風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

玉川・多摩湖・国分寺(小平・狭山)

2013-07-04 | 東京
● prologue
● 小平霊園は実は公園
● 玉川上水といえば
● 涼を求めてひと山越えて
● 山口観音のブレイクベル
● お寺にクジャク
● 狭山不動寺
● 西武球場
● 国分寺ウォーク
● にしこくんの町
● epilogue

西武新宿(西武)→小平【小平霊園】【ランチ】(西武)→玉川上水(多摩都市モノレール)→上北台(walk)→【多摩湖】【山口観音・不動寺】西武球場前(レオライナー)→西武遊園地(多摩湖線)→国分寺(walk)→西国分寺(南武線)【にしこくん】

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● prologue

先月、友人のルーツを訪ねる旅に出てから、ルーツや先祖が気になるようになった今日このごろ。
「いつか尊敬する人のお墓に行きたいと思いながら、なかなか腰を上げられずにいたけれど、このタイミングでなら行けそう」と言う友人と、お墓参りにでかけました。

プチ墓マイラーの私。
かつて指揮者のカラヤンが亡くなった時に、教会を調べて、オーストリアにお墓参りに行きました。
翌年、一周忌だからと再訪したら、墓守のおじいさんが私のことを覚えていてくれました。

広い墓地を散策しながら有名人のお墓巡りをしたことはありませんが、今回訪れる小平霊園には、著名な方々が大勢眠っているそうです。

● 小平霊園は実は公園

西武新宿駅で純と待ち合わせ、小平に向かいました。
5月に川越に行った時にもこの駅で集合しました。もうしばらくは乗らないだろうと思って沿線なんですがー。



駅を降りるとすぐに小平霊園がありました。
駅チカ!というより、駅前!
というより、霊園があるから、ここに駅が作られたような感じです。



花屋さんも何軒も軒を連ねていました。
みんな横並びの同一料金で、協定を結んでいるようでした。
「自転車貸します」と書かれた張り紙を見て、霊園の広さが予想されます。

足を踏み入れると、確かに広大な墓地でした。
これではとてもわからないと、まずは管理事務所に寄って、場所を聞きました。
ここは、東京都公園協会が管理しており、公園の扱いになるようです。

有名人のお墓マップをいただきました。
知っている名前がずらりと並んでいます。
純の目的のお墓参りをしたあとで、気になるお墓を探してみました。

『二十四の瞳』の壺井栄や『七つの子』の野口雨情も気になりましたが、訪れたのは柳宗悦と小川未明の眠る場所。
どちらの作品も好きです。
こちらは柳宗悦のお墓。シンプルで前を通りすぎてしまい、番号を確かめながら戻りました。



純も柳宗悦は好きだそうですが、小川未明のことを知らなかったため、『赤い蝋燭と人魚』のあらすじを話していたら、なんだかホラーじみて、寒くなってしまいました。
暑い夏にピッタリ(!?) いえ、哀しいお話です。
こちらは未明のお墓。



ちょうどミネラルウォーターを持っていたため、それをお参りした墓石にかけてきました。

車も入れる広い舗装道が続き、よく手入れされているお墓がほとんど。、じめっとした暗いイメージは全くありませんでした。
木立の下を、マラソンをしている人もいました。

マンホールのデザインが気になって、パチリ。
てっきり小平のものだと思ったら、東村山市のものでした。
広大な小平霊園は、小平市・東村山市・東久留米市に渡っており、公園事務所があるのは東村山市なんだそうです。



お昼にしようと小平駅前に戻りましたが、駅前には何もありません。
駅前商店街も見当たらいため、小金井の友人にランチの場所がないかメールで聞きました。
友人からは「小平と小金井は違うよ!」とツッコミの返事をもらいました。隣じゃな~い。
「小平霊園に来たって、もう墓地買うの?」という反応。
そうそう、今のうちに買っておこうかと思って・・・ってちがーう!
ケンタに入ろうとしたら「今日は食べ放題の人優先です」と言われ、「無理だね」とあきらめてミスドに入りました。

● 玉川上水といえば

さて、これからどうしようということになります。
路線図を見ると、玉川上水駅がありました。
玉川上水といえば、思い出すのは太宰の入水事件!そして玉川兄弟の像!

