風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

神奈中バス・一日乗車券の旅 1

2014-06-12 | 神奈川
○ プロローグ  ○ 事前プランニング
○ 当日の催行決定  ○ 自宅から新横浜へ
○ ①6:46 新横浜駅発「121 保土ヶ谷駅西口行」→杉山神社前
○ ②7:28 杉山神社前発「横04 鶴間駅東口行」→鶴間駅東口
○ 鶴間駅→南林間駅(徒歩)
○ 8:40 南林間駅→ 8:56 相模大野 → 9:04 座間駅(小田急)
○ 坂東三十三観音第8番 星谷寺
○ 9:46 座間駅 → 10:03 本厚木駅(小田急)
○ ③10:10 本厚木駅発「厚18 上飯山行」→飯山観音前
○ 坂東三十三観音第6番 長谷寺(飯山観音)
○ ④11:46 16飯山観音前発「厚18 本厚木駅行」→終点
○ ⑤12:10 本厚木駅南口発「平53 平塚駅北口行」→終点

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○ プロローグ  

梅雨入りした6月、雨が止んだ休日をみはからって、出かけてきました。
この日フル活用したのは、神奈川中央交通(=神奈中)が発行している「バス一日フリー乗車券」。
今回はかなりバスマニアっぽい内容になりそうですが、そんなことはない、と思います(!?)
単にほぼバスに乗っていただけなので(笑)、どうぞお付き合いください!

○ 事前プランニング

目下、坂東33観音巡礼中の私。
お寺へのアクセスが、神奈中バスだと知り、神奈中にはフリーパスがあることを思い出しました。
(もしかしたら、フリーパスで南神奈川の4つのお寺を巡れるかもしれない)とふと思いました。

4つのお寺とは、こちらです。

 ・勝福寺 飯泉観音  神奈川県小田原市
 ・長谷寺 飯山観音  神奈川県厚木市
 ・光明寺 金目観音  神奈川県平塚市
 ・星谷寺 星の谷観音 神奈川県座間市

すべて神奈川県内とはいえ、どれも市が違う、つまりは結構な広範囲にまたがっています。
さらに我が家は横浜市内。どうかしら~?

路線図とにらめっこしてみて、(うん、行けるかもしれない)と思いました。
この神奈中フリーパス、普通のバスよりは若干お高めですが、その分網羅する範囲が広いんです。
ネット上には、このパスを使ってさまざまなバス旅を楽しんでいる猛者がたくさんいます。
でも、私が目指すルートで巡礼した人は、見つかりませんでした。

そこで、ルート計画に乗り出しました。
これが大変な作業です。好きな人や慣れている人は、たぶんちょちょいのちょいなんでしょうけれど、私にとってはほぼ初めての体験。
でも、やってみるとおもしろくて、夢中になって調べました。
次に時刻表とにらめっこして、路線がうまく接続するかを調べていきます。
そうして出来上がった予定表は、こんな感じです。



う~ん、青々しい。左の数字は、バスに乗る回数です。
乗り継ぎさえできれば、時間まで調べる必要はなさそうですが、お寺が閉まる4時ごろまでには回りきらなくてはならないのです。
これを手に、さっそく繰り出しました。

完全に期待値が含まれた、このリスト。
実際にこの通りにうまくバスを乗り継いでいけるでしょうか?

○ 当日の催行決定

リストを作ってから、数週間は実行に移せませんでした。
日曜日の時刻表で作ったため(土曜日だとうまくいかなかった)、週に1度しかチャンスがなかったのです。
途中、結構歩くところもあるため、あまりに暑い日はやめておきました。

この日は、前日まで梅雨の大雨が降っていたので、心配でしたが、朝5時に起きられて、雨があがっていたため、そこで催行しようと決めました。
一人だと、ギリギリで決められます。
ただこの日、おそらくは前日の湿気の高さで、ほとんど眠れぬ一夜をすごしていたため(それで早起きできたともいう)、体力が持つかちょっと不安。
でも、さらに日延びすると、どんどん暑くなっていくし、そのうち時刻表が変更されて時間が変わるかもしれないので、もう行くことにしました。

○ 自宅から新横浜へ

神奈中バスは、南神奈川が勢力範囲のようです。
北横浜地域にある我が家に一番近いのは、新横浜駅。
新横浜まで歩いて行くことは、めったにありません。
徒歩でどのくらい時間がかかるのかわからなかったため、余裕を持って5:50に出発しました。

今回は、神奈中フリーパスがメイン。なるべくこれ(だけ)を使っていきたいからです。
まだ天候は不安定で、軽い雨がサーッと降ったりする中、てくてく歩いて、40分で新横浜駅に着きました。

