○ prologue
福岡に行く用事ができました。
10年以上前に、九州一周ツアーで訪れたきり。
道路の渋滞に巻き込まれて帰りのフライトの時間がせまってきたため、町は観光できずじまいでした。
思い出すのは、夜の福岡空港で食事をとって、夜景を眺めたことだけです。
今回は気ままな一人旅。
ずっと行きたいと思っていた太宰府天満宮。神秘的な宗像大社も気になります。
どちらも福岡市外なので、移動の時間を考えておかないと。
○ 早朝出発
せっかくなので、泊まってゆっくり観光したいのですが、予定の都合でその日のうちに帰ってこなくてはいけません。
日帰りのため、早目に出かけることにしました。
当日は4時半に起床。外は真っ暗。
夜半すぎに降った雨で黒光りしている道を、駅へと向かいました。
早朝なのに、空港行きの電車に人が大勢乗り込みます。
早起きしたのでとても眠く、半分寝ながら羽田を目指しました。
空港に到着した時には、夜も明けて明るくなっていました。
手荷物チェックを受け、目の前の搭乗口から入り、機体を眺めてのんびり過ごします。
7:20発のANAは、フライト直前に大型旅客機に変更になったためか、機内はガラガラ。
一列10席あるところに、私を含めて3人しか座っていません。つまり快適~。
窓からは、スカイツリーとゲートブリッジが見えました。
2日前、銚子に行った時に通ったアクアラインと海ほたる、風の塔を眼下に眺めながら飛び立ちます。
機体が東京湾を大きく旋回するときに、海に浮かぶ船と駆け抜ける雲が間近に見えました。
雲の上は寒く、ブランケットを借りました。
フライト時間は約2時間。到着は9時過ぎです。
がんばって早起きをしても、現地に着くといい時間になっています。
福岡って、札幌に行くよりも時間がかかるんですね~。実際の距離も遠いですもんね。
○ キラキラ空港名
機内誌に載っている、空港が描かれた地図を眺めました。
おお、できたての「鳥取砂丘コナン空港」が載っている~。
話題になりましたが、すでに「米子鬼太郎空港」もありますからね。
鳥取の決断のすごさを感じます。
ほかにも目を引く空港名はいくつもあるものですね。
「徳島阿波おどり空港」とか。「おどり」は必要だったんでしょうか。
「対馬やまねこ空港」も。「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」は、もはや振り仮名がないと読めません。
でも、私的に一番(うむむ)と思ったのは、「おいしい庄内空港」。
米どころっていうのはわかりますが、空港とおいしさは、関係ないのでは?
味覚は人それぞれですし!
岩手の「めんこいテレビ」、東京の「トマト銀行」の名前を聞いた時と同じ衝撃を受けました。
「高知龍馬空港」も驚きましたが、キラキラネームの並ぶ地図で見るとおとなしいものです。
私がよく使う空港は、シンプルでなんかよかった~。
○ 福岡空港バス乗り継ぎ
機内では眠っていたため、あっという間に着いた感じでした。
前回の九州入りは大分空港からだったので、福岡空港に日中訪れるのは初めて。
シャトルバスで国際線ターミナルへと向かいました。
外国にも行かないのに、なぜ国際線ターミナルに移動したかというと、ここから太宰府行のバスが出ているからです。
福岡空港から太宰府に電車で行くのは、乗り継ぎがあってちょっと不便。
直行バスがあると聞いて、それに乗ることにしました。
旅客ターミナルビルのロビーに、大きな人形が展示されていました。
平成20年の博多祇園山笠 舁き山笠で実際に使われた「権五郎景政之勲(ごんごろうかげまさのいさおし)」です。
山笠と聞いて、山形の花笠まつりを連想しましたが、博多祇園山笠はこちらのお祭りなんですね。
権五郎景政といったら、鎌倉で活躍し、鎌倉氏を名乗った、平安時代の武士。
御霊神社(通称:権五郎神社)に祀られています。
神奈川もん同士が、博多で顔合わせ。
博多からやってきたバスは、すでに乗客がいっぱいでした。
乗りこむと、アナウンスが入ります。
羽田の空港バスでは、日本語・英語・中国語・ハングル語が簡潔に流れますが、こちらでは、日本語・英語・ハングル語のアナウンスが、割と長めに流れて(ああ、九州に来たなあ)と感じます。
お店にはハングル語表記がされているし、九州は韓国文化が身近ですね。
