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松本薫こと、「女子柔道金メダル王 野獣」が、現役引退決断するまでの、知られざる軌跡と驚きと苦悩。長年にわたって野獣を支えた、池田彩華という選手も、実は、この2月7日。引退をクチにせず、涙あふれさせた

2021-09-13 19:57:42 | 視聴者が知らない、五輪選手の素顔

  ≪ 2019・2・9 掲載記事 ≫

 ≪ 2019・10・29 追記掲載 ≫

 もし、良くも悪くも「野獣」という、キャッチフレーズと言うか、異名が、この女子柔道選手に付いてまわらなければ、例え金メダル獲得者といえども、事実上は、3か月前の、昨年11月8日の、1回戦、敗退直後に、すでに現役引退をにじませていた。

 なのに、すっかり色あせた想いと、決断を・・・・・2月7日にまで、実は、ある意図があって延ばしていた「現役引退公表 記者会見」が、これほどまでに、マスコミに、注目されたであろうか?

 確かに、2012年の、ロンドン五輪で、女子というより、日本の柔道種目出場全選手の中で、唯一メダルを獲った選手としてかすかに、印象が残っていたとはいえ、

 その名も、「野獣」という2文字を、庶民の中で、忘れていない人が比較的多かった? ということだろう。

  記者どころか、火事場泥棒のごとく、詰め掛けて、ことさらに、聞かれてもいないのに、社名だけでなく、番組名を声高にPRする、わいわいがやがやワイドショーのレポーターや、アナウンサーまで、押し寄せていたのだから。

 松本薫(かおり)が、働かずとも、「所属」という、肩書きの名称で、少なからず、金銭的支援を受けていた通販物販代理店組織会社の所在地は、大阪にあるのだが、マスコミの主要機関が、大阪より多くあることもあり、会見は、東京の会場に移して、2分遅れで始まった。

   実質、わずか17分で終えたのだが、思わず笑えて、面白かった会見。

 その主要部分は、すでに、スポーツ紙のネット記事などによって、一つ、二つ、表面化しているので、この記事を、あえて読もうと言う方は、知っている・・・・かも知れない。

 例えば、冒頭の挨拶。

 「本日は、お寒く無いなか、お集まりくださいまして」。

 東京としては、風は吹けども、気温が比較的高かった背景も有ったとはいえ、ドッと、取材陣に受けた。

 さながら、見事な、先制1本勝ち。

  質問に対する答えにも、

 ---これから、後輩の女子柔道部員を教えることは、考えていますか?

 「お告げ?」

 これまた、ドッと、記者団、爆笑。

 「教え」、と、「お告げ」の、聞き間違い?

 「アドバイスは、したいと思います」

 とはいえ、彼女らしい、珍妙な受け取り、頻発。

 「コア?」

 この単語は、彼女、知らなかったようだ。聞き間違いではなく、コアな答え求めた質問。

 で、いながら、

 ---第二の人生は?

 その答えに、すぐ声を出さず、「所属会社」スタッフに、「い・い・の?」のと、大きくクチを開けて聞き、仕込み済みの承諾サインをもらったとたん、ここぞとばかりに、元気よく、言った。

 「アイスクリーム、作ります!」

 またも、意表を突いた答えに、ドッと、会場、どよめく。

 そこからは、宣伝、まっしぐら。

 「2月12日、高田馬場にある、東京富士大学の構内で、開店します!」

 ははあ・・・・だから、この2月7日に、記者会見を設定したわけか!

 丸3か月も、延ばして。戦略的に、所属で、戴いている、金銭に代えて、か。

 開店5日前。早からず、遅からず。

 宣伝告知には、ベストな期日かも。

 この野獣、意外や、したたか。

 「お店の準備、急ピッチで進んでます!」

 そりゃあ、ま、そうでしょうけどさあ・・・・・。

  あらかじめ、想定して、準備していた、野獣手書きの看板まで掲げて

 「よろしく、お願いしま~す! 」「皆さん、来てくださいねえ」

 ポーズと、シナまで創って、あざとくPR。

 会見でも話していたが、もともと、パフェが好きなのは、ホントのこと。

   (帝京大学 女子柔道部 HPより)

 帝京大学の、女子柔道部員時代から、東京都八王子市にある、柔道の稽古場である「総合武道館」から、「女子柔道部合宿所」へ戻る毎日。

 休日ともなると、しばしば、新宿駅に近い「新宿高野」に、部員と連れだって入り、さまざまなパフェを、クチに入れていたという。

 そこから、ホントに、「アイスクリーム」だけが好きになったか?と言うと、それは、かなり、疑問。

 とはいえ、そこは、「第二の人生」の皮きりから、商売、商売!

