風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

雪国ふれあいウェルネス体験 2-1

2017-07-08 | 中部(甲信越)
1日目からの続きです。

● 朝の整体

十日町池谷集落の朝。夕べは12時前に寝ましたが、5時半の起床はやっぱり眠くて、布団の中でもぞもぞします。
しかも起きあがる前から、筋肉痛が出ていることに気がつきました。
雪山トレッキングをしたからね。
でも痛むのは、脚ではなく肩のあたり。なぜかしら?

眠いまま階下へ。ほかのメンバーも集まっています。
夜更けまで飲みと意見交換を重ねただろう彼らのテンションは、もちろん低いです。
「久しぶりに大賑わいのせいか、この宿、しょっちゅうブレーカーが落ちてたね」と一人の人が言います。
確かに今朝も落ちました。そして夕べは暖房がほとんど効かず、震える思いをしました。

朝の整体の時間になりましたが、講師をしてくれる肝心のモリさんがいません。
まさかの寝坊かと思いましたが、ほどなく登場。雨と雪で道が悪くて遅れたそうです。
夕べは夜遅くまで雪と雨が吹き荒れていましたからね。

部屋にマットレスを敷きつめて、その上で行います。
身体のゆがみのチェックと足指のマッサージ。
身体のパーツを丁寧に動かすことで、次第に頭がスッキリしてきます。

● ぼたん雪の散歩

整体を済ませて、食事を待ちながらみんなで外を眺めていました。
外の天気は、雪から雨になったかと思えば、やみ、再び雪になったりと、ころころ忙しく変わります。

野菜と魚のヘルシーな朝食。身体の中から健康になれそう。
私たちを迎えに早めに来ていたモリさんに、宿のご主人は「朝食食ってけ」とごはんをよそってあげていました。
都会ではなかなか見られない暖かさだわ~。

食べているうちに外は大吹雪になり、いつしかぼたん雪に変わりました。
3月なので、水を含んだ重い感じの雪。
洋服についてはらっても、さらさらと落ちてくれません。

食後の運動がてら「やまのまなびや」まで歩いていきました。
宿からは歩いて5分と聞きましたが、歩いても歩いても見えてきません。
きっと夏なら5分なんでしょう。でもこの時は真冬の豪雪の中なので、歩き慣れていない私たちは、15分はかかったと思います。
ギャビーさんとおしゃべりしながらのんびり歩いていたら、先を歩く人に少しずつ遅れていきました。

● ドローン教室

分校前の雪の壁には、昨日私たちが作ったアンパンマンとかまくらが、まだ残っていました。



やまのまなびやの体育館に、東京からドローンの先生が2名やってきました。
食後は、ドローン教室。
廃校で行うサイバーチックな体験です。
お役所からの見学者もいました。



まず見せてもらったドローンは、大きな「ファントム」。
白くてつやつやしています。
あっという間に上昇し、空中停止しました。
そのスムーズさに、思わずみんなの口から「お~」と声が漏れます。



先生の持つコントローラーには、ファントムが映した私たちの姿が鮮明に映し出されていました。
わあ、すごい。



2つ目は、次に大きな「トライポッド」。
お値段は、これで15万円くらいだそう。
相場がわからないので、高いのか安いのかよくわかりません。



こちらも空中静止し、私たちの写真を撮影します。



3つ目は、手のひらに乗るサイズの「トイドローン」。



かわいらしい小ささで、お値段は8000円くらいとリーズナブル。



ファントムとトイドローンでは、大きさがこんなに違います。
トイドローンを買おうかな、買いたいなと思いますが、軽いために一番コントロールが難しいとわかりました。



● 操縦初体験

ウェルネスには程よい緊張感と集中力も必要だということで、私たちも操縦させてもらいました。
動かし方を教えてもらいましたが、うっかり天井の方まで上げてしまったり、見ているほかの人たちの方へと飛ばしてしまったり。
なかなか思うようにはいきません。
大きさと感覚を、感覚的に覚えることが必要です。

そして、バッテリーがすぐに切れてしまうため、予備がたくさん必要です。
飛ばしている時に突然バッテリーが切れてしまったら、急降下して壊れてしまうかもしれませんね。
なるべくバッテリーが持つものを選びたいものです。



みんな、真剣にコントローラーを動かします。
ひとしきり動かせるようになったら、次は壇上の椅子にうまく乗せられるように操縦してみることになりました。
椅子の座る面積は、結構狭いので、なかなかきちんと着地できません。



私もチャレンジしました。



トライポッドを空中静止させて、2ショット写真を撮ってもらいました。



熱心に操縦していた若社長。
最後には「よし、うちの会社でドローンを買います!」と力強く宣言していました。
会社のPR撮影に使うそうです。
さすが~、上に立つ人は、決定するのが早いのね!