○ 大寒波日
この日は大寒波が到来した、風が強く寒い日。
バスを待っている間だけでも、北風に体温を奪われ、身体の芯から凍えそうになり、誰もが身をすくめています。
春の訪れが早い九州なので、ぽかぽか日和だと思っていたのに~。
「雪がちらつくかもしれないそうよ」と、前日に熊本の友人が教えてくれた時には(九州でこの時期に?まっさか~)と半信半疑でしたが、厚着してきてよかったです。
○ 太宰府と多賀城
バスは高速を通って、太宰府へ。車窓から、太宰府政庁跡を眺めます。
多賀城の政庁跡に似ているなと思い出しました。
多賀城と大宰府は、奈良時代の朝廷の出先機関なので、考えてみれば同じ時期のものなんですね。
そうした歴史的なつながりから、多賀城と大宰府は友好都市になっていると、後で知りました
東日本大震災時には、市と市民から被災した多賀城に多くの支援がされたそうです。元住民として、ありがたいなと思います。
ところで、「大」宰府政庁跡と「太」宰府天満宮。
政庁跡は「大」で、テンがないんですね。わかりづらい~。
大「阪」城と大「坂」の陣よりも混乱します。
○ 太宰府天満宮の梅
終点の西鉄太宰府駅前でバスを降りました。
駅前から参道が伸びており、迷うことはありません。
途中におしゃれなスタバがありました。
人目を引くこのデザインは、建築家・隈研吾氏の設計だそうです。
ジェット・リーの映画『HERO』のようでした。矢が飛んでくる~。(わかる人いるかな?)
石畳の参道を歩いて行った先に、天満宮がありました。
紅梅・白梅がとりどりに咲いています。
(梅の季節に間に合った!)と嬉しくなります。
赤い太鼓橋を渡って行きます。
(亀戸天神の橋みたい)と思いましたが、もちろん亀戸がここに似せて作っているわけです。
福岡は、長い歴史がありますね。
身が切れそうなほど寒い日ですが、天満宮には多くの梅が咲いており、春の訪れが感じられます。
天満宮といえば梅。間に合うようにと願っていたので、咲いていてラッキーだわ。
拝殿の両脇には、紅白の梅がありました。
白梅の方が、菅原道真を慕ってこの地まで飛んできたといわれる「飛梅」。
おお、これが、空飛ぶ梅!
「東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
「飛梅」という表示以外には、特に細かい説明はありませんでした。
言わずもがなということでしょうか。
花はもう終わり近くになっていて、ギリギリ間に合いました。
紅梅は「皇后(きさい)の梅」。大正天皇の后、貞明皇后が植えられたそうです。
こちらはまだ、美しい色で咲いていました。
○ 京都と太宰府
そしてもう一つ、天満宮といえば牛。
さぞかしたくさんの牛の像があって、境内は足の踏み場もないほどに、モーモー牛だらけなんだろうと思っていましたが、思っていたほど多くはありません。
京都の北野天満宮の方が、牛の数は多いように思います。
敷地も京都の方が広そうな感じ。知名度はこちらの方が高いのですが、豪華さも向こうの方が・・・。
こちらは菅原道真が崩御した地で、京の都では、道真公のたたりを恐れた人々が大勢いたからでしょうね。
たたりは都で起こったというし、慰霊+αを願う必死度が違ったんでしょう。
○ 園児たちの昇殿祈祷
御朱印をお願いしている間、何人もの正装姿の神主さんが、忙しそうに動き回っていました。
「次は○○幼稚園」と確認する声が聞こえてきます。
拝殿前で園児の団体と一緒になり、子供たちに紛れて参拝しましたが、その御一行様がすぐに帰らず、待合室に移動していました。
これから昇殿祈祷を受けるようです。
拝殿では、ちょうど祈祷が終わり、別のグループの子供たちがぞろぞろと退席していきます。
平日なのに祈祷が続いて、神主さんたちは忙しそうでした。
天下の太宰府天満宮ですから、さぞ大勢の受験生が神頼みをしにきているんだろうと思いましたが、それらしい学生は誰もいません。
ちょうど受験が終わった頃だからでしょうか、平日だからでしょうか。
制服姿の学生がいない代わり、予想外にも幼稚園児の団体に巻き込まれました。
帰りの道すがら、後から後から別の園児服姿の御一行様がやってきます。
みんな、集団で御祈祷を受けるのでしょうか。やっぱり、学業祈願?
でもそれって、早すぎなーい?
