風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

神奈中バスGW10日間フリーパスの旅 1-1(道志村)

2019-06-11 | 神奈川
● prologue

平成から令和にかけての2019年GWの10連休、どう過ごされましたか?
(どこに行っても混んでいるだろうから、特に予定も立てずに近場でのんびり過ごそう)と思っていたところに、新元号を記念して「2019年ゴールデンウィーク神奈中10日間フリーパス」が販売されるというニュースが舞い込みました。

4月27日(土)から 5月6日(祝)までの10日間、神奈川中央交通・神奈川中央交通東・神奈川中央交通西といった神奈中の路線バスに乗り放題になるパスなんだそう。
わあ、すごい!

神奈中バスは、通常でも一日乗車券を出しています。
こちらは1080円。
5年前にこれを使って、小田原の近くまでお寺巡りをした時のブログは、今でもアクセス数のある、なかなかの人気記事。
みんな、けっこう興味があるんですね。

⇒blog「神奈中バス・一日乗車券の旅」(2014-06-12)

今回は、1日ではなく10日間という長さなのに、お値段は3100円!
なんてお得!
まあ、10日間みっちりバスに乗り続けているわけではないので、妥当な金額なのでしょう。

このフリーパスは、平成31年になぞらえて3100枚の限定発売。
4月20日の10時に売り出されると聞いて、いそいそと横浜駅まで出向きました。
(ああ、売り出し開始から20分過ぎちゃった。長い列がとぐろを巻いているかしら)

心配しながら売り場まで行きましたが、ブースの前には人っ子一人いません。
横の、横浜市バスのブースには、何人か人が並んでいましたが…。
あれれ?

気を取り直して、パスを購入。
「デザインが2種類ありますが、どちらにしますか?」
選べないかと思っていたので、考えてなかった…。
マスコットが描かれた「かなみんバージョン」にしました。



というか、マスコットがいたのね!
5年前に乗った時には気づかなかったわ!
券面に「平成→令和」と表記してあります。
時代を超えるバス。空飛ぶチキ・チキ・バン・バンみたい。

「ルートマップもいりますか?」と聞かれて、
「いります!」と即答します。
ルートマップがあるなんて知らずに、前回は、何もわからない状態でプランを作りました。
我ながら、がんばったなあと思います。



ルートマップは「東部版」と「西部版」の二冊。
バス停の位置が細かく書かれています。
これはとっても便利だわ。
強力な助っ人を得られた気分です。
私にとっての助さん・格さん。いつも旅のお供に持ち歩きましょう。

● バス会社のエリア

ここで、ざっくりと神奈川のバス会社のエリアについてご説明します。
県内にはいくつかバス会社があり、私が住む辺りは、ほぼ横浜市営バスのエリア。
横浜中心部は市営バスが席巻しています。

お隣の川崎市は、川崎市バスや東急バス。
鎌倉市は、京急バスと江ノ電バス。
三浦半島も、京急バスが強いです。

上記以外の県内エリアをほぼ網羅しているのが、神奈中バス。
平塚に本社があり、県中央部辺りを占めているほか、多摩市、町田市、八王子市といった東京都の南多摩もエリア内に含みます。
なんと900を超える系統を運行しているのです。

運行エリアは広いのですが、私がよく訪れる横浜西区、中区や鎌倉、三浦半島には残念ながら弱く、神奈中に乗る機会は、普段はほとんどありません。
以前、横浜南部に住んでいた時には、神奈中エリア内の高校に通っていて、おなじみだったんですけどね。

そんなわけで、かなり久しぶりの神奈中。
もしかすると5年ぶり、あの時以来かもしれません。

● 行き先9パターン

さあ、行き先はどうしよう。
充実したエリアを誇る神奈中ですが、全てが便利というわけではありません。
私の家から一番近い神奈中のバス停は「新横浜駅」にありますが、そこからは「保土ヶ谷駅行き」の1便しか出ていません。
さらにそれは、1時間に1本しか出ないのです。

せっかくなので遠くに行きたいと考えると、さらに不便な便が多く、1時間どころか、1日に1本だけの運行もあります。ひええ。
神奈中的に、ヘキ地にいる私。
思い付きでふらりと乗るのも楽しいですが、途中で計画倒れにならないよう、事前にプランニングすることにします。

20日にパスを買ってから計画したため、GWまでの1週間で、何通りものパターンを考えるのは、なかなかバタバタでした。
5年前は1日だったので、結構考えて、ぐるりと円を描くきれいなルートにしましたが、今回は軌跡の美しさにこだわる余裕はありません。
目的地まで行って帰ってくるのが目標。
泥クサく、行った道を帰ります!

