風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

お台場・横浜ももてなし 2-2

2018-03-15 | 東京
その1からの続きです。

● さくら味のクッキー

大桟橋にて、「日本人はキムチを食べる?」と突然の質問。
「キムチ?食べるけど、どうして?」
「買いたくて。好物なんだけど、ポーランドでは種類が少ないし高いから」

「じゃあ、中華街に行こうか?」
「中華街?韓国フードなのに、チャイナタウン?」
気にしなかったけれど、そういえば確かに変ですね。
中華街では、中国だけでなく韓国やタイのお店も多く、アジアごった煮というイメージ。

途中のドラッグストアに寄りたいとのことで、中に入ります。
「前にリカがくれたクッキー、また食べたいな。覚えてる?」
「私、何をあげたっけ?」
全く覚えていません。
説明を聞いたところ、ヨックモックのよう。
それは、ドラッグストアには売っていないわね。



彼はカントリーマアムのさくら味を買いました。
「なんか変わった味だね」
「これ、桜の味。ポーランドでは桜は咲く?」
「咲かないよ。桜は日本で咲く花でしょ?」
「でもチェリーは食べるでしょ?」
「うん。あれ?」
二人でもぐもぐ食べながら、海岸通りを歩きます。

● キムチと日清

どうやら彼は、今すぐに食べるキムチではなく、持ち帰り用が欲しいもよう。
中華街で売られているのは、おそらく新鮮なものでしょう。
途中のスーパーで探してみましたが、あるのはパック入りか要冷蔵の瓶入りのものでした。
「缶入りはないんだね。じゃあ滞在最終日に買うことにするよ」

そう言いながら、パック入りキムチをかごに入れていました。
日清カップヌードルも買っています。



「食べたことないから、今日の夜食にするよ」
今行ったばかりなので、食べたくなったんでしょうね。

● 春節期の中華街

中華街にやってきました。
今は春節の時期、平日でもにぎわっています。



人混みを縫いながら、通りを歩いて行きます。
去年、ここで食事をしたので、まだ彼の記憶に新しいはず。



キムチはもう探す必要がなくなりました。
家で飲む中国茶を買おうと、お茶屋さんに向かいます。



喧騒のチャイナタウンの中にありながら、時が止まったような雰囲気のお店、悟空。
そこで中国緑茶と花茶を買いました。



朝陽門から中華街に入り、大通りを歩いて玄武門を抜けて、横浜スタジアムにさしかかります。

● 横浜スタジアム

「あ、前にここ来たことあるね」と彼。
一度連れて行ったところは、どこも全て覚えています。



平日なのに、驚くほど長蛇の列ができていて、横浜公園内にぐるぐると続いていました。
これ、なんだろう?

「本日の予約は終了しました」
3・4月分の特典チケットの整理券配布が、9時から始まっていたそうです。
全く分かりませんが、すごいことです!
今、ベイスターズは盛り上がっていますからね。

「ここはベースボール専用?ヨーロッパはフットボール専用スタジアムばっかりだね」
と、この前試合観戦したという写真を見せてくれたDaniel。 
周りにいるのは男性ばかり。
「女性はいないの?」「ほとんど見かけないね」
男の世界なんだあ。日本とはずいぶん違うようです。

「中にはフーリガンもいるよ」「えー!」
「毎回、発煙筒がたかれるよ」「えー!」
フーリガンって、イギリス以外にもいるのね~。

● 下校途中の小学生

関内駅から、メトロに乗ります。
向かいの席には、帰り道の私立の小学生たちが5人、楽しそうにお喋りしていました。
Danielがその様子をじっと見ているので
「彼らがしょっているのはランドセル。ドイツの軍人が背負っていたんですって」と説明します。
「へえ、向こうでは見ないなあ。それにしても、電車の中に子供たちだけって、ありえないよ」
「外国では常に大人同伴なんだっけ?それって何歳まで?」
「15、6歳くらいじゃないかな。子供が一人で外にいたら、すぐにポリスに保護されるよ。
 そして親が罰を受けるんだ。犯罪に巻き込まれる恐れがあるから」
子供たちが一人で歩ける日本って平和ですね。
それでも、事件に巻き込まれないようにいろいろな対策が組まれています。
「彼らが定期券で改札を通ると、その通知が親元に行くサービスがあるのよ」