私が園児の時に昇殿祈祷を受けたのは、親に連れられて行った七五三。
園児が幼稚園まとまりで、先生の引率で祈祷を受けるのを見るのは初めてです。
こちらの風習なのかもしれませんが、不思議に思いました。
神社の公式ページには「小学校入学は家庭生活から社会生活への第一歩です。このことをお祝いし、天神さまにご奉告して、学業上達・身体健全もお祈りいたします。
特に、入学式を控えた2・3月には個人や幼稚園・保育園などでの小学校新入学祈願のご参拝が多くございます。」とありました。
この「新入学祈願」だったようです。
○ 梅が枝餅
梅の花を愛でた後、帰り道の参道で、梅が枝餅を買いました。
ここの名物だと聞いていましたが、参道に並ぶお店の多くがこの梅が枝餅を売っているのに驚きました。
鳩サブレーのように、一つのお店だけが出しているものではないのね~。
ほんのり温まったお餅で、中には甘すぎないあんこが入っていて、食べやすかったです。
お餅には梅の花の型が押されていましたが、枝の要素はどこにもなかったので、(これなら「が枝」を取った「梅餅」でいいんじゃないかな?)と思いました。
「うめがえもち」の方が、お上品な響きですけどね。
カエちゃんという名前の友人を思い出しながら、駅へと向かいました。
○ 旅人トレイン
西鉄太宰府駅には、「旅人」という電車が停まっていました。
そのネーミングに引かれます。
歌人の大伴旅人と、トラベラーにちなんでいるそう。
読みは「たびびと」ではなく「たびと」だそうです。
中に入ると、ライトに梅マークが描かれ、車両には太宰府の観光地の紹介ポスターが貼られていました。
2人掛けのクロスシートで、旅愁を刺激されます。
いい感じの観光列車だわ~。
次の五条駅に着くと、外に白いなにかが舞っていて(白梅が散っているのかな)と思ったら、なんと雪でした。
たしかに「雪がちらつくこともある」との予報でしたが、そんなに寒いんですね。
その次の二日市駅で「終点です」とアナウンスが入りました。
えっ、もうおしまいなの?
「旅人」列車は、基本的にこの2駅区間しか走っていないんだそうです。
旅を味わうには、5分間の乗車時間は短すぎるわー。
ホームを移ると、そこは普通の駅の光景。各駅の西鉄電車に乗り換えました。
その2に続きます。
福岡に行く用事ができました。
10年以上前に、九州一周ツアーで訪れたきり。
道路の渋滞に巻き込まれて帰りのフライトの時間がせまってきたため、町は観光できずじまいでした。
思い出すのは、夜の福岡空港で食事をとって、夜景を眺めたことだけです。
今回は気ままな一人旅。
ずっと行きたいと思っていた太宰府天満宮。神秘的な宗像大社も気になります。
どちらも福岡市外なので、移動の時間を考えておかないと。
○ 早朝出発
せっかくなので、泊まってゆっくり観光したいのですが、予定の都合でその日のうちに帰ってこなくてはいけません。
日帰りのため、早目に出かけることにしました。
当日は4時半に起床。外は真っ暗。
夜半すぎに降った雨で黒光りしている道を、駅へと向かいました。
早朝なのに、空港行きの電車に人が大勢乗り込みます。
早起きしたのでとても眠く、半分寝ながら羽田を目指しました。
空港に到着した時には、夜も明けて明るくなっていました。
手荷物チェックを受け、目の前の搭乗口から入り、機体を眺めてのんびり過ごします。
7:20発のANAは、フライト直前に大型旅客機に変更になったためか、機内はガラガラ。
一列10席あるところに、私を含めて3人しか座っていません。つまり快適~。
窓からは、スカイツリーとゲートブリッジが見えました。
2日前、銚子に行った時に通ったアクアラインと海ほたる、風の塔を眼下に眺めながら飛び立ちます。
機体が東京湾を大きく旋回するときに、海に浮かぶ船と駆け抜ける雲が間近に見えました。
雲の上は寒く、ブランケットを借りました。
フライト時間は約2時間。到着は9時過ぎです。
がんばって早起きをしても、現地に着くといい時間になっています。
福岡って、札幌に行くよりも時間がかかるんですね~。実際の距離も遠いですもんね。
○ キラキラ空港名
機内誌に載っている、空港が描かれた地図を眺めました。
おお、できたての「鳥取砂丘コナン空港」が載っている~。
話題になりましたが、すでに「米子鬼太郎空港」もありますからね。
鳥取の決断のすごさを感じます。
ほかにも目を引く空港名はいくつもあるものですね。
「徳島阿波おどり空港」とか。「おどり」は必要だったんでしょうか。
「対馬やまねこ空港」も。「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」は、もはや振り仮名がないと読めません。
でも、私的に一番(うむむ)と思ったのは、「おいしい庄内空港」。
米どころっていうのはわかりますが、空港とおいしさは、関係ないのでは?
