風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

神戸リンリンサイクルめぐり 2-(2) Last

2017-06-27 | 近畿(兵庫・大阪)
その1からの続きです。

● そろそろUターン

三宮から自転車に乗って、長田までやってきました。
走行距離はもう10kmになっています。
帰ったら往復20kmの道のりになるので、途中でバテないように、この辺りでUターンすることにします。

なんとなくたどり着いたので、最短ルートの帰り道はわかりませんが、まあ方角は合っているでしょう。
この日は天気はいいですが、海からやってくる風がとても冷たくて、自転車に乗っていると頬がすぐに冷えます。
うっかりマフラーを旅行バッグに入れてホテルに預けてしまったので、首元がスースー。
あまり海の方は通りたくない気持ちです。

● 兵庫区の兵庫駅

じきに、兵庫駅に到着しました。
神戸駅のほかに、兵庫駅もあるんですね。しかも割と近くに。
横浜も、横浜駅の近くに神奈川駅があります。
まあ、神奈川駅は、県というよりは神奈川区の方なんでしょう。
(兵庫は違うんでしょうね)と思いながら、念のため調べてみたら、兵庫県も兵庫区ってあると判明!

神奈川県横浜市神奈川区。
兵庫県神戸市兵庫区。
そこまで似てるなんてー!

● お城を探して埋め立て地

駅前地図を見ると、近くには兵庫城址と兵庫大仏があるようです。
兵庫にお城と大仏があるの?
気になるので、さっそく行ってみることにしました。

おしろ、おしろ~♪
でも城跡はなかなか見つからず、気がつけば海沿いの工場地区に入ってしまいました。
この辺りは近代になってからの埋め立て地でしょう。
埋め立て地には、お城はないですよねー。

工場の敷地内で、植木に水やりをしている女性がいたので、生垣越しに聞いてみましたが、わからないとのこと。
住んでいる方じゃないですしね。
ひとしきり辺りを回って探しましたが、まったく手がかりがつかめません。
兵庫城址は、心の美しい人にしか見えないのかしら...(がーん)

● 清盛ゆかりの地



あきらめて、清盛橋を渡りました。
源平合戦絵巻のシーンが欄干に飾られており、なかなか雅びでした。
そういえば、神戸は平清盛ゆかりの地でしたね。
橋を降りた目の前には、十三重の石塔がどーんとそびえたっていました。
1286年に作られた、高さ8.5mの清盛塚だそうです。



これまで全く感じませんでしたが、一気に辺りは清盛色になります。
自転車を停めて、併設された住吉神社もあわせてお参りしました。
巨大な石の琵琶塚もあり、その横には福々しいお顔の平清盛像がありました。

清盛塚前に地図があり、城址と大仏への行き方が書かれていました。
よかったー。
どうやら、ぜんぜん方向違いのあたりを探していたようでした。

● 今回の足代わり

地図の前に停めた旅の相棒。
今回、この自転車で神戸の町を2日間走りました。
町の中を動くには、このくらい小ぶりなのが小回りがきいて便利です。



● キャナルプロムナード

3連アーチ橋が美しい大輪田橋。大正13年の竣工です。
どっしりとしていますが、阪神淡路大震災の時には4隅にあった親柱の3本が倒壊してしまったそう。
親柱はモニュメントとして橋に置かれ、後世に被害の大きさを伝えているそうです。
渡っていた人は、さぞかし怖かったことでしょう。
今はとても静かな水面にかかり、そんな大変なことがあったとは思えないほどです。



ここキャナルプロムナードは、日本最大の運河、兵庫運河と新川運河を保存している場所。
新川運河の水際が遊歩道となっており、兵庫運河の歴史が紹介されたパネルが立っています。



カモメがたくさんいて、羽を休めていました。
たくさんいるなあ~。ビスケットでも持ってくるんだったなあと眺めながら移動していたら、運河の果てまで来てしまいました。



餌を探して水面近くを飛ぶカモメ。
とてもきれいです。



● 兵庫城址

先ほどの地図では、たしかこのあたりに城跡があったはず。
もう一度プロムナードを戻ってみました。
そうしたら、ありましたー!
石碑だけだったので、いったんは見落としてしまったようです。
最初の兵庫県庁は、兵庫城址に建てられたんですね。



運河沿いにいたデフォルメされた清盛像を、自転車の上から見て通り過ぎました。
『平家物語』の「祗王」のくだりにでてくる、清盛にあっさり捨てられた白拍子の祗王の物語は哀れ。
「ひどい男」のイメージがあるので、清盛はあまり好きではありません。
銅像を見ても、スイスイスルーです。
でも前に厳島神社に行った時には、清盛像を写真に収めていますよ。それで満足です。

● 兵庫大仏

運河からそう遠くない場所に、兵庫大仏も見つかりました。



突然現れた大きなブッダ。ほんとに大きいわー!
知らない大仏だったので、(そうはいっても鎌ヶ谷大仏みたいなタイニーサイズじゃないかしら)とちょっと疑っていましたが、とんでもない、遠くからも目立つ大きさでした。
座高11m、全高18m。さらに高い場所に鎮座しているため、完全に見守られています。



近くまで寄って、お顔を拝見。りりしい顔つきです。
まだ新しそう。明治24年建立の初代は、戦時中の金属回収令で失われ、平成3年に再建されたそうです。
奈良や鎌倉に比べて、ピチピチのヤング!