かつて、いつも着流しにゲタの書生姿で現れ、なにかというと「玉川上水に飛び込んでやる!」が口癖の友人がいたことを思い出しました。
彼は元気かしら。口だけで、まだ飛び込んでいなければいいけれど。
意外と、過去を綺麗さっぱり忘れて、バリバリのビジネスマンとして働いていそうな気もします。

ということで、玉川上水駅に行きました。
ええと、多摩川はどこかしら。
ありました。ありましたが、銅像らしきものはありません。
よく見る写真では、兄弟像の周りは視界が開けて明るい場所になっていますが、川の周りは木々が生い茂ってうっそうとしています。
太宰ゆかりの説明文なども、一切ありません。
地図さえもないので(おかしいな)と、駅の地図を見ようとしたら、ネットチェックした純が言いづらそうに「この辺じゃないみたい・・・」とつぶやきました。

「え?だってここ、玉川上水じゃない」
「太宰が入水したのは、三鷹の方だって」
「えー!玉川上水ってここじゃないの?」
落ち着いて考えると(おバカでゴメーン)な発言ですが、純は「流域全部を指すから、該当範囲は広いよ」と、きちんと教えてくれました。(ありがたいわ~)

「じゃあ、玉川兄弟の像は?」
「それは、羽村堰にあるみたい。最寄りは羽村駅。」
玉川上水駅と羽村駅は、路線も違うしかなり距離があります。

ここでは太宰も飛び込んでいないし、兄弟の像もない。
なんにもないじゃない~。ああがっくり。
「じゃあ、せめて散策しよう」と言ったら、「蚊に刺されそうだからやめとこ」と言われて、結局傍に行っただけで終わりました。



私、玉川上水とは、多摩川上流にある、堰のようなポイントだと思っていたんです。
水路だったんですね~。。。

まあ、いくら「太宰の玉川上水入水」が有名でも、人が事件を起こした場所に行きたいわけではありません。
とりわけ、お墓参りのあとに訪れる場所ではないですね。
それに私、別に太宰が好きなわけではないんだったわ。
でも、金木の「斜陽館」は訪れたことがあります。
蒸し暑さで、考えがまとまりません。頭がモウロウとしています。

● 涼を求めてひと山越えて

暑い日だったので、なんだかとっても水辺に行きたい気分。
玉川上水にフラれてしまったので、「じゃあ湖の方に行こう」ということになりました。
地図を見ると、多摩湖に橋がかかっています。
大きな湖を越えられるなんて、ロマンチックだわ。

モノレールに乗り、終点で降りました。一山超えれば、多摩湖です。
地図上では、道をまっすぐ進んでいくと、湖にあたりますが、寺社をみるとついフラフラと立ち寄ってしまう私たち。
いつの間に、こんなにシブい路線になってしまったのかしら。
あちこち寄り道をしながら向かいました。
ワクワクする橋もあります。
暑い暑いと言いながら、登って降りて、ひと山超えたら、そこに湖が広がりました。
広いわー。凪いでいるわー。

途中、木立の中から赤い橋が見えてきます。なんだかすてき。



名前は鹿島橋。名前の確認に気を取られていましたが、このレリーフ、さっきどこかで見たような気が・・・。
小平霊園で見かけたマンホールの柄と一緒でしたが、この時には赤い橋に浮かれて、全く気づいていませんでした。



湖の真ん中を突っ切って行く道がありますが、そこは車両専用で、歩行者は車道の斜め下にある散策路を通ります。
見晴らしはいいのですが、片側だけで、もう反対側は、車道の土手で見えません。