ルートマップとにらめっこして、目的地の候補に挙げたのは、月夜野、宮ケ瀬ダム、ヤビツ峠、母校巡り、連邦墓地、高尾山・相模湖、日向薬師、大磯、津久井湖。
寝る間を惜しんで1週間、9パターンのタイムテーブルをなんとかこさえます。

そう、9通り。10通りは作りませんでした。
この企画を遂行すべく、今回のGWに予定は極力入れませんでしたが、さすがに連日乗り続けると、自分がバスになってしまいそう。
途中で飽きたり、疲労がたまったりするかもしれませんし、GW中には雨日もあるとの予報です。
強い雨の日は無理に出ようとは思いません。

もし失敗した日があったら、再チャレンジする時間も必要なので、1日は最初から予備日にしました。
  
● 大混雑の新横浜

さて、いよいよGW期間に入りました。
初日は、余裕をもって遅めの9:50出発にしましたが、なんだか緊張して、早くに起きました。




今日のルートプランです。
太字は、何があっても逃してはいけない路線です。

では出発。最寄といっても、新横浜までは歩いて40分ほどかかります。
家の前に神奈中のバス停があれば楽なんですが、なんといっても住んでいるのは神奈中ヘキ地。
バスに乗るために、まずはテクテク。



横浜は、秋に開催されるラグビーワールドカップの会場。
静かに盛り上がり始めています。



新横浜駅の建物の中は、すさまじく混んでいました。
おにぎりの権兵衛や崎陽軒のブースの前に長蛇の列ができています。
横浜アリーナでアイドルのライブが行われるときも混みますが、それとは違う本当の混み方。
人々はみな、めいめいに大きなトランクを引いています。
そういえばここは新幹線の駅。
連休初日ですし、そりゃあ旅人たちで混みますね。

● [1本目]「新横浜駅前」⇒「杉山神社前」

初めて、神奈中GWパスを使います。どきどきします。
1本目は、10:31「新横浜駅前」発「保土ケ谷駅西口」行きの [121]系統。
バスの乗客は6名ほど。ひときわ大きなスーツケースを引いた青年がいます。



バスは磯子に続く環状二号を通ります。
車に乗っていた頃には、よくよく通りましたが、ずいぶん久しぶり。

「羽沢団地」でスーツケースの青年は降りました。
舞妓さんの絵が描かれた紙袋も持っていたので、京都から朝一の新幹線に乗って自宅に帰るところなのでしょう。
初めて帰省する大学生1年生っぽいフレッシュさ。
連休、のんびり過ごしてねー。

途中で、新しい建物を見ました。
羽沢横浜国大駅。おお、新しくできる相鉄線の駅ね。
写真を撮る間はありませんでしたが、このルートは毎回通るので、またチャンスはあるでしょう。

● 上星川杉山神社参拝

10:52、「杉山神社前」バス停で降ります。
「前」という通り、本当に神社が目の前にあります。
せっかくなので、神様に今回のGWバス旅の無事と成功をお祈りしました。



境内には、大きなイチョウの木がそびえています。公園のような児童遊具もあります。
ここでのんびりしようと思ったら、ぽつぽつと雨が降ってきました。
あ、傘忘れちゃった!
びしょぬれになってバスを待つ自分を想像してゲッソリしましたが、ポツポツくらいでひどくならず、ほっとします。
でもまた降ってくるかも。明日からは傘をちゃんと持ち歩こうっと。



● [2本目]「杉山神社前」⇒「鶴ヶ峰駅」

道路の反対側に渡ります。
相鉄線の高架橋から、線路を眺めます。
上りと下りが、通っていきました。





2本目は、11:19「杉山神社前」発「若葉台中央」行きの[5]系統。
ところが時間になってもやってきません。
市バスばかりくるので(私、間違えたかな)と不安になります。
ようやくオレンジ色の神奈中バスがやってきたのは、30分。
遅れてるー。連休の人出で道路が混んでいるのでしょうか。



この先も道路混雑で予定時間がずれることを考えると、ちゃんと目的地までたどり着けるか心配になります。
来たバスに乗ると、確かに道路はそこそこ混んでいました。
でも動いてはいるので、今のところは何とかなりそうです。

● [3本目]「鶴ヶ峰駅」⇒「鶴間駅東口」

ぼんやりしていたら、割とあっさり鶴ヶ峰駅に到着。
時間は11:43。うまく行けば次のバスに予定通り乗れるかも。

3本目は、11:45「鶴ヶ峰駅」発「鶴間駅東口」行きの [間01]系統。
ラッキーなことにバスターミナルはそう遠くなく、次に乗る便は、降りたバスの前に停まっていたバスでした。
伊勢原の大山の絵が描かれています。
ここから大山はかなり遠いと思いますが、そんなことないのかな。



バスには長い列ができており、中は満席で、立っていきます。
途中から座れました。時間的にもお昼が近いので、人の動きがあるのかもしれません。

今度は終点までなので、降りるバス停を気にする必要がなくて気楽。
神奈中の車内電光板は明るいです。数年前からLEDライトを導入しているとのことで、市営バスより進んでいるのかも!