 オーナーでも、プロデューサーでもなく、看板野獣店員として、うわお~!と、ほえずに、店に顔出すようだが・・・・。

 その昔から、あまり、社会的に評判の良くない商法展開をしてきた、ココ。

 今回初めて、創業以来、お客と直接対面売買商法開始。ソレも、いままで、まったく手を染めたことの無い、アイスクリームか・・・・。

 その大学、軽~い、今ふうの女子大学生が多く見かけられ、まあ、そこそこ、春休み前の短期間までは、彼女たちが購入してくれるはず・・・・・でしょうが。

 さかえ通りという、飲食&商店街を抜けて、徒歩6分ほどの立地。私、知らない街では無いんで。

 そこは、ついでに店に立ち寄る客は、周辺に立つ大型賃貸マンションの住人母子。さらに通りの奥、数分先にある、「下落合図書館」に、向かう人ぐらいだけだが・・・・・。

 通販代理店組織の武家の商法のもと、「野獣」の知名度が、猛暑の夏の炎天下の前に、まずは、都内近辺で雪まで降った、この寒い冬から、三寒四温を経て、のどかな春から初夏に掛けて、どこまで持つか? 

 開店当初は、話題になるでしょうが、そのあとがねえ・・・・・。あとがない、になるかも?

 おいしさと、価格にもよるが、アイスクリームとはいえ、夏期に入れば、ソコの女子学生は、帰省し、アルバイトで来ない。

 世間は、そう、甘くは無いとみる。収支決算、赤字にならなければ、良い方。

 世の中までも、舐めて、もらっては、困る。

 ツイッターには、明らかに、またも意図的に「会長」ら、世間では無名の首脳陣を、異常に持ち上げているやらせ仕込が、並んでいて、あきれた。

 こんな戦略って・・・・・・・先が、思いやられる。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、先に記事で書いた当時から、2年以上、過ぎ去った。

  同じ松本という姓の男性と、長年つむいだ愛情を実らせて、結婚。

 ソコに至る、決定打!と言い換えて良い、「プロポーズ名言」は、すでに書いた。 

 そして、組み伏せられて、1本、取られ、1本、ねじ込まれた結果、出来ちゃった結婚で、この世に生を受けた女の子。

 なんと、その1か月後から、上記、帝京大学の武道館と想われる、青畳の上で、2億3000万円もの裏金で買ったから、決まった東京五輪へ、出場を公言して、マジに、稽古を始めていたのには、びっくらこいた。

 柔道着を着こんで、赤ん坊を大事に包んで、監督控え談話室とおぼしき部屋のソファに置いて、いつでも泣き声が聞こえるように、ドアを開けたまま、いざ青畳の上へ。

 だが、我が子を、気にして、気にしまくって、稽古に身が入っていないのは、見てて、明らかだった。

 そして、気付くと、監督控え談話室ならぬ、稽古のたびに借りる「授乳室」へ、飛んで行き

  この、授乳の模様と、心と集中力欠けた、稽古の、繰り返しの日々。

 そして・・・・・闘争心は、日々に薄れてゆき・・・・・・。

 野獣自身が、次第に、稽古で、驚いていく。

 稽古相手の、柔道着の襟(えり)を、強くつかみ、と同時に、グイッと、力強く、引き寄せられなくなっていた。

 えっ?と、戸惑っているさなかに、足払いを掛けられて、倒れ、1本、安易に取られたり、絞め技を掛けられて、身動き取れなくなったり、

 襟つかまれて、いともカンタンに、感嘆してしまうほど、キレイに投げ技、決められたり・・・・・・

 寝技も、はずされて、優勢勝ちにさえ、持ちこめない。

 それも、メダル候補なんかじゃない。明らかに、実力差あったはずの、大学の後輩にだ。

 お前、じっと、観ていたんか?