味覚は人それぞれですし!
岩手の「めんこいテレビ」、東京の「トマト銀行」の名前を聞いた時と同じ衝撃を受けました。
「高知龍馬空港」も驚きましたが、キラキラネームの並ぶ地図で見るとおとなしいものです。
私がよく使う空港は、シンプルでなんかよかった~。
○ 福岡空港バス乗り継ぎ
機内では眠っていたため、あっという間に着いた感じでした。
前回の九州入りは大分空港からだったので、福岡空港に日中訪れるのは初めて。
シャトルバスで国際線ターミナルへと向かいました。
外国にも行かないのに、なぜ国際線ターミナルに移動したかというと、ここから太宰府行のバスが出ているからです。
福岡空港から太宰府に電車で行くのは、乗り継ぎがあってちょっと不便。
直行バスがあると聞いて、それに乗ることにしました。
旅客ターミナルビルのロビーに、大きな人形が展示されていました。
平成20年の博多祇園山笠 舁き山笠で実際に使われた「権五郎景政之勲(ごんごろうかげまさのいさおし)」です。
山笠と聞いて、山形の花笠まつりを連想しましたが、博多祇園山笠はこちらのお祭りなんですね。
権五郎景政といったら、鎌倉で活躍し、鎌倉氏を名乗った、平安時代の武士。
御霊神社(通称:権五郎神社)に祀られています。
神奈川もん同士が、博多で顔合わせ。
博多からやってきたバスは、すでに乗客がいっぱいでした。
乗りこむと、アナウンスが入ります。
羽田の空港バスでは、日本語・英語・中国語・ハングル語が簡潔に流れますが、こちらでは、日本語・英語・ハングル語のアナウンスが、割と長めに流れて(ああ、九州に来たなあ)と感じます。
お店にはハングル語表記がされているし、九州は韓国文化が身近ですね。
○ 大寒波日
この日は大寒波が到来した、風が強く寒い日。
バスを待っている間だけでも、北風に体温を奪われ、身体の芯から凍えそうになり、誰もが身をすくめています。
春の訪れが早い九州なので、ぽかぽか日和だと思っていたのに~。
「雪がちらつくかもしれないそうよ」と、前日に熊本の友人が教えてくれた時には(九州でこの時期に?まっさか~)と半信半疑でしたが、厚着してきてよかったです。
○ 太宰府と多賀城
バスは高速を通って、太宰府へ。車窓から、太宰府政庁跡を眺めます。
多賀城の政庁跡に似ているなと思い出しました。
多賀城と大宰府は、奈良時代の朝廷の出先機関なので、考えてみれば同じ時期のものなんですね。
そうした歴史的なつながりから、多賀城と大宰府は友好都市になっていると、後で知りました
東日本大震災時には、市と市民から被災した多賀城に多くの支援がされたそうです。元住民として、ありがたいなと思います。
ところで、「大」宰府政庁跡と「太」宰府天満宮。
政庁跡は「大」で、テンがないんですね。わかりづらい~。
大「阪」城と大「坂」の陣よりも混乱します。
○ 太宰府天満宮の梅
終点の西鉄太宰府駅前でバスを降りました。
駅前から参道が伸びており、迷うことはありません。
途中におしゃれなスタバがありました。
人目を引くこのデザインは、建築家・隈研吾氏の設計だそうです。
ジェット・リーの映画『HERO』のようでした。矢が飛んでくる~。(わかる人いるかな?)
石畳の参道を歩いて行った先に、天満宮がありました。
紅梅・白梅がとりどりに咲いています。
(梅の季節に間に合った!)と嬉しくなります。
赤い太鼓橋を渡って行きます。
(亀戸天神の橋みたい)と思いましたが、もちろん亀戸がここに似せて作っているわけです。
福岡は、長い歴史がありますね。
身が切れそうなほど寒い日ですが、天満宮には多くの梅が咲いており、春の訪れが感じられます。
天満宮といえば梅。間に合うようにと願っていたので、咲いていてラッキーだわ。
拝殿の両脇には、紅白の梅がありました。
白梅の方が、菅原道真を慕ってこの地まで飛んできたといわれる「飛梅」。
おお、これが、空飛ぶ梅!
