風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

雪国ふれあいウェルネス体験 2-2(last)

2017-07-09 | 中部(甲信越)
その1からの続きです。

● 雪のカーブ道

行きと同じく、ジャンボタクシーはけっこうなスピードで、くねくねカーブの雪道を通っていきます。



(ああ、終わっちゃった)と、センチメンタルな気分になっていたためか、行きのようには車酔いしませんでした。



イナイズミご夫妻とノナカさんは、もう東京行き新幹線のチケットを取っていました。
それから飛行機に乗り換えて沖縄に帰るので、忙しそうです。



3人と浦佐駅でお別れし、私はもう少し町に滞在することにしました。



● 祭りの露店

この日が、年に一度、浦佐毘沙門堂で行われる裸押し合いの日。
当日の様子を見に行ってみることにします。



駅前からお寺に続く道の両側に、ずらりと露店が立ち並び、人が大勢道に出ています。
昨日とは比べものにならないにぎやかさ。
かじか酒やこの辺りのスイーツのしんこ餅もたくさん売られていました。



● 当日の毘沙門堂

雪の階段を上って、山門をくぐります。
昨日、そろそろと登ったところ。みんな長いゴム長靴をはいています。
スニーカーの私は、やっぱりこの日も、抜き足差し足。



境内は、まだブルドーザーとショベルカーで盛大に雪かき中。
きっと開始時間ギリギリまでやっているのでしょう。
それほど、雪の量が多いんでしょうね。



本堂前では、裸押し合いに参加する青年が火の番をしていました。
厚着をしていても寒いのに、肌の見える薄着でいて、凍えそう~。



本堂の周りには、奉納されたろうそくがずらりと並べられていました。



お不動様の泉に行くと、昨日訪れた時には見えていた龍が、藁で被われていました。

あとで知りましたが、参加者たちはここの霊水につかって身を清めてから、押し合いを始めるそうです。
それで、人も竜もケガをしないように、藁で被ったのでしょう。



● お堂の準備

堂内には、祭り衣装姿の若者たちがたくさん。
多聞青年団だそうです。



本堂に下がっている鰐口の紐は、じきにたくし上げられて、参拝者が振れなくなっていました。



少しすると、紐も巨大な鰐口も取り外されて、参拝自体ができなくなりました。
どうやらここの本堂で、裸押し合いが行われるようです。



● 地元の青年団

青年たちの誰もが、雪道仕様のゴム長靴を履いています。
私のスニーカーは、これ以上雪の中を歩くと、水が染みてしまいそうな状態です。



見えるでしょうか。右側がご本尊のある拝殿奥ですが、そこに人が上がっています。
普通だったら「不謹慎な」と怒られますが、このお祭りは、ここに上がりたい人と上がらせない人の押し合いへし合いなのです。



青年たちは、エイサエイサと掛け声をかけながら、拝殿に藁の塊を運び入れました。
広げると、それは藁で編んだじゅうたんでした。
三枚並べて敷き詰め、踏みならしています。
お祭りの時に押されて転んでも怪我しないようにクッション替わりでしょう。



いち早くハッピをぬいで、上半身裸になって、仲間にさらしを巻いてもらっている人もいました。
寒いけれど、辺りは熱気でムンムン。
やる人々も見る人々もみんな、待ちきれないようです。



お堂の中には、コンパクトな木製の炭火のいろり。
番をする人が暖を取るためでしょう。

● 本番はパス



お祭りは夕方、日がかげってから始まります。
私はそろそろお寺を離れて、裸押し合いを見ずに駅へ戻ることにします。

帰りの時間を遅らせることもできましたが、直前の盛り上がりを体感できたので、十分満足。
実際にお祭りになったら、とても熱気の渦の中には入れないでしょうし。
やっぱり見る側だって、恥ずかしいですしね!



駅から臨む、毘沙門堂への道。
露店がびっしり並んでいるのが見えました。

● JR上越線



さようなら、浦佐~。



そして再び、車窓から雪国の風景を眺めます。



● 越後湯沢

浦佐から、JR上越線にゴトゴト30分揺られて、越後湯沢駅に行ってみました。



この辺りは、学生時代にスキー旅行で何度も訪れましたが、電車で来たことはなかったのです。



越後湯沢駅のホームの椅子に座ると、目の前は深い雪。
味わったことのないシチュエーションです。



ほくほく線が出るという0番線ホームに行ってみました。



ちょうど電車が着いたところ。これから1時間半は動きません。



● 温泉銅像

近くに「湯浴み」という銅像があり、張られたお湯からは湯気が立っていました。
「さあ、入りまーす」と言っていそうな女性像。



手を入れてみると、熱めのお湯。
さすがは温泉地、完全な温泉です。入りたいなー。



ここから東京まで、新幹線Maxときで帰りました。


スキー場の灯り


● 朱鷺の子

親へのお土産は「朱鷺の子」にしました。
すると「前にも買ってきたわね」との指摘をもらって、ドキーン。



そうだったかしら。きっと、佐渡ヶ島の帰りの時でしょう。
鳥の玉子系のスイーツが好きで、ついつい選んでしまいます。
福岡の「鶴乃子」とか、大船渡の「かもめの玉子」とか。

● 縄文絵はがきとカレンダー

終了後、NPO笹山縄文の里が制作した「縄文絵はがき」と「縄文カレンダー」が届きました。
どちらもとてもきれいな写真を使っています。
めくってみると、なんと全ての被写体が火焔型土器でした。



景色のどこかに必ずある「いいちこ」のポスターのような撮り方ですが、こちらは必ず正面に、堂々と土器が写されています。
十日町の人々の火焔型土器への愛を、改めてたっぷりと感じました。

● epilogue

自然の多い旅に出ると、リフレッシュできます。
今回は、それをウェルネスプログラムにしたものに参加しました。
自然体験と整体などを取り入れたもので、バランスよく楽しめました。

日本で旅というと、有名な観光地に行くことを意味しており、ともすれば混雑の中で疲れをためてしまいます。
もう少し日本が、観光と湯治を合わせたウェルネスツアーを、健康増進として推進すればいいんですが。



十日町の雪は、聞きしに勝る豪雪でしたが、雪国ならではのさまざまな体験をすることができました。
知り合った人々も優しかったし、また訪れたいです。
・・・次に冬に行く時には、長靴を履いて!





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