● 父と子の日本映画

「あの子たちを見てたら、父親と子供が旅をする日本の映画を思い出したよ。知ってる?」
「うーん、なんだろう?」



(『菊次郎の夏』かな?でも英語のタイトルは何だろう?)
考えているうちに、Danielはちゃっちゃと検索し「ああ、これこれ」と画面を見せてくれました。
『やがて父になる』でした。



私よりも日本映画を見てるわ~。
いけない、このままだと国籍をはく奪される…!?

関内から新横浜まで、結構長く乗りましたが、子供たちはもっと乗っていきました。
私立の子は、通学が遠くて大変ね。

● ラーメン博物館

新横浜で降りて向かったのは、ラーメン博物館。



カップヌードルの次はラーメンに連れて行くというのはこれいかに?
どっちも横浜にありますからね!



地下に下りると、レトロな古い町並みが広がっています。
「古い時代の街並みだね」
「戦後の復興時期くらい」



前日に訪れたビーナスフォートと空がちょっと似ていますが・・・。
いいえ、やっぱり似ていませんね!



こちらは夜の飲み屋横町。
バーやスナックにまぎれてラーメン屋の看板が見えます。



昔の郵便配達バイクでしょうか。
こんなおしゃれな赤いスクーターで配っていたんですね。



こちらは公衆浴場の入り口。男湯と女湯で湯気の長さが違うのが気になります。



Danielは、古すぎるコカコーラのマシンに興味津々。



ラーメン店分布世界地図がありました。(2013年時点のもの)
やっぱりアジアが多いですが、アメリカも相当多いんですね。
アフリカは、まだブルーオーシャン地域。



● ラーメン断念

ひとしきり辺りを散策してから、「じゃあ入ろうか」と言って、館内のラーメン店のひとつに入りかける彼を「ちょっと待って」と止めました。
「さっき食べたばっかりだけど、もう食べられる?」
「食べようと思えば」
「正直、おなかすいてる?」
「まだだけど。君は?」
「私もまだ。むしろおなかいっぱいレベルなんだ」
「じゃあ・・・出ちゃおうか!」



先ほどカップラーメンミュージアムで麺を食べたばかりで、まだお腹がこなれていません。
ここでラーメンを食べようと思っていましたが、ちょっと早く来過ぎてしまったようです。
まだ外も明るいし。

● 新横・新橋・渋谷

「夕食、どこで食べようか?」
「渋谷にしよう」
「また?」

まあ、渋谷に移動するうちに、おなかも空いてくるでしょう。
でも、新横浜からどうやって渋谷に行くのかわかりません。
とりあえず東神奈川まで出て、やってきた京浜東北線に乗りました。
「渋谷に行くには、品川でまた乗り換えるの」
「じゃあまず新橋で降りていい?チェックインできる時間になったから」
カプセルホテルは、10時から16時の間は清掃時間となり、宿泊客は外に出されるそうです。



再び新橋駅。前日乗ったゆりかもめの入り口です。

● 夜は焼き肉

ホテルでこの日のチェックインを済ませた彼。
「じゃあ出かけよう」
渋谷まで今度はメトロで。
食事なら、この辺りでもいいじゃないと思いますが、渋谷が気に入っているのでしょうか。
まさか前日と同じ寿司屋に行くつもり?
「いいや、別のところにしよう」

渋谷マークシティ内の梅丘寿司の美登利に行ってみましたが、あいかわらずの長蛇の列。
「じゃあトリップアドバイザーに聞いてみよう」と調べたDaniel。
「あ、ここにしよう」と選んだのは、Han's Diningというお店。
行ってみると、日本語店名は韓の台所 別邸でした。