奈良の大仏、鎌倉の大仏とともに、日本三大大仏のひとつに数えられているとのことですが、日本中の大仏が手をあげて3つ目の座を狙っているので、実際には3つ目がどの大仏様なのかは、わかりませーん。

それにしてもハイカラな街神戸に、大仏のイメージってまったくありません。
そもそもきっかけは兵庫港の開港で、キリスト教信者が急激に増えたことに危機感を抱いた兵庫の豪商が大仏を建立したそうです。
なるほど、西洋的な街になったからこそ、大仏ができたんですね~。



大仏があるのは、天台宗の能福寺。
この寺で清盛は実際に剃髪したそうです。
2012年放映のNHK大河ドラマ「平清盛」の主演松山ケンイチ氏が訪れた時の写真がありました。
境内には清盛塚がありました。今見てきたばかりですが、近い場所に二つあるんですね。
ここでもお参りしました。

● 神戸のマンホール

神戸は、マンホールがたくさんありました。



港町っぽいデザインです。



バリエーションに富んでいて、嬉しい!



四角いバージョンも、デザインはいくつかありました。



黄色がバックなのも、絵が映えていい感じ。



特にこのデザインがお気に入り。細かく描きこまれています。



マンホールに関しては、地元横浜よりも神戸の方が断然クオリティが高いです。
似たもの同士の神戸と横浜ですが、それでも西洋菓子は、完全に神戸にかなわないと思っていました。
さらにマンホールもだったとは・・・くっ。

● 里程元標

寄り道が楽しかったので、満足して、あとはまっすぐホテルに向かいます。
神戸駅を抜け、元町駅を抜けて三ノ宮へ。



元町商店街6丁目のきらら広場の前に、兵庫県里程元標がありました。
(りていげんぴょう)と読むそうです。
かつて旅人の道しるべに使われたもので、当初は湊川神社正門前にあり、ここに移転したようです。

ホテルに着いて、自転車を戻し、荷物を受け取りました。
三ノ宮から、坂の上の異人館を散策しながら新神戸まで歩いて向かうことにしました。

● 北野異人館街



北野異人館のスタバ。明治40年の西洋館です。
中をのぞくと、お客さんでいっぱいでした。



今見てきたスタバと似ている外観ですね。時代が同じなのかも。
ここはパラスティン邸。定休日のようで、閉まっていました。



洋館長屋(仏蘭西館)はリボンつき。これが自宅の近所にあったらビックリ仰天ですが、異人館エリア内なので、全く驚きません。
神戸は洋館がたくさん保存されているんですね。
横浜にもありますが、かなりが関東大震災で大きなダメージを受けたため、そんなに数は残っていません。



ベンの家。建物内は入館料が掛かるところがほとんど。
横浜はどこも市営化されており、見学は無料です。

洋館の丘を越えて、別方向に降りて行けば、そこはもう新神戸駅。
布引ロープウェイ乗り場がありました。

● ひかりレールスター

帰りは、のぞみ一本にしました。
さくらに乗りたいのはやまやまですが、10数分で新大阪に着いて、のぞみに乗り換えたら、がっくりしてしまいそうなので。

向かい側のホームに、スタイリッシュな車体の電車が停まりました。
「ひかりレールスター」と書いてあります。



JR西日本が山陽新幹線の新大阪駅 - 博多駅間で運行する「ひかり」の一種なんだそう。
東京には来ないのねー。
さらに下りは、一日に1本しか走らないそう。とっても貴重なタイミングだったんだわ。
ひかりは目(ライト)を光らせて、反対方向に去っていきました。



● ふたたび雪景色

それからやってきた「のぞみ」。
ブレちゃいましたが、先頭部分のデザインが「ひかり」とは違いますね。
こちらに乗りました。



近江八幡の辺りにさしかかったら、再び雪景色になりました。
まだ昨日の雪が解けていないのかしら。そもそも根雪になっているのかしら。
この辺りって、風光明媚な辺りだと思っていましたが、実は隠れた豪雪地帯だったりして?



新神戸発16時台の便だったので、(帰りこそ、富士山を見られるかも!)と思いましたが、富士駅を過ぎた頃にはもう18時半をすぎ、外は真っ暗になって、またもや見えませんでした。
また今回の旅でも、新幹線から富士山を見られなかったわ~。

● 神戸のパンダ

ところで帰りの新幹線乗り場で、神戸のパンダサブレというお菓子を見かけました。



なぜ神戸でパンダ? 南京街があるから?
たしかに、横浜中華街の雑貨屋でもパンダグッズはたくさん売られています。

そういえば、南京街の入り口にこんなにかわいい自販機がありました。
コーラとパンダ。



● epilogue

あとで調べてみたところ、南京街があるからではありませんでした。
神戸の王子動物園には、ジャイアントパンダがいるそうなんです!
え~、本当に?

日本にいるパンダは、上野と南紀白浜の二カ所だけだと思っていましたが、神戸にもいるなんて、知らなかったわ~。
しかもこの王子動物園、パンダとの距離がとても近いんだそうです。
また神戸に行かなくっちゃ!!
いい理由ができました。

今回は、自転車で気ままに神戸散策をした、楽しい2日間でした。
それまで持っていた、ミレナリオ混雑による苦手意識がきれいに消えました。
一泊でも気軽にふらりと行ける距離なので、また遊びに行こうと思います。



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