金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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67:原田ひ香 『三人屋』

2020-04-01 20:48:28 | 20 本の感想
原田ひ香 『三人屋』 (実業之日本社文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

朝は三女・朝日の喫茶店、昼は次女・まひるの讃岐うどん屋、
夜は長女・夜月のスナック――

朝・昼・晩で業態がガラリと変わるその店は、通称「三人屋」。
やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、
出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、
女泣かせのスーパー店長など、ひと癖ある常連客たち。
三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!?
心とお腹にじんわりしみる、美味しい[人情×ごはん]エンタメ!

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「全然ほっこり系じゃない」という感想を見てから読んだので
わたしは何とも思わなかったけれど、
はやりの「ほっこり人情ごはんもの」を期待して読んだ人は
怒り出しそうな紹介文だな……。
そんなにごはんは重要じゃないしね。

登場人物はみな総じて好感度が低い。
自分勝手で、無責任。
ぎすぎすした場面、腹立たしい展開も多い。
個人的には、そういうところに
「ああ、現実ってこうだよな~」という腑に落ちた感じがあった。
その場のムードで適当な発言もするし、責任は取らないし、
「自分ばっかり」って思うし。
決して楽しい話ではないのに、「最初の1~2話だけ」と思って
読みはじめ、結局全部読んでしまった。
嫌いじゃない。

わたしは、兄弟姉妹との関係が親密ではなく、
「たまたま同じ親から生まれて一緒に過ごしていたが、
 嫌いじゃない代わりにたいして興味もない」
という感じなので、作中の姉妹の距離感はよくわかった。
むしろ、作中の姉妹のほうが距離が近いと思う。


コメント
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