風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

スウェーデンの秋暮らし 6 (Last)

2017-11-22 | 海外
5日目からの続きです。 

● 空飛ぶフレディ

空港には、ノルウェー・エアシャトルの旅客機が停まっていました。



尾翼にリンネの絵が描いてあります。
(あれ、リンネってノルウェーじゃなくてスウェーデン人よね?)と思いましたが、あまり気にせずにいました。



すると、また別の人を発見。
あなたはもしや、フレディ!?



やっぱりクイーンのフレディ・マーキュリーでした。
飛行機に描かれるなんてすごいわ、さすがは伝説のロケンローラー!



さっそくリョコちゃんに画像を送ったら、彼女も「観たことない」と驚いています。
どうやら、フレディの機体はこの月から飛び始めたばかりだそうです(⇒ニュース)。
この機体が日本に飛んできたら、大騒ぎになりそう。

● ベイビーの冒険

ずいぶん余裕を持ってやってきたので、チェックイン後も時間があります。
でも空港が広く、ターミナルを移動していたので、さほど待った気になりません。



おしゃぶりをしたベイビーが、辺りをよちよち歩き周っていました。
辺りを見回しても、ママらしき人の姿は見えません。



ベイビーは一人きりなのに寂しがる様子もなく、冒険を続けています。
(転んで怪我しないかな)とこちらはハラハラしながら見守っていますが、そばで電話をしているおじさんはまったく目を向けません。
ベイビーがうろうろしていても、誰も気にしている人はいませんでした。
こちらはそういうお国柄なのね。

このベイビー、機内で見かけた時にはちゃんとママに抱かれていました。よかったね~。

● CAに話しかけられる

機内に入ると、一人のCAに声をかけられました。
「あなた、前にも乗っていたでしょう」
「え?ええ・・・」
なんとこの人、行きのフライトの時も乗務しており、私を覚えていてくれたようです。
目立つことはしなかったはずですが。バナナもねだらなかったし~。
機内で一人のアジア人だったからかもしれません。

「仕事だったの?」と聞かれて、「ううん、バカンスで」と答えます。
すると「オーゥ、バカンスなのに、スウェーデンにたった4日しか滞在しなかったの?」と、目を見開いて驚かれました。
「私も4日間の滞在だったけど、それは仕事だったからよ」
あああ、CAさんにも短すぎると言われるなんてー。
ドイツ人、アフリカ系移民、そしてアラビア系CAと、多岐にわたる民族の方々に驚かれてしまったわ。
次回はもっと長くお休み取りたいな・・・(遠い目)

「ドバイに帰るの?」と聞かれたので「乗り継いで日本まで」と答えます。
CAからそんな風に話しかけられたのは初めてでした。
なので、一緒に写真を撮りました。



● ストックホルム-ドバイ便

今回も、このルートは空いており、隣は空席で楽でした。
同じ列にに5才弱のアラビアの少女が座っていて、黒目が大きくて人形のようなかわいさでした。
その子が寝るときに、横になって間の空席を使っていました。

近いようですが、やっぱり北欧からアラビアまでは遠く、15時に乗って、着いたときにはもう23時過ぎになっていました。
時差が2時間あるとはいえ、6時間くらいのフライトです。

● アラビアンナイト

真夜中のドバイ空港。静かですが24H動いています。
空港の中は暑く、南に来たなあと実感します。



トランジットの時間が4時間ありましたが、巨大な空港の中をターミナル移動していたら、飽きるほどの待ち時間はありませんでした。
隣の席にアラビア女性が座ったとたん、香水のきつさに驚きます。
たまらず席を立ち、空港内を散策しました。
真夜中で眠かったのですが、歩き始めると目も覚めてきます。



空港内には宮殿風の柱があり、パームツリーが生えていました。



うーん、アラビアンナイト。
モスクから流れるアザーンが今にも聞こえてきそうです。



伝統的な光景があるかと思うと、まばゆくゴージャスな光景も。
さすがは石油王の国ですね。



ブルカ姿の女性。シルエットがすてき。

● サマーリゾート帰り

ここからは東京行きに乗るので、フライトゲートには続々と日本人が集まってきます。
久しぶりに、アジア人集団の中に入りました。
みんな、ゆるいサマーリゾート服姿。ほとんどがドバイで過ごした人たちのようです。
浮き輪を持っていてもおかしくない、ビーチな格好の人々に囲まれて「私は北国スウェーデン帰り。フリース持ってるよー」と言ってみたくなります。

日本便は帰りも満席。
通路側に座りましたが、窓際のカップルは9時間半のフライト中、2人とも一度も席を立ちませんでした。
(大丈夫かな、エコノミー症候群になっちゃう)と、私の方が気になりました。