こちらが右側。湖がきれいですねー。


こちらが左側。地図では橋のようすが、実際には完全に土手になっています。
橋好きとしてはウーム、なにかが違う・・・。


でも、さわやかな気持ちになりました。
うまく見えませんでしたが、多摩湖の取水塔前を通りました。
「橋があるのに渡れないー」とブツクサいう私に「あれは橋じゃないから」と訂正を入れる純。
あれは多摩湖の取水塔。あとにして思えば、あの小平霊園で見かけたマンホールの柄だったんですが、その時には暑さにめげそうになっていて、全く思い当たりませんでした。



多摩湖は東村山市にあるんですね。ちなみにお隣の狭山湖は、所沢市になるそうです。
2つの湖の間に、東京と埼玉の境があったとは。

● 山口観音のブレイクベル

さらに歩いて行ったところで、純が「あれ・・・」と、ためらいがちに指差します。
それは、山口観音の標識でした。
観音巡り真っ最中の私たち。「聞いたことないけれど、行ってみよっか」と二人で向かいます。

門の前には弁天池。古めかしい山門は迫力いっぱいです。
古刹という名前がピッタリの、重々しい雰囲気のお寺でした。



武蔵野観音霊場第13番札所。
新田義貞の鎌倉攻め祈願のお寺だそうで、彼の愛馬のレプリカもありました。



お堂の周りには、マニ車があったので、もちろん回してみます。
ここではマニ車ではなく「ブレイクベル」という名前になっていたので、(あれっ?)と驚いて一瞬手を止めました。
何を破るんでしょう?沈黙?そしてマニ車は、ベルなんでしょうか?



お砂踏み洞窟があったかと思うと、塀に竜がうねっており、中国・ビルマ・タイ・チベット、いろいろな仏教国のエッセンスがギュっと詰まった、荘厳だけではない、摩訶不思議なお寺でした。



● お寺にクジャク

境内に鳥小屋があり、中に2羽の孔雀を発見。
先日訪れた鷲宮神社といい、なぜ寺社にインドクジャクがいるの・・・?
しかもこの孔雀、私たちを見て羽を広げてくれました。
ワー、シャッターチャンス!



喜んで、何枚もバシバシ撮影しましたが、ひとしきり撮り終えても、孔雀は全く羽を閉じる気配もありません。
「もういいよ・・・」と言っても、はりきって、時々羽を揺らして見せてくれたりします。
もしかして、私たちに求愛しているのかしら?
少し角度を変えると、きちんと向きを合わせてくれる、理想的なモデルです。
しばらく見ていましたが、全く閉じる気配がないため、根負けして、羽を広げたままの彼にバイバイしてその場を離れました。
私がクジャクだったら、小屋の中に入っていったんですけどねー。

● 狭山不動寺

このお寺の隣の敷地には、不動寺があります。
観音様と不動様は、やっぱりタッグを組んでいるんでしょうか。
こちらも参拝しました。



埼玉西武ライオンズの必勝祈願ポスターが貼られていました。
巨大な石灯籠があって、歴史の古さがしのばれます。



神妙にお参りして来ましたが、あとで知ったところによると、ここは西武グループがプリンスホテル開発にあたり、各地の文化財を集め、天台宗別格本山として建立したお寺で、たかだか40年弱の歴史なんだそうです。
「創建:昭和50年 開基:堤義明」とのこと。驚きました!
マネーパワーですね・・・。

自然豊かな境内で、小道でばったりタヌキと会いました。
ええ、あれはタヌキでした。
先に歩く純と、数秒間見つめ合ったあと、タヌキはダッと茂みの中に逃げ込んでしまい、カメラを構えるヒマもありませんでした。

● 西武球場

すっかり暑くなっています。
道路の向こうには巨大な西武球場。
「西武球場といったら、夏のミサトだよね!」と口を揃える、完全に野球オンチの私たち。



試合のない日は、ガランとした西武球場前駅。
小さい時に、親にユネスコ村に連れてきてもらったことがあります。
その時に、素敵なヨーロッパ風の池があったのですが、よく思い出せません。