思ったより早く到着しましたが、バス乗り場を探す時間も必要。
新横浜に、神奈中バスは1系統しか走っていません。かなりのアウェイ感です。
隣は羽田空港行きのバス乗り場で、スーツケースを持った人が何人も並んでいました。

○ ①6:46 新横浜駅発「121 保土ヶ谷駅西口行」→杉山神社前

まずは保土ヶ谷駅西口行に乗ります。ここで、フリーパスを購入。
発券されないICカード型で、私のPASMOに組み込まれました。エコだわ~。
ただ、このバス、もともと来たのが3分遅れで、発車したのは50分でした。


新横浜駅前の丸い歩道橋


かなりハラハラします。だって、次の乗り換えには、たったの3分間しかありません!
(降りたバス停なら、予定通りなら問題ないかも)と思っていましたが、残念ながら、乗り換えのバス停は、信号を渡った向かい側になりました。
そして、7:04到着予定のバスが実際に着いたのは、7:10!
乗りたかった7:07のバスは、すでに行ってしまった後でした・・・。


杉山神社前で降りたバス


早々にして予定変更になり、ガックリ。
次のバスは、30分後の7:38。これを見ると、(なんとかなるんじゃないか、なんとかなってほしい)という自分の期待が、予定リストに入っていたことを実感します。

小雨が降ってきたりして、悲しさ倍増。
あ~、バスを待つ30分って、長いわ。
ここだけならいいのですが、心配なのが、乗りたいバスのほとんどが、1時間に数本という運行。
1時間に1本のものもちらほらあります。
また別のところで、こんな風に引っかかったら、どうしましょう。もうプランニングの意味がなくなってしまいます。

次のバスの時間が近づいてきた頃に、ハッと気がつきました。
「杉山神社前」というこのバス停のそばには杉山神社があるんですね。
名前になるくらいだから、それなりの大きさなんでしょう。
30分もヒマな時間があったんだから、お詣りすればよかったー。
気が動転していると、発想が貧しくなっていやだわー。

○ ②7:28 杉山神社前発「横04 鶴間駅東口行」→鶴間駅東口


行き先には「亀甲山 鶴間駅」と出ていました


バスがやってきたので、乗り込みました。
今度は、40分以上乗っていくことになります。
終点で降りるので、バス停のアナウンスを注意して聞く必要もありません。
なんだか眠くなってきました。だって前日、ほとんど眠れていなかったんですもの。
バスの揺れが心地よく、うとうととしていたら、気がついたらバスは終点に着き、みんなが降り始めているところでした。

慌てて最後に降りてから、振り返って運転手さんに「あの、駅はどこでしょう?」と聞きました。
それらしいものが見えなかったからです。
鶴間駅って、ほとんど馴染みがありません。
小田急電鉄江ノ島線なんですね。
バスを2本乗ったら、もう大和市に入っていることにちょっと驚きます。

○ 鶴間駅→南林間駅(徒歩)



ここから隣の南林間駅まで、歩きます。
なぜかというと、バスがないからです。
一駅分なんて、かなり歩くんじゃないかしら?電車に乗ったほうが絶対いいかも?
と思いながらも、歩いてみると、ほどなくして南林間のホームが見えてきました。
あれ?振り返ると、鶴間のホームも見えます。
近いんですねー。東横線でいうと、武蔵小杉と新丸子のような近さでした。
10分弱で到着。歩いている間に電車は通らなかったので、歩いた方がずっと早く着きました。

○ 8:40 南林間駅→ 8:56 相模大野 → 9:04 座間駅(小田急 220円)



南林間駅で、相武台前駅行のバスの時刻表を確認します。
すると、なんということでしょう、一時間に一本しかこないことがわかりました。
現段階で、予定よりも30分遅れていますが、次のバスを待つとなると、さらに30分遅くなります。
ううむ、どうしよう。


南林間駅前の馬のオブジェ。ぴかぴかの銀の森。


考えながら駅の改札に移動し、電車の路線図を見てみます。
すると、南林間駅から相武台前駅には、小田急ですんなり行けることがわかりました。
さらに、目指す星谷観音の最寄りの座間駅にも。

駅員さんに行き方を聞き、「相模大野で乗り換える」と教えてもらいました。
ちょうど8:40発の急行が着くところ。
じゃあ、電車に乗ろう!と決めて、改札を通りました。

つまり、予定表の
 ・8:10 南林間駅発「台12 相武台前駅行」」→相武台前駅
 ・8:25 相武台前駅発「台04 座間四ツ谷行」→星谷観音前
のバスをやめて、電車で代行したことになります。

どの駅も、降りるのは初めて。乗り換え駅の相模大野の広さに驚きました。
各駅電車で座間駅に到着です。

○ 坂東三十三観音第8番 星谷寺

駅から5分のところにある、星谷寺。
道もわかりやすく、直線道を歩いていると、大きな仁王像が見えてきました。

どちらにも「仁王」と書かれています。みんなわかると思う...


