風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-4 旧青梅街道つり橋巡り-1

2012-04-28 | 東京
前々から、漠然ながら、橋が好きだという自覚はありました。
外国小説で「橋は象徴的だ」と書かれていたフレーズが印象的でずっと心に残っていたり。
錦帯橋や万里の長城、アヴィニョンのベネゼ橋の上で、踊り出すほどテンションが上がったり。
今も、橋が見える家に住んでいます。しかも3つ。 (*^.^*)エヘッ☆

特に吊り橋が好きだとはっきり目覚めたのは、最近のこと。
去年、秋山郷の見倉橋を訪れた時に、めでたくチャクラが開きました。
まだ、自分の嗜好に開眼したばかりなので、吊り橋目的の旅は、これが初めてとなります。

高いところが大好きな私は、吊り橋を渡る時のワクワク、ドキドキ感が、たまりません。
吊り橋を下から見上げるのも、とても好きです。
自然の中にしっくり馴染んだフォルムを見ると、幸せな気持ちになるのです。



GW初日、奥多摩湖へと出かけました。
連休中、一番天気が良いということで、急遽決まった日程。
南武線の終点の立川から、ホリデー快速おくたま号に乗り替えて2時間半。
終点の奥多摩湖駅で、待ち合わせしました。
この日のメンバーは、ライオンさんとカカシさん。



みんな前日までの仕事が忙しく、駅に着いただけで「パトラッシュ、もう疲れたよ…」などとつぶやいていますが、これからが本番。
私は足を引っ張らないよう、貧血の薬を飲んできました。
ライオンさんはバナナ、カカシさんはリポD持参で、それぞれスタミナをつけています。



駅に降り立った人々は、かなり大勢いました。
老いも若きも、誰もが登山靴にバックパックをしょい、手にはストックを持っており、本格的登山スタイル。
そういえば、電車の中では、私の周りに座っている人たちはみんなおそろいの登山靴で、(私だけ、仲間はずれ~。もともと仲間じゃないけど~)と驚きました。
今は、登山ブームなんですね。
軽装なのは、私たちくらいです。

     


さっそく歩き始めました。
まずは、青梅街道を通って、駅からほど近い奥氷川神社へ。
武蔵国で最も奥に位置する氷川神社だとのこと。
東京都天然記念物の「氷川の三本杉」が見事です。
樹齢700年、高さ49.3mで、三本の杉が根元で繋がった巨木。
夕方には天狗が降りてきそう。
そういえば、この辺りは巨樹の町と言われています。



神社のそばには、川が流れ、吊り橋がかかっていました。
・・・吊り橋です!!
今回の私の目的は、奥多摩にかかる4つの吊り橋。
さっそくあったのは、日原川にかかる「氷川小橋」。ああすてき。





河原に降りると、釣りをしている人がいました。
きらきらと輝く川面がまぶしくて、「リバー・ランズ・スルー・イット」を思い出しました。
ちょうどここは、日原川と多摩川の合流地点なので、川のどちらを向いても、橋がかかっている、橋天国です。





すぐ隣には、車が通る「氷川大橋」も架かっています。御茶ノ水の聖橋を彷彿とさせるデザインです。
大橋と小橋が並んでいるっていいですね。
小橋を渡って更に「登計(とけ)橋」も渡りました。

氷川小橋よりも更に小ぶりで、心もとなさが私好みです。
周りは新緑の山。風が心地よく、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込みました。
下を流れるのは、多摩川です。普段見慣れた大河とは全く違う、ささやかな小川でした。
これなら落ちても、きっと大丈夫。





駅を降りてすぐ、4本のうち2本を渡れたので、すっかりごきげんの私。
スキップしそうな勢いです。

コンビニに寄ったら「東京都コンビニ最西端」と書かれて、北緯と東経まで表示されていました。
それを撮るカカシさん。その様子を撮る私。



撮ったり撮られたりしながら、車道をそれて、「むかし道」へと入りました。
江戸時代に使われた旧青梅街道です。
ライオンさんの今回の目的は、この旧国道を歩くことでした。
ちなみに、カカシさんの目的は、一眼レフでの写真撮影です。
3人の萌えポイントがそれぞれ噛み合わず、デコボコなのが、また私たちらしいなといった感じ。
自分にない萌え処を熱く語ってもらえるのがおもしろいし、興味も引かれます。



途中、雑草の生い茂ったトロッコ線路(廃線)がありました。
こういうの、惹かれます。線路の先には何があるんだろう?
橋と一緒で、どんどん先に進んでいきたくなるのです。
これは小河内ダムの建設用に作られた資材運搬用の線路だと、ライオンさんに教えてもらいました。

小道は、昔ながらの木造平屋の集落を通って行きます。
どの民家の家先にも、薪が大量に置かれていると思ったら、林業を営む人が多いのだとか。



羽黒坂にある羽黒三田神社に着きました。
ここの鳥居は、上だけが赤く塗られているのが珍しいです。

小さい滝もあり、ハイキング気分満喫です。
無人販売所には、わらびと山ウドが売られていました。
大きな日露戦争の凱旋記念石碑がありました。
こんな小道で?と思いますが、そういえばかつては、ここが街道だったので、将校が日露戦争で勝利凱旋したんでしょう。



そのうちに、白髭神社への階段が見えてきました。
石段を上がっていくと、ファニーな狛犬が出迎えてくれます。
こんな丸くふにゃんとした狛犬、見たことなーい。少し苔むしていました。



神社は、巨大な一枚板の陰に隠れるように鎮座しています。
この巨岩が御神体。高さ約30mの岩壁の迫力たるや、すごいもの。今にもつぶされそうな社。
都指定の天然記念物の石灰岩大壁なんだそうです。
巨樹だけでなく、巨岩の町でもあるんですね。



むかし道に戻ると、今度は「弁慶の腕抜き岩」がありました。
腕が入るほどの穴がある高さ3mほどの自然石。弁慶が抜いた穴とされているそうです。
さっそく腕を通してみました。穴は結構大きく、するする奥まで入ります。
ローマの「真実の口」、奥多摩版といったところでしょうか。



そこからすぐに、「耳神様の壁」がありました。
耳神様とは、初めて聞く名前ですが、どうやら耳の病気を治してくれる神様のようです。
穴のあいた小石をお供えして祈ると、耳病に効くとされていたそうです。

せっかくだからお祈りして行こうかな…と思いましたが、まず穴のあいた小石は、近くにはそう簡単には落ちていませんし(奉納されてはいまし
た)、そういえば特に耳に不自由はしていなかったのでした。

樹齢200年のイロハカエデの巨樹が3本立っています。
秋に来ると、美しい紅葉が楽しめるんでしょうね。
今は、新緑の爽やかな若葉が風にそよいでいました。

さらに進んでいくと、今度は「馬頭様」がありました。
江戸当時は、馬に乗って狭い旧道を移動していた人々。その旅は過酷で、見通しも悪く、馬が谷に落ちるなどといった事故も多かったそうです。
供養塔の意味合いが強いのでしょう。

旧街道の旅は「その2」へと続きます。


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