エミネーツは星空天井もいいし、トイレも清潔でいいデザイン。特に問題はありません。
ヨーロッパに行く時にはちょっと遠いですが、英語も通じるし(ここ大切ネ、涙)、アエロより断然こっち!
液晶画面を操作するとコックピットからの光景も見られるようになっており、機内にいても外の様子がわかります。
着陸の時には、機体が徐々に広大な関東平野に近づいていったかと思うと、じきにまっすぐ前方に滑走路が見えてきました。
その臨場感と美しさに感動。
パイロットはなんじゃらかんじゃらという、かけらも覚えられない長いアラブ名前の人で、とても上手な操縦でした。


機内食1

帰りはトランクを機内持ち込み。ペッパーコッカー(ショウガクッキー)が割れないかと気になって。
軽いし、北欧帰りなのに荷物は本当にこれだけかと我ながら不思議に思います。


機内食2

行きには映画を観る気にならず、ずっと音楽しか聴けなかったのは、旅の行程が気になっていたからじゃないかと思います。
フライトも残り2時間になった辺りで、ようやく映画を観ようという気になり「本能寺ホテル」を鑑賞しました。
何度も笑って泣きました。


星ふるエミネーツ

● 夏に逆戻り

保安検査場で検査官に「出発地はドバイでしたか?」と聞かれて「いえ、ストックホルムです」と答えたら、いち呼吸おいて「寒かったですか?」と聞かれました。
「ええ、コートが手放せませんでした」
検査官と、日本人らしからぬ気さくな会話ができました。

日本に戻ると、忘れていた蒸し暑さが戻ってきます。
半袖Tシャツの人も多く、私も上着を脱ぎます。
長い間飛行機に乗ってきて、身体がなまっているため、すぐにはリムジンバスに乗らずに、さっそく空港でフィーカタイム。
北欧スタイルでリフレッシュしてから帰りました。



● epilogue

美しいあこがれの地、スウェーデン。
ただ実際に住むとなると、なかなかシビアなところもある国でした。
日本と比べて一長一短というところでしょうか。
リョコちゃんは、滞在中何度も「住めば都というから」と繰り返していました。
この世にパラダイスはありません。
それでも、北欧文化はすてきですけれどね。

今度スウェーデンで大々的に選挙が行われるそうですが、日本では全くニュースになりません。
彼女は日本人の義務として、きちんと在外選挙の投票に行っているそうです。
前にストックホルムの投票所に行った時に『君で10人目』と言われたそうなので、ほかにも投票している在瑞日本人がいるのですね。

北欧は雰囲気が似ている国々で、ひとくくりにされることも多いのですが、聞けばそれぞれやっぱり違うお国事情。
今回、友に知られざるスウェーデンのことをいろいろと教えてもらって、とても興味がわきました。
自分でも、もう少し調べてみようと思います。

● 帰国後

今回の旅にあたり、同僚が私の乗るフライトナンバーを調べて「機体はエアバスA380!すごい!」と大興奮していました。
さっぱりわからない私に「世界最大級の2階建ての旅客機なんだよ!」と教えてくれます。
ほー、2階建てとな。風圧を受けないのかしら?(素人の心配)
新幹線が2階建てになった時にも、カルチャーショックを受けたものです。

休暇明けにその同僚に会うと「おかえりなさい。フライト番号を知ってたから、エアバスA380の行程をずっとweb上の画面で追ってたよー」とニコニコ。
「いまインドを越えたところ、とか、みんなで話していたんだ」
そんなお茶の間の話題をしていたのね。平和な職場です。
でもまあ、遠い日本から見守ってくれていたというのは心強いことです(!?)

「乗った感想を教えて」と言われて、うーんと考えます。
「見渡す限り、エコノミーだったよ」
そう、前の座席までずっとエコノミー。つまりファーストクラスとビジネスクラスは2階にあったようです。
確かに贅沢な飛行機でした。

● 追記(シナモンロールの日)

スウェーデン滞在中、お店に入ると「シナモンロールの日にちなんで20%オフ」など、不思議なセールをしていました。
「でもここ、陶器屋さんでしょ?シナモンロールと関係ないよね?」と笑っていましたが、スウェーデンではけっこう大きなイベントのようです。
デンマークでデニッシュが生まれたように、スウェーデンはシナモンロール発祥の地なんですって。
知らなかったわ。

そういえば『かもめ食堂』でも、おにぎりのほかにシナモンロールがメニューにありましたね。
あれはフィンランドの物語ですが、森が好きな人々とか毒キノコとかシナモンロールとか、スウェーデンとあまり変わらないアイテムが登場するので、読み返すと北欧での思い出に浸れます。

帰国した後の10/4に、シナモンロールの日がやってきました。
その日のリョコちゃんとのやりとりを、日記ブログの方に載せてあります。
「シナモンロールと名月」

ちょうどこの日、日本は中秋の名月だったんですよね。
地球のあっち側とこっち側で、それぞれ幸せなフィーカを過ごせました。

ゆったりと過ごすことを教わった、北欧での日々。
いつも心にフィーカの時間を持ちながら、過ごしていきたいです。




最新の画像もっと見る

post a comment