● クルミ抜き作業

みんながワイワイと盛り上がっているその片隅で、私はモリさんがなにかをやっていることに気づきました。
「クルミを剥いているんです。昼食に使うから」
「それ、お手伝いするので、モリさんもドローン、飛ばしてきてください。せっかくですから」

こちらも、始めると集中します。黙々とクルミの中身をくり抜き始めました。
いつしかドローンからクルミにシフトして、静かに格闘を続けます。



こんなにたくさん、どんな料理に使うんでしょうね。

● 廃校たんけん

ここは廃校となった小学校分校の体育館。
ドローン講座終了後に、十日町市地域おこし実行委員会のフクシマさんに、中を案内してもらいました。
この階段、いいですね~。小学校には、大きな日本地図、ありましたね~。



時代がかったカワイピアノがありました。
K.KAWAIの銘は、昭和35年くらいまでに作られたものです。



● いろは順の卒業記念

廃校になった後は地元の荷物置き場になっていましたが、中越地震の時にボランティアの人の寝泊まり場所になったそう。
昭和24年の卒業記念が、きちんと保管されています。
ここに名前が書かれた人が、今では80歳となって、まだ集落にいると教えてもらいました。



あいうえお順じゃなくて、いろは順というのが時代ですね。
しかしよく見ると、曽根さんという名前の人があちこちにいます。
いろは順になってないではありませんかー。謎だわ。

そういえば昨日の懇親会の席で、集落に住む曽根さんというおじいさんが「この辺は曽根さんが多いため、屋号で区別している」と言っていました。
その曽根さんが、ここに名前が書かれている人のようです。

案内してくれたフクシマさんという女性は、笹山の人と結婚して、縄文式結婚式を行ったと教えてくれました。
まあ、あなただったんですね!
写真を見せてもらったら確かに縄文的でした!
花嫁さんはとてもかわいらしかったのですが、花婿さんは縄文人というよりは、ペンティングアーティストみたいになっていました。
「本人がやったから」とフクシマさん。
完成した美しさは花嫁と花婿でかなり違いましたが、どちらも幸せそうでした。
ごちそうさま~!

● 魚沼産コシヒカリごはん

ドローンの先生たちが、タクシーで去っていくのを見送りました。
彼らは日帰りでやってきて、また東京に帰って行くんでしょう。
私たちはてくてく歩いて集会場まで向かいます。
お次は、みんなでヘルシーな料理を作る講座。
一足先に車で向かったタダさんが、集会場の外でお米を炊いていました。

「ここで取れたコシヒカリ」
おお~、天下の魚沼産ですね!楽しみ~!



こうしたかまどを見ると、「はじめちょろちょろ、中ぱっぱ」という言葉が口をついて出ます。
みんなそうらしく、「赤ん坊泣いてもふた取るな」と続ける人もいました。

建物内に上がると、管理栄養士の蕪木先生の指示で、地元のお母さんたちによって地元食材がセッティングされていました。
先生の説明を受けて、自分たちでランチを作りはじめます。
おかずとデザートの班に分かれ、私はおかず班。

まずはくるみを炒ります。
あー、さっきむいたくるみだわー。



● なますを煮る?

お母さんたちに教えてもらって、見よう見まねでクッキング。



なますと大豆を合わせて煮ました!なますは生で食べるものだと思っていたので、カルチャーショック!
煮るってどういうこと?



先生は長岡出身ですが。煮なますは長岡にはなく、この辺りだけで食べるそうです。
こちらにお嫁に来て、感動したそう。
確かに生のなますって、あまずっぱくて、そんなに量を食べれずにすぐ飽きてしまいます。
バリエーションがあり、炒めなますもあるそうです。



クッキングの手を動かしながら、方言の話になります。
こちらの人が使う「なからいい」ってどういう意味?
「だいたい」だそうです。
北海道の「なまら」に似ているというと「あれは方言?」そうですよ。
「"なから"って、群馬でも言いますよ」
「横浜では言いませんよ」

● 健康郷土料理ランチ

昼食が全部そろい、ランチタイム。
献立は、雪見汁、くるみの煮なます、冬菜のお浸し、妻有ポーク。
スイーツチームは、いちご大福。
みんなでおいしくいただきます。



くるみは、魚と同じDHAを含んでいるため、魚が獲れないときにはクルミを採るんだそう。
このくるみは、池谷で採ったものだそうです。手伝いを喜ばれました。



釜炊きした魚沼産コシヒカリのごはんは、みずみずしく味わい深い、文句なしのおいしさです。
これを食べるために生きていると言ってもいいくらい。
もうこれ以上はおなかに入らないっていうくらい、いただきました。
ちなみに農家民宿をする場合には、一反分の水田から米を採ることが条件だそうです。



雪見汁は、大根下ろしを雪に見立てて作られています。
こちらも具だくさんでおいしかったです。

やはり地場地産のものはいいですね。朝も昼もヘルシー。
先生からは「糖質や炭水化物ダイエットはしないでね!」とのアドバイスを受けました。

● リラクゼーションタイム

食後はリラクゼーションタイムで、のんびり過ごします。
みんな、前に習った自律神経の訓練をしていますが、どう見てもお昼寝しているようにしか見えません!
昨夜遅かったし、寝不足でしょうし。
かくいう私も、食後は眠気におそわれてうつらうつら。



部屋を見回すと、米一俵の価格変動表がかけられていました。
場所柄、深刻な大切な情報なのでしょうか。



● 地域からのメッセージ

その後、十日町の町起こしの取り組みについて学びました。
中越地震以降、ここ池谷集落は8世帯が6世態に減り、集落を閉じる時が来たかと住民たちは覚悟したそう。
そこに町起こし協力隊が入り、盛り返しているところだそうです。
若い力の勢いを感じます。



最後に、参加者一人一人が感想を述べて、今回のウェルネスツアーは終了。
どうもお世話になりました!



集会所の隣には、クラウドファンディングで建てたという木造のロッジハウスが建っていました。
現地の人たちとは、ここでお別れ。
若社長も、大きな車で新潟市に帰っていきました。
イナイズミさん、ギャビーさんと私は、ジャンボタクシーで浦佐駅まで送ってもらいました。

その2に続きます。



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