 そう、観ていました。

 長期間、彼女を追った、ドキュメンタリー番組を。

 それ、ヘタなナレーション、あまり入れず、たんたんと、そのサマを、映し出していたから。

 そして・・・・・柔道場の隅で、へなへなと、しゃがみこむようにして、手の指や、足の指に巻きつけていたテーピングを、はずすようにして、「元・野獣」が、つぶやく。

 「自分でも、正直、驚いています。こんなに、出産している間に、体力が、落ちて、無くなっているなんて」

 「襟がね、柔道着の相手の襟が、きつく、しっかり、つかめなくなっているんですよ」

 「だから、相手に身をよじられて、カンタンにはずされる。足で、踏ん張れない。すぐ、息が上がる」

 「見ての通りですよ。こんなに、体力、そのものが、落ちていたなんて、自分でも、信じられなくって・・・」

 そう、言って、深いため息をつくばかりの、繰り返し。

 それでいながら、即席授乳室に戻るや、一転、優しい、母の顔に戻る。

 ホントに、観るもやさしい、まなざし。

 未来の母になるかも知れない、女子柔道部員たちが、そのまわりに、ワッと寄ってきて、

  「わあ、かわいい!」と、歓声を挙げる。

 もう・・・・・稽古、どころでは無い日々の、積み重ね、

 その模様を、たんたんと映し出してゆく。

 車を運転し、助手席に、大事そうに、我が子の女児を置き、自宅マンションに帰る。

 無くなった、失った、握力を戻すべく、器具を使って矯正し、強化し、スクワットを重ね、ともかく、信じられないほどに落ちた基礎体力を、元に戻すべく、頑張りながらも、赤ん坊を気にし、気にしまくって、目配りして。

 幸い、決して、姿、顔を映さぬ約束のダンナが、料理人なので、食事などは、お任せに頼らざるを得なかったものの、

 おいおい、おいおい。

 コレで、本当に、大会で勝ち上がり、東京五輪の、青畳の上に、立てるのかよ?

 到底、かなわない夢、幻になるだろうなあ・・・・・・観つつ、そう、その時点で、痛感していた。

 かといって、誰かさんのように、実母や、義母に子育てお任せして、東京五輪出場に向けて、頑張る・・・というような姿勢は、この、「元」になってしまった「野獣」は、絶対に、取らない。

 選手と、母の、両立を、目指した。

 だが・・・・・・2兎(と)を追う者は、1兎も得ず。

 そんなことわざが、ふわりと、浮かんでは、消えた。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 さまざまな大会を、欠場。

 狙いは、東京五輪への出場権を得るための大会に定めて・・・・というのは、表向き。

 出たら、強豪と組み合って、惨敗が、目に見えていたからと、言い切って良い。 

 もう、かつての強さは、失われていた。

 そして・・・・・昨年の、11月8日。

 「講道館杯 全日本体重別選手権」。絶壁に立たされた心境で、満を持して、出場する・・・・も 

  上からチカラなく、のしかかるだけで、押さえ込みに行くチカラも無く

  投げ技も、襟をつかんで、回転させるチカラも無く・・・・

 「技あり」をとられて、わずか、1回戦で、敗退、

 大きく、驚きを持って報じられていたのを見つつ、ソレに驚いていた。

 すでに、こうなる結果は、彼女は、わかっていたはずなのに・・・・と。

 だから、最期の勝負を終えて、顔を見せないようにして、女児を、掲げ、抱きしめて、母の顔に戻したまま、記者団の前に出て、引退を・・・・ほのめかし、匂わせた。

 この敗退で、以前の記事で書いた、全柔連から、毎月20万円振り込まれていた、「強化A指定選手」の指定も、即座にはずされ、0円に。

 「所属会社」からの金銭も、どうなるのかなあ・・・・・と想っていたら、この「アイスクリームの、売り子さん」の仕事で、減った20万円を稼ごうということになった。

 所属も、同時に、はずされていくのかも知れない。

 大阪へと電話して、詳細を聞こうとしたら、さっそく、先のツイッターで、電話が混んで、つながらないとの声。

 先の記事で書いた、指導者への道。

 監督は、いるうえ、松本が、2月7日付けで、正式に引退。

 松本が来て、女子柔道部を新設したものの、引退によって、残る部員は、たったの2人。この先、個人戦には出られても、実業団などの団体戦には、出られなくなってしまった。

 おそらく・・・・引退を「公式」に発表するまでの3か月間の「所属名義給与」は、もらい続けていたと聞く。

 そして、単なる職員として、「販売店員」に、転職。

 ソレが、第二の人生として「天職」になるか、どうか?

 その苦闘、苦悩の日々を振り返って、会見で、比較的、正直に話していたように想う。

 「トレーニングしないことが、こんなにラクなんだと」

 柔道よりも、子育てが、第一だった、と。優先事項、だったとのこと。

 「11月の負けで、オリンピックは、むずかしいな、と」

 「闘争心が、少しずつ、無くなっていった」

 「ああ、もう、勝ちたくないなあ、と」

 「勝負師としての心が、まったく、無くなっていたなあ、と」

 「野獣を創るの、ものすごく大変で、むずかしかった」

 「悔いは、無いです」

 「自分のは、教育柔道だった。柔道、好きでなかったんだ」

 「わたしにとっては、夢や、目標だった」

 「東京五輪には、出られないんだあ。出て見たかったなあ・・・という、程度