風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

まだ見ぬバルト三国へ 6-1(ヴィリニュス)

2017-05-31 | 海外
5日目からの続きです。

● ホテルのレストラン 

この日は6時に起きました。外はまだ真っ暗。
7時の朝食時間を待って、ホテルのレストランへ。
リトアニア屈指のいいシェフがおり、オーガニック料理で有名なんだそう。

夜のような採光ですが、外はそろそろ明るくなってきています。



ミューズリーとドライフルーツの多さにびっくり!
バルトはどの国でもドライフルーツが豊富。
ここでは大きなボトルにたっぷり入っていました。冬眠前のリスなら有頂天になりますね。



整然と配置されて清潔さにあふれ、見ているだけで新鮮な気持ちになる、ピカピカの調理器具。
朝から気持ちがいいです。



● トースターマシン

食パンを焼こうと思い、トースターらしきマシンのところに行きましたが、使い方がわかりません。



どこをどうすればいいんだろう?と、マシンの前で悩んでいたら、お店の人が教えてくれました。



左側のコピーの手差し口のようなところからパンを滑り込ませると、焼かれながらベルトコンベア式に移動し、右側からトーストになって出てくるという仕組み!



ザッツ・マジック!手品みたい。
見ているとワクワクして楽しくなれますが、マシンが大きいのが残念なところ。
わが家のキッチンには、置く場所がなさそうです。



パンケーキがなく、ギョーザが出たのは、この旅でここが初めて。
焼き餃子でしたが、リトアニアでも普通に食べているようです。まあロシアでも水餃子がありますからね。

● コンセプトホテル

ここはビジネスホテルでありながら、スタイリッシュさを追求したこだわりのコンセプトホテル。
ファッション畑のモコのチョイスです。
全館あげてのロケンロールぶりには驚きました。
ちなみにヴィリニュスの町には、普通の内装のコンフォートホテルもあるので、地味好みの方もご心配なく…。



壁にかかった絵は、マドンナのような、フランク・シナトラのような。
ほかにもビートルズっぽい絵など、何枚か飾られていました。



朝食を取っている人たちは、お一人さまの男性が目立ちます。
なぜかしら?
泊まりやすいリーズナブルな料金なので、みんなふらりと泊まるのかしら。それとも長期滞在しているのかしら。
出勤前の腹ごしらえに立ち寄ったようなビジネスマン風の人は、見たところいませんでした。




● クラシカルでパンキッシュ

食事を済ませ、さあ外出です。
しっかりと防寒をして出掛けましたが、朝からとても冷たい風が吹いています。
うう、寒い。



通りの左右には重厚でクラシックな建物が立ち並んでいますが、近づいてみると立派な神殿のような建物に、堂々とサイケデリックなイラストが施されていたりします。
下のパルテノンのような建物、通りの反対側から全景を撮っているので目立ちませんが、近くで見るとパンキッシュな落書きだらけ。
ホテルの外も、街全体がロックなのかなと思いましたが、ここはアートの学校のようでした。



● トゥラカイ行きのバス

まずは、近隣の古城へ行くことにして、昨日降り立ったコーチステーションへ行き、トゥラカイ行きのチケットを買いました。
やってきた小さなバスに乗り込みます。



バルトはwi-fiがとても充実しており、バスの中でもサービスがあります。
ただ、運ちゃんがオンにするのを時々忘れているようで、今回も使えませんでした。

● 車内禁止事項

車内には、禁止事項のサインがありました。
禁煙サインの隣の一番左の絵ってなんでしょうね?
モコは「他人の顔につばを吐くな、じゃない?」といいますが、それってバスの中に限らず、人としてのモラルなのでは?
逆にそんな国民性だったら、近寄れないわ!



帰国後、周りにも聞いてみました。
「告白禁止じゃない?」という子がいて、「なんでダメなのかな?」「運転手が動揺するからじゃない」などと話が膨れ上がりましたが、バルトに詳しい先生曰く「運転中に運転手に話しかけないこと」が正解だそうです。
なるほど、言われてみれば、そうですね。
それでも運ちゃんは、運転しながらしょっちゅう大声で話をしていますが。

● トゥラカイ到着

30分ほど乗って、トゥラカイ到着。アナウンスが一切かからないため、運ちゃんに「ここがトゥラカイ?」と確認しないとわかりません。
降りてからも地図や標識はなく、どっちに進めばいいのかもわかりません。
かんたんな地図なら持っていますが、この辺りは湖に囲まれた地区なので、どこを向いても水辺ばかりで、方角がわからないのです。

