ・ユートピアは何とか許せても、Crystal Ballがキャント・バイ・ミー・ア・クリスタル・ボール??? Aloneがホワイル・マイ・ロンリネス・ジェントリー・ウィープ??? All Smilesがミッシェルの微笑みだって!)
ジャケ裏の副タイトルはOutstanding In Their Field。ジョークぽいけど自信作と自ら堂々と宣言している。
それならリスナーに先入観を与えるのではなく、彼らの自信作がどんなものか聴いてのお楽しみって事にすれば良かったのに。
センスのなさに、Deface Utopia、すなわちユートピア流パロディーを台無しにされたってことに…