なにかが足りない・・・と思ったら、仁王門がないんですねー。
入り口の駐車場は、コンクリで今風ですが、本堂は古いお寺で、江戸時代風の大きな絵馬が掲げられていました。




中にはすばらしい木彫りの彫刻が、いくつも掲げられていました。


お詣りを済ませて、庫裏に行こうとしましたが、それらしい建物が見当たりません。
キョロキョロしていると、「納経所」と書かれた看板を発見。
え、ここですか・・・!
白いコンクリの建物。あまりにモダンで、驚きました。


ここがお坊さんの詰所!


中に入ると、ご住職がおいでで、親切に応対して頂きました。
御朱印をお願いすると「では、そちらの券売機でチケットをお求め下さい」と言われました。
えっ?と横を見ると、たしかにあるのは券売機。
「白衣」「納経帳」「御守」などの選択肢があります。
えーー?ビックリだわ~。お寺も、ここまで近代的になってきているのね~。
チケットと交換に、御朱印をいただきました。


隔世の感・・・


このお寺には、七不思議があります。
ひとつひとつ探してみました。
お寺の名前の由来となった星の井戸もありましたが、浮き草に覆われており、覗き込むのがひと苦労でした。
水琴窟もありました。


のぞきこめない星の井戸


仁王様の後姿。
袴のようなものをはいているのでしょうけれど、鳶のニッカポッカみたいですね。
あそこにパンとか隠して、おやつの時間に食べるんですよね。(違います)


茄子の妖精に見えないこともないような?(罰当たりな)


○ 9:46 座間駅 → 10:03 本厚木駅(小田急 190円)

のんびりと参拝を済ませ、また駅へと向かいます。
電車に乗ったことで、少し時間を短縮できましたが、次のバスもまた一時間に一本しかこないため、次のバスが来るまでまたしばらく待つことになります。
これからの行程を考えると、やはり予定時間になんとか追いつきたいところ。
ということで、再び電車に乗って、時間をワープすることにしました。

乗るはずだった
 ・8:56座間駅入口発「海10 海老名駅東口行」→終点
 ・9:25海老名駅西口発「海09 愛川バスセンター行」→金田神社前
 ・9:44金田神社前発「厚60 厚木バスセンター行」→終点

のバスをやめて、座間駅から本厚木駅へ、再び小田急に乗りました。
駅にして3駅ですが、途中で通過待ちをしたので、思ったよりも到着に時間がかかりました。
追い越していった速い電車に乗り換えればよかったと、後になって気づきましたが、バスには間に合ったので、よしとします。



大雨の翌日だったため、駅の近くの相模川はかなり増水していました。
川沿いのテント暮らしの方々が流されていないか、気になって探してしまいました。

○ ③10:10 本厚木駅発「厚18 上飯山行」→飯山観音前

6時台からバスに乗り始めたのに、10時を過ぎてもまだ2本しか乗っていません。
乗るはずだったバスを5本、飛ばしたためです。
本厚木駅に着いた時点でやっと、予定時間に追いつきました。

ええと、バス乗り場はどこかしら・・・。
すぐには探し出せず、うろうろした挙句に、通り向こうの上飯山行のバス乗り場を見つけて、乗り込みました。

私に続いて登山スタイルの人たちが10名ほど、ガヤガヤと乗りこんできます。
飯山観音の辺りのハイキングコースに行くのかな?なら同じくらいの場所で降りるのかも。と思っていたら、もっと手前でぞろぞろ降りていき、観音前のバス停で降りたのは私と女性もう一人だけでした。
その女性は、すぐには降りようとせず、運転手に帰りのバスの質問をしていたので、私は先にバスを降りて、歩き出しました。
ちなみに次のバス停は「尼寺」。気になる名前だわ~。

○ 坂東三十三観音第6番 長谷寺(飯山観音)