「亀甲山」を通りました。「きっこうさん」かと思ったら「かめのこやま」と読みます。
一気にかわいいイメージになりました。

結構人の乗り降りが結構多い路線で、12:16着予定でしたが、15分遅れて到着しました。
次のバスへの乗り換えがあと5分くらいとちょうどよい頃合いになったので、結果的によかったような。

終点で降りたときには7名。
バスを降りるとまた雨がポツポツ。傘を差している人もいます。
この失敗、次回に生かそう。

● [4本目]「鶴間駅東口」⇒「町田バスセンター」

4本目は、12:36「鶴間駅東口」発「町田バスセンター」行きの [町87]系統。
またもバスは遅れて、結局10分は待ちました。
バスの時間は不安定。連休中はなおさらずれるでしょう。心せねば。



今度の乗客は私を含めて2名のみ。
いままでは前乗りでしたが、ここで後乗り前降り式のバスに変わります。
見慣れた市営バスの運賃表とは違う電光板の表示に、少し戸惑います。
どんなシステムになってるの?
みんなカードでスムーズに乗っていて、いまいちよくわかりませんでした。
今後の課題にしましょう。


立派な建物ですが、なにかわかりません。


空がどんどん暗くなってきて、バスの外では結構雨が降っています。
これは傘がないときつい。。。うーむ。
町田バスセンターには13:26に到着。
次のバスの発車まで1分しかありません。
急がなくてはいけないのに、後車専用バス停に降りた自分がいまどこにいるのかわかりません。

地図は持っていても、その見方がわからなイー。
運ちゃんに聞こうとしても、大勢の乗客が降車中なので無理そうです。
駅前交番も混んでいます。

とりあえず歩いてみましたが、さっぱりわからなかったので、もう一度戻ってみると、今度は交番がすいていました。
バス停の場所を尋ねると、真逆の方向だと判明。

急いでバス停に着いたときには、もう発車時間を5分過ぎていました。
行っちゃったかなあ。まあ、ちょっと様子をみてみましょう。
淵野辺駅と橋本駅行きのバスの乗り口に長い列ができていたので、ちょっと希望を持っていたら、果たして乗りたかったバスが10分遅れで現れました。

今回ばかりは遅れてもらって助かりました。
しかし雨がすごいなあ。
今日は朝のうちだけ降るという予報だったのに。
天気予報を過信してはいけませんね。

● [5本目]「町田バスセンター」⇒「旭農協前」

5本目は、13:27「町田バスセンター」発「橋本駅北口」行きの [町30]系統。



あいかわらず道路は混んでいます。
雨になって一気に道路が混んだのでしょうか。
このバスもかなり遅れての到着になりそう。



タクシーの運ちゃんもパトカーにのった警官もやってくる幸楽苑。
奥にもう一台パトカーが停まっていました。

降りる予定の「旭農協前」バス停は終点「橋本駅」の一つ手前。
どっちで降りようかと考え、終点まで行こうかと思いましたが、本当に次のバスに間に合わなさそうなので、予定通り「旭農協前」バス停で降りることにしました。
48分着。

● [6本目]「旭農協前」⇒「三ヶ木」

バス停で運行状況について調べていたら、目の前にバスがやってきました。
三ヶ木いき!なんと、ギリギリ間に合いました。
ほっとして乗り込みます。前のバスに終点まで乗って行っていたら、だめだったでしょう。

バタバタだったので、バスの写真は撮れず。
雨はほぼやんでいました。
バスの中はとても混んでいましたが、途中で10名様グループが降りて座れました。

6本目は、14:13「旭農協前」発「三ヶ木(みかげ)」行きの[橋01]系統。
この便は結構出ていますが、月夜野行きに間に合うギリギリ最後の瓶。
予定よりも、バス4本分遅くなりました。
予定通りの時間に着いても、乗り換えまで4分しかありません。
これはどうなるかな。
まあ、行けるところまで行ってみましょう。



津久井湖の横を通ります。
バスに間に合わなかったら湖畔でたそがれて帰ろうと思いましたが、予定通りに「三ヶ木」に到着。
すばらしいわ。バスターミナルなので、バスがたくさん停まっており、今度は運ちゃんに乗り場を教えてもらいます。