駅員さんに聞いても「はて?」という感じなので、母に電話をかけて聞き、狭山湖(山口貯水池)だとわかりました。
今回寄ったのは、おとなりの多摩湖(村山貯水池)の方でした。
当時はわかっていませんでしたが、子供の頃にステキだと思ったヨーロッパ風のものとは、狭山湖の取水塔だったようです。
多摩湖にも狭山湖にも、すてきな取水塔があるんですね。



ここからレオライナーに乗ります。ゴムタイヤで静かに走る、なんだか不思議な電車です。
純がかぶりつきの席に座って、ウキウキしていました。



電車は、西武遊園地へと向かって行きました。
このライナー自体が、プレイランドのアトラクションのよう。
じゃあ遊園地で遊んじゃおっか?
でも、この日は平日のため、遊園地はやっていませんでした。
休園日の遊園地ってさびしいわ。



そのまま、反対ホームに停まっていた多摩湖線に乗り換えました。
白いフォームがすてき。
そして国分寺駅へ向かいます。

● 国分寺ウォーク

「じゃあ国分寺(寺)を参拝しよう」と地図を見たら、駅から意外と距離があり、むしろ西国分寺のほうが近そうでした。
うむむ。
「じゃあ、南武線で帰りやすいから、隣の西国分寺までひと駅歩こう」ということになりました。
またきちんと来る時があるでしょうから、国分寺(寺)には寄らないことにします。



たちあおいがきれい。

● にしこくんの町

西国分寺の駅前は、台湾風というか、ロシア風というか、なんだか無国籍な雰囲気がしました。



ここで柱に貼られたポスターにふと目をやり、驚きます。
あ、あなたはもしや(一部で)有名な、にしこくん!?



すっかり忘れていましたが、「なにやらすごいゆるキャラがいる」と教えてもらったものです。
改めて見てみると、圧倒的なインパクトですね・・・バランスがとれているのかいないのか、このあやうさが魅力でしょうか。
美脚??のポンデライオンのようでもあります。



この町で夕食にしました。
暑さと空腹から開放されて、元気になりました。
にしこくんの画像検索をして、二人でのけぞりましたが、もう涼しい場所だったので、倒れこまずに済みました。
にしこくんに追いかけられたら・・・コワイ!

● epilogue

今回は、かなり行き当たりばったり感が強かったのですが、まあそれでも、大回りできて楽しかったです。
忘却の彼方にあったユネスコ村のことを思い出して、懐かしい気持ちになりました。
ハウステンボスや東武ワールドスクエアのはしりのような、海外の建物がたくさん立ち並ぶ、楽しい場所でした。

また、最初の小平で見かけたマンホールの柄と、鹿島橋のレリーフにあった場所、多摩湖の取水塔に、気づかぬまま訪れていました。
多摩湖の取水塔は「日本で一番美しい取水塔」なんだそうです。
訪れた場所がかすかな線でつながった、ふしぎな気持ちです。
取水塔、これからチェックしようかしら。

いつか国分寺を参拝するときには、怖いもの見たさで、隣町のにしこくんにも会いたいものです。
それまで、にしこくんが消えてしまっていませんように。
逆にパワーアップしていたら、受け止めきれなさそう・・・(笑)。


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2 Comments

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地元周辺だったので (k_nakama)
2013-07-31 20:55:38
地元周辺だったこともあって、
とても面白く読ませていただきました...。
たまたま訪れたのですが、
一言コメントを残させていただきました...。
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ありがとうございます! (リカ)
2013-11-01 16:38:50
nakamaさん、お読み下さいまして、どうもありがとうございます。
緑多い豊かな辺りにお住まいのこと、羨ましく存じます。
次回伺う折には、ぜひともにしこくんに会ってみたいなあと思っていまーす!
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