赤い欄干の庫裏橋を渡っていきました。
地図を見ると、このあたりは飯山白山森林公園になっています。
長谷寺は山の中腹ですが、山頂には白山神社があるそうです。



参道を歩いている途中に、飯山名水が流れている場所がありました。
このあたりは飯山温泉が湧く場所でもあります。



登っても登っても続く石段を、根気よく上り詰めて140段。
途中、巡礼装束の人と挨拶を交わしてすれ違いました。



振り返ると、はるか遠くまで見渡せるいい眺望。
参道両側には桜の木が続きます。境内に3千本あるという桜、春はさぞきれいなことでしょう。



仁王門を抜けると、香炉の向こうに本堂が見えてきました。
両側に石灯篭がずらりと並び、壮観です。



ほかに参拝客は誰もいません。参道独り占めです。
授与所でご朱印をお願いしている間、内陣に上がりました。
五色の綱はありましたが、ご本尊はご開帳しておらず、ちょっとがっかり。
開帳日は年に3回のみだそうです。

帰りかけたところで、バスで一緒だった女性が参拝しているのが見えました。
バスは30分に一本。おそらくふもとのバス停で一緒になるでしょう。



石段を途中まで降りたところに、今年の坂東巡礼のポスターが貼られていました。
はっとして、今来た道を振り返ります。
今年のポスターは、このお寺のこの辺りで撮られたようです。



ここなのね~。ふもとにあるお寺なのかと思ったら、かなり石段を登った場所なので、ポスターの女の子たちは、実際にはここまで上がってくるのに疲れちゃったことでしょう。

ふもとまで降りて、庫裏橋のたもとにある龍蔵神社を参拝しました。
無人で、社務所は少しはなれたところにあります。
祀られているのは、イザナギとイザナミの間に生まれた風の神様だそうです。



神社の前には小鮎川が流れています。
お上品な名前の川ですが、大雨の翌日だったため、川はゴウゴウと音を立てて濁流が流れていました。
圧倒されて、その様子を眺めていました。



川沿いに「飯山の七不思議」の紹介板がありました。

「久保の万年橋:
奈良時代に行基菩薩がこの地に来られた時、小川にかけた橋は以後一度もかけ替えたことがないので万年橋と呼ばれました。
また再三洪水で流されていた木橋が、石橋にしてから流されなくなったので、万年橋というようになったとも言われていますが、いずれにしても今は姿を消しています

「恩曽川の片葉の葦:
夏になると度々水死事故が起き、河童の仕業だと怒った住民達は、河童をなぐり問い正しますと"確かに私達がやりました。しかし人間達も自分勝手です。 私達の静かな住家に乱入し、水はよごすは毎日騒々しくて一族の危機のためにそのような行動に出たのです。人間達も私達の河童権を認めて下さい。 私達の住いの場所は片葉の葦が目印です"といったということです」

の二つが文章的にモヤモヤ気になりました。
万年橋なのに今はない・・・でも七不思議。
河童を殴って言い返された・・・それも七不思議。
どちらもモヤッと不思議ですね。



○ ④11:46 16飯山観音前発「厚18 本厚木駅行」→終点

バス停には、すでに先ほどの女性が戻っていました。
「どこから来たの?」と聞かれたので「横浜からです」と答えます。
「私は小田原から。」
私からすれば地元の人に見えますが、「いいえ、初めて。ここ遠いわ」と言われました。
「小田原にも坂東の観音様があってね、イズミ観音っていうんだけど、観音様は33年に一度しかご開帳しないの。
私も見たことないけれど、今年開帳されるから、絶対に見に行くつもり」
飯泉観音には、この日これから参拝する予定です。
話をしているうちにバスがやってきました。

終点まで乗っていられるときは、安心してつい眠ってしまいます。
気がついたら本厚木駅に着いていました。

○ ⑤12:10 本厚木駅南口発「平53 平塚駅北口行」→終点

北口から、駅を超えて南口に移動します。
平塚駅行のバスがもう待っていて、グッドタイミング。10分後くらいに発車しました。
始発から終点まで乗り、降りるときに何の気なしに運転手さんに「秦野駅行はどこから出ますか?」と聞いたら、「8番乗り場。そこを渡って向かいね」とすぐに教えてもらえました。
運転手さんって、ほかの系統のバスの事もしっかり頭に入っているのねー、すごい。

その2に続きます。


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2 Comments

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Unknown (根比べ)
2014-06-13 01:14:34
隠れ(路線)バス好きとしてはとっても気になる記事でした。続編もお待ちしています!
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Unknown (リカ)
2014-06-13 01:46:51
根比べさん

コメントありがとうございます。
はじめから大きくつまづいたバス旅でしたが、ハプニングもまた楽し、です。
続編も頑張ってアップしまーす!
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