お城はこちらとか、表示があればいいのに。
まだ観光国になるためには立ち遅れている点が多いなと、改めて感じます。
「外国からの観光客の誘致に乗り出す前に、改善しなくちゃいけないところが多いね」
私に相談してくれたら、色々と提案できるんだけどな。


餌を探すカラスさん


● お城への道

ここからお城までの2キロの道のりを、30分ほどかけてテクテク歩いていきます。
長そうですが、かわいらしい北欧調の家々を見ながら歩いていくので、昨日の十字架の丘へと続く荒涼とした道ほど、つらくはありません。



ただ、両側を湖に囲まれているので、水面を渡ってくる風が吹きつけて、容赦なく体温を下げていきます。
北欧に来た気分。

なのにソフトクリーム屋がありました!コーン部分よりも長い盛り盛りのもの。
本当にこんなに長いのかしら?
身体がかじかんでなければ、食べてみたいところなんですけどね。



● リトアニア大公国

イラストだけで判断するに、こちらは昔この地で戦った王様についての紹介板。
この辺りにはかつてリトアニア大公国があり、ベラルーシやウクライナも含む広大な国土を持っていたそうです。
下にはラトビア語・ポーランド語・英語の三か国語で説明が書かれていました。
英語は通常「E」とか「Eng」と訳されますが、ここでは「GB(グレートブリテン)」と書かれていたのが新鮮。



この辺りは、今では湖畔のリゾート地ですが、トゥラカイはカライム人、タタール人、ロシア人、ユダヤ人、ポーランド人といった異なる民族が作った町。
また、独自の文化を守る先住民のカライメ族(ユダヤ系少数民族)が住む地域でもありました。



壁にギョーザの絵が描かれたレストランがありました。
キビナイというこの辺り独特の食べ物だそうです。
もしかすると、朝食に出てきたのは、このキビナイだったのかもしれません。
おいしそうですが、朝食をとったばかりでお腹が空いておらず、そのまま通り過ぎます。



● 三角屋根の家

カラフルでかわいらしい家々が並ぶ通り。私にとってのバルト三国のイメージそのものです。
3連窓の家は、カライメ族の伝統的な住居です。



ここはお土産屋さんがずらりと並ぶ場所なんでしょうけれど、寒いからか朝だからか、まだ一カ所しか開いていません。



● トゥラカイ城

じきに、オレンジ色ののとんがり屋根のお城が見えてきました。
かわいらしいわ。



島の上に建てられており、湖に浮かんでいるように見えるお城。
「ジブリの世界みたい」とモコ。
たしかに、湖に護られた湖上のお城なんてとってもすてきです。



木の橋を渡って、湖を越えます。パノラミック。
このお城は中世期のリトアニア大公国の中心的な場所だったとのこと。
入り口の門楼をくぐって城内へと入ります。



数百年の歴史があるお城ですが、のちに廃城となり、さびれてしまいました。
今では保存と修復が進み、往時の姿を取り戻しています。



まるで中世の時代にタイムスリップしたかのよう。
建物の中は博物館があり、かつてトラカイに住んでいたさまざまな民族について学べるようになっています。




● 湖畔の城壁

ぐるりと城壁の回りも一周し、お城の近くにある別の城壁も散策しました。
季節はすっかり秋。この時期は観光客も少なく、辺りはとても静かです。
落ち葉の上を歩くとカサコソと音がします。



この辺り一帯は湖水群になっているため、この町に着いてからずっと湖畔ばかり歩いています。
リトアニアの湖水地方ですね。
夏なら絶好の避暑地でしょうけれど、この時は四方八方から湖を渡る冷たい風が吹きつけてきて、寒さにもう身体中の感覚が無くなっています。



とてもいい散策道でしたが、雨がいつしかみぞれに変わり、とうとう雪が降ってきたので、観光を切り上げて急ぎ足で元来た道をバス停まで戻ることに。
特に待合室もなく、震えながら外でバスを待ちました。



やってきたバスに乗り込み、暖房がきいた温かい車内で一息つけると思いきや、バスの暖房は殆ど聞いておらず、寒いまま。
見ると、運転席の窓が開いていて、そこからピューピュー冷たい風が吹き込んでいます。
運ちゃん、あなたはなぜ寒くないのー?

その2に続きます。



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