「東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
「飛梅」という表示以外には、特に細かい説明はありませんでした。
言わずもがなということでしょうか。
花はもう終わり近くになっていて、ギリギリ間に合いました。
紅梅は「皇后(きさい)の梅」。大正天皇の后、貞明皇后が植えられたそうです。
こちらはまだ、美しい色で咲いていました。
○ 京都と太宰府
そしてもう一つ、天満宮といえば牛。
さぞかしたくさんの牛の像があって、境内は足の踏み場もないほどに、モーモー牛だらけなんだろうと思っていましたが、思っていたほど多くはありません。
京都の北野天満宮の方が、牛の数は多いように思います。
敷地も京都の方が広そうな感じ。知名度はこちらの方が高いのですが、豪華さも向こうの方が・・・。
こちらは菅原道真が崩御した地で、京の都では、道真公のたたりを恐れた人々が大勢いたからでしょうね。
たたりは都で起こったというし、慰霊+αを願う必死度が違ったんでしょう。
○ 園児たちの昇殿祈祷
御朱印をお願いしている間、何人もの正装姿の神主さんが、忙しそうに動き回っていました。
「次は○○幼稚園」と確認する声が聞こえてきます。
拝殿前で園児の団体と一緒になり、子供たちに紛れて参拝しましたが、その御一行様がすぐに帰らず、待合室に移動していました。
これから昇殿祈祷を受けるようです。
拝殿では、ちょうど祈祷が終わり、別のグループの子供たちがぞろぞろと退席していきます。
平日なのに祈祷が続いて、神主さんたちは忙しそうでした。
天下の太宰府天満宮ですから、さぞ大勢の受験生が神頼みをしにきているんだろうと思いましたが、それらしい学生は誰もいません。
ちょうど受験が終わった頃だからでしょうか、平日だからでしょうか。
制服姿の学生がいない代わり、予想外にも幼稚園児の団体に巻き込まれました。
帰りの道すがら、後から後から別の園児服姿の御一行様がやってきます。
みんな、集団で御祈祷を受けるのでしょうか。やっぱり、学業祈願?
でもそれって、早すぎなーい?
私が園児の時に昇殿祈祷を受けたのは、親に連れられて行った七五三。
園児が幼稚園まとまりで、先生の引率で祈祷を受けるのを見るのは初めてです。
こちらの風習なのかもしれませんが、不思議に思いました。
神社の公式ページには「小学校入学は家庭生活から社会生活への第一歩です。このことをお祝いし、天神さまにご奉告して、学業上達・身体健全もお祈りいたします。
特に、入学式を控えた2・3月には個人や幼稚園・保育園などでの小学校新入学祈願のご参拝が多くございます。」とありました。
この「新入学祈願」だったようです。
○ 梅が枝餅
梅の花を愛でた後、帰り道の参道で、梅が枝餅を買いました。
ここの名物だと聞いていましたが、参道に並ぶお店の多くがこの梅が枝餅を売っているのに驚きました。
鳩サブレーのように、一つのお店だけが出しているものではないのね~。
ほんのり温まったお餅で、中には甘すぎないあんこが入っていて、食べやすかったです。
お餅には梅の花の型が押されていましたが、枝の要素はどこにもなかったので、(これなら「が枝」を取った「梅餅」でいいんじゃないかな?)と思いました。
「うめがえもち」の方が、お上品な響きですけどね。
カエちゃんという名前の友人を思い出しながら、駅へと向かいました。
○ 旅人トレイン
西鉄太宰府駅には、「旅人」という電車が停まっていました。
そのネーミングに引かれます。
歌人の大伴旅人と、トラベラーにちなんでいるそう。
読みは「たびびと」ではなく「たびと」だそうです。
中に入ると、ライトに梅マークが描かれ、車両には太宰府の観光地の紹介ポスターが貼られていました。
2人掛けのクロスシートで、旅愁を刺激されます。
いい感じの観光列車だわ~。
次の五条駅に着くと、外に白いなにかが舞っていて(白梅が散っているのかな)と思ったら、なんと雪でした。
たしかに「雪がちらつくこともある」との予報でしたが、そんなに寒いんですね。
その次の二日市駅で「終点です」とアナウンスが入りました。
えっ、もうおしまいなの?
「旅人」列車は、基本的にこの2駅区間しか走っていないんだそうです。
旅を味わうには、5分間の乗車時間は短すぎるわー。
ホームを移ると、そこは普通の駅の光景。各駅の西鉄電車に乗り換えました。
その2に続きます。
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