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存在の証

今日、お仏壇を掃除していたらあることを忘れていたのに気づきました。それはこの世に出ることができなかった娘にひな人形を飾ることです。
去年は幼稚園に行っている娘のひな人形ばかりに気をとられて直前になって思い出しました。今年も少し遅くなってしまいました。

結婚してすぐに自然流産したので性別もわからなかったのですが、嫁の夢に出てきて女の子とわかりました。そして名前も「綾代」と脳裏にうかんできたそうです。
実は私は結婚する前から自分のそばにおかっぱで黒髪、色白で目がぱっちりした女の子がいるようでなりませんでした。だからもし結婚して子供が授かるようなことがあればこの子が下りてきてくれるのだろうと思っていたのです。しかし嫁のお腹の中で成長することなくこの世をさりました。
私たちは悦びと悲しみをほぼ同時に味わい悲嘆にくれました。つらいものです。それでも自分たちの子としてこの世にわずかな間でも存在したのは事実です。
旅立った日を命日としてお菓子を備えたり、こうしてなんかの行事の時はささやかなお飾りをしたりしてきました。綾代ちゃんは意志が強い子みたいでよく私の脳裏にその容姿や表情がうかんできます。あまり最近気持ちを向けていなかったのでさみしかったかもしれません。

私たちにはその後、もう一人子供授かり失いました。この子も自然流産でした。この時はある程度形もしっかりしてきて大丈夫なような雰囲気もあったのでさすがに再び同じ経験をしたときはすごくこたえました。なんとなく男の子のような気がしたので私が「裕法」と名付けました。天眼通のある先生に聞いたらとても魂が清らかだからこの世の修行をせずに旅立ったということでした。宇宙に行ってしまったそうです。名前もユーホーだからと先生は微笑みました。

私の印象ではあまり自己顕示欲がなくおとなしく思えたのでそれを存在感がないみたいに言ったら嫁にすごく怒られました。それでこの世で会うことも出来なかったのでなおさら後悔しています。私の方が魂的には相当子供なのだと思います。裕法君はいつも私の脳裏ではニコリと微笑んでいます。

ふとあまり他人には話さないことをブログに書きました。二人の存在の証を遺したかったのだと思います。
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