ringoのつぶやき

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転換点が近いときに投資家が準備することとは?(森田コラム)

2011年11月20日 18時28分09秒 | ケンミレコラム

NYダウが11月15日に12165ドル、昨日が11770ドルの134ドル安、ドイツが63ポイント安、フランスが54ポイント安、イタリアが220ポイント安と大幅に下落、これを受けた東京市場の日経平均は前引けで8367円の112円安となりました。

10月5日の8343円と3月15日の8227円という2つの下値抵抗ラインがありますが、今回の欧州危機に対してこのどちらかの下値抵抗ラインで止まるのか、それとも8000円を割り込むような急落相場になるのかということが、今の最大の注目ポイントです。つまり、転換点が8000円台なのか、それとも7000円台まで下がってから転換点になるのかが最大の注目点です。


株式市場を取り巻く環境がさらに厳しくなっています。

昨日の「森田のつぶやき」でも申し上げましたが、イタリアがターゲットになってからそれほど日数が経過していないにもかかわらず、既にフランスがターゲットになろうとしています。

フランス国債の格付け引き下げの予想に対して「フランス政府は非常に狼狽している」ことが昨日のコメントにも出ていましたが、EU第3位の経済大国イタリアに続いて、第2位のフランスまでがターゲットになっているわけですから、EUの存在自体が崩壊に向かっていると思います。

フランスは金融安定システム化基金について、以前ドイツに対して「銀行免許を与えて、ECBの保証で資金を集められるようにしよう」という提案を行い、ドイツが強力に反対して頓挫しましたが、昨日再びフランスの財務相が金融安定システム化基金に銀行免許を与えようという提案を行い、それに対してドイツのメルケル首相が「言下に否定する」というコメントを発表しました。

私は世界政治の素人ですが、ドイツが提案したEUは「ドイツのマルク高による輸出競争力の低下」を防ぐためであったと思いますが、今回ECBの債務が増加してEUが崩壊すれば、そのツケはドイツが払うことになるので「ドイツが最終的には現在の欧州共同体は崩壊してもよい」と考えているのではないかと思います。

既に、ドイツはEUの将来について「国を選別して編成しなおす」というような発言をしていますが、これはEUの解体と再構築を目指しているからではないかと思います。ドイツは「お金を払うのは嫌だが、為替のメリットを得たい」と思っていますので、なんらかの形でユーロを残したいと思っているのではないかと思います。

このドイツの考え方に対して、正面きって反対しているのはフランスですが、ドイツの腹の中が見えた段階ではEU全体がドイツに反旗を翻すと思いますので、ドイツの思惑通りには進まないと思います。ということは、EUで今後「大混乱が起こる」可能性があるということであり、大混乱が起これば「2回目の、しかも本格的な、資本主義崩壊の世界恐慌が起こる」かもしれません。

このような歴史的な環境の中で株式投資を行う場合に注意しなければいけないことは次のことです。

これまでのような「グロース投資」として認められている投資手法である「株価が上昇していても、企業業績がさらに上昇するから、高値を買ってもよい」という方法や「明日以降も上がるだろうから、株価は上がっているが買ってしまおう」という方法は厳禁になります。

この方法をとりますと「塩漬け銘柄」を作り「転換点で買う資金がない」というダブルパンチを受けます。つまり、今のような歴史的な環境では「割安株投資」に徹する以外の投資方法はとるべきではないといえます。


間違った割安株投資

割安株投資については、1997年からネットでケンミレが言い出したことですが、当時は「株式市場全体が下がるまで待つ」という方法は証券会社の手数料が挙がらない方法ですので、非常にマイナーな投資手法でした。それが、既に15年が経過し「割安株投資はスタンダードな投資手法」になりました。しかし、具体的に割安株投資の投資手法をチャートで見ますと「間違った割安株投資」をほとんどの投資家が行っています。


本当の割安株投資とは?

株式市場全体が大きく下がって、これから上昇に転換するタイミングで投資することが割安株投資であり、もうひとつは個別銘柄の株価が大きく下がって、これから上昇に転換するタイミングで投資することが割安株投資です。

しかし、チャートを見ていますと、株式市場が高値からある程度下がったところで「突然、出来高が増加」しています。これは昔にはなかったことですので、多くの人が割安株投資と押し目買い投資を間違えて使っているということになります。

その結果、大きく下がった後に大きく上昇するという常識が少し変わってきました。何が変わったかといいますと、下がった後に一旦出来高ができて、そこから再び下がりますので、底を打って上昇に転換しても、押し目買いで買った投資家からの「やれやれの売り」が出ますので、1回の上昇率が小さくなっています。

したがって、転換点投資の場合の銘柄選びの方法に「9項目チェック」以外に「もうひとつ、押し目買いが入った銘柄を除く」というチェックを追加しませんと「転換点投資で買ったとしても、大きな利益率を得ることが難しくなる」ことになります。


結論

途中でいろいろな話をしましたが、転換点と押し目買いを間違えて買いますと、相場環境が厳しいだけに「買った後に大きく下がる」というリスクが出てきますので、転換点は近いといえますが「慌てずに対応する」ことと、もうひとつ「転換点で買う銘柄を事前にピックアップする」という2つの準備が「今」必要になると思います。
 

レポート担当:ケンミレ株式情報 森田 謙一



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