● [7本目]「三ヶ木」⇒「月夜野」

7本目は、15:30「三ヶ木」発「月夜野」行きの [三56] 系統。
いよいよ、今日のハイライトです。

この「三56線」は、一日2便しか走っていません。
終点の「月夜野」は、山梨県境を越えた場所にあります。



小さなバスに乗り込んだ乗客は、私を含めて5人。
酔狂で行くとは思えないご高齢の方が2名に、私含めて3名の酔狂疑惑の人。
なんといっても1日2往復のみですからねえ。
みんな、終点まで行くのかなあ。

バスはどんどん人里離れた方へと入っていきます。
停留所以外でも乗り降りできる自由昇降区間に入りました。
この前、奈良の天河村に行った時にも、好きな場所から乗れるエリアがあったなあ。

雨は止みましたが、またいつ降り出してもおかしくない状態。
気温もずいぶん下がりました。山の方だものね。
上着も必要な寒さ。次回に生かそう。

乗客は次々に降りていき、割とすぐに乗客は男性と私の2人になりました。
男性は最後尾に座っており、どんな感じの人かはよくわかりませんが、おそらくバスマニアの同類さんでしょう。
私は前の方の席で、右に左に曲がるくねくねカーブに揺られています。
こんなところにと思うような場所にまで集落があり、小さな学校があるのが見えます。



いよいよ山の中へ分け入っていきます。
少しずつ勾配が上がっていったかと思うと、また下がったり。
バスは時速20~30キロくらいの速度でそろそろと走り、後ろから車が来ると、脇によって道を譲ります。



● 乗客一人

途中で「ピンポーン!」と後車ボタンが鳴ったので、驚きました。
えっ、降りちゃうの?
乗っていたのは、予想に反して結構なおじいさん。
ツナギ姿で仕事帰りといういでたちで、見るからに全く同類ではありません。
運ちゃんに「気をつけてね」と行って降りていきました。

これからの道のりをねぎらう言葉…どんな行程か、気になるじゃない!
くねくねカーブは続きます。
この道は、神奈川から山梨に抜ける「道志越え」と言われる裏ルート。
車通りは意外と多く、ほぼ一車線のような道もあるため、互いの譲り合いが必要です。

カーブを曲がって反対車線の車と向き合うと、どの車も脇に寄ってくれます。
相手にしてみれば、かなり山の中なのに、突然バスが出てきたので(えっ?バス?)と驚いたことでしょう。
車から「えっ!」という吹き出しの声が見えるようでした。



● この日の目的地、月夜野着

細く長い山道を通っていき、とうとう終点の「月夜野」に到着しました。
ここはもう山梨県。
県境を越えて数十メートル地点に、津久井神奈交の「月夜野」停留所があります。



結局、最後まで乗っていたのは、私一人。
同じ目的を持つ酔狂なメンバーは、ほかにはいませんでした。ロンリー。

小さなバスに運ちゃんと2人。
隠していても仕方がないので「あの、帰りも乗りますが、滞在は2分くらいでしょうか?」と聞きました。
「いいえ、もうちょっといますよ。15分発ですが、少し遅めに出ます」と言ってもらいました。



時刻表では、2分間しかありませんが、時計を見ると、予定到着時間よりも3分早い10分を指しているので、出発まで5、6分はあるということ。
助かります!



バス、行っちゃわないでね!
これを逃したら、明日の朝まで野宿確定です。

その2に続きます。





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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2019-06-11 21:36:04
10日間のバスフリーパスがあるんですね。
すごい企画です。
GWに催行とは思い切った企画と思いました。
チキチキバンバン知ってるんですか?
結構古くない? (失礼しました(笑)

高架橋から電車が見える風景、あまり見たことないので
撮ってみたい思いました。(撮り鉄ではないけど)

堺市にも亀の甲という地名有るんですが
地名の読み方って難しいです。

バスに二人になったり一人になって
不安になりませんでしたか?
一日に7本の乗車お疲れ様でした。
元取りましたね。

ちなみに飲み放題なら元取りますよ(笑)
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アネッティさんへ (リカ)
2019-06-13 19:44:12
アネッティさん、こんにちは(^^)
いつにも増して長いブログになってしまい、恐縮です💦
GWフリーパス、どうしようかと悩みましたが、買った以上はとことん使おうと決心して、今年の十連休ををバスに捧げることにしました(笑)!

チキチキバンバンは、映画は観ていませんが、楽器クラブだったときにみんなで演奏したので曲を知っています🎵

アネッティさんのお住まいの辺りでは、電車の高架橋はそんなにありませんか?
というより、車にお乗りの方ですから、そんなに縁がないんですね。

バスに一人になると、途端に寂しくなりますが、山梨行きのバスはマイクロバスのように小さくて、運ちゃんと運命を共にした気持ちになっていました!

私は下戸なので、飲み放題は元取れないんです~。代わりにアネッティさんがとってくれるなら、いいかな!?
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