あまり焼き肉を食べない私。
たまに来るときも、好きな人に注文をお任せしています。
まあでもなんとかなるだろうと、お店のお勧めを聞いて適当に注文。
彼用にキムチも頼みました。



● ホッカイドーエスキモー

お肉を焼きながらも、いろいろな話をします。
今回の彼の東京滞在はこの日で終了。
翌明、彼は北海道に飛び、一週間ニセコでスキー三昧の旅程です。
わざわざ日本まで来なくても、寒い北国ポーランドで滑れるでしょう!と思いますが、ポーランドにはそれほど高い山がなく、雪質も違うようです。



北海道について聞かれたので「日本の中でも歴史は浅いところ。
150年前に今の人々が南から移り住む前には、ネイティブ・ホッカイドウ・ピープルしかいなかった」と話すと
「知ってるよ。ホッカイドー・エスキモーだね」
アイヌは北海道エスキモー?新鮮な響き!

● 中国経済パワー

ファッションデザイナーの彼の母は「安くて質の低い中国産の服が、質のいい服を駆逐する」と言って嫌がっているため、Danielも多分にアンチ中国。
「中国の勢いはすごい」と彼。
「これから行くニセコは、中国に買収されているんだ」と言います。
サホロ・クラブメッドも星野リゾートトマムも、中国傘下に入っているとか。

なんということでしょう。
びっくりしていると「ACミランもアトレチコも中国が買収したんだよ」と教えられて、さらに驚愕。
私、いろいろ知らなすぎですね。反省です。

経済問題にも政治問題にも自分の意見をはっきりと言う彼。
「靖国神社への参拝とか、大きな問題なんでしょう。複雑?」
「そうねー、説明するのは難しいなあ」
複雑すぎて説明できませんー。



● スケート国オランダ

そして話題は、目下競技中のピョンチャンオリンピックの話に。
「ポーランドは、ほとんど冬季メダルは取れないんだよ」
「へえ、強いのかと思ってたけど」
「でもオランダは、スピードスケートだけでメダルを20個取ってるんだよね」
「うっそ~!」

聞いてびっくり。そもそもスピードスケートに、それほどたくさん競技種目があるとは思いませんでした。
「確かに今回、日本勢が活躍したのは、優秀なオランダのコーチを呼んだからって聞いてるよ」

スピードスケートだけで、日本よりもたくさんメダルを取っているなんて、すごすぎです。
そのオランダに勝った日本。がんばったんですね~。



● また会う日まで

「あちこち連れて行ってくれて、ありがとう」
「どういたしまして。今度は私がポーランドに遊びに行くね」
そう言うと、
「この前、リカはポーランドをスルーしてリトアニアに行ったからなあ。僕に何も言わないで」
と、またブチブチ言われます。
スウェーデン旅行は大丈夫でしたが、隣国リトアニアというのがいけなかったもよう。
二国はライバル関係にあるようです。
リトアニア、いい国だったんですけどね。(小声)

「待ってるけど、ポーランドじゃなくドイツに行ったりしたら、首絞めるよ!」
「う、うん」
歓迎されているのか、いないのか、うーん?(^_^;)

食事を終えて、駅へ向かいます。
「スキー、実は6年ぶりなんだ」
「えー?気をつけてね。それ以上顔の傷を広げないで!」
「大丈夫だよ、パウダースノーだから」
「そういう問題かな~?」

銀座線の入り口で、ひしっとハグをして、しばしのお別れ。
「じゃあ、ニセコに行ってきまーす!」
「行ってらっしゃーい!楽しんでね!」



その後、北海道に飛んだ彼から画像がたくさん届きました。
楽しそうにスキーをしています。
日本の冬を満喫しているようで、なによりだわ。
元気になって母国に帰ってねー。
次は私がポーランドに行くわ~。




最新の画像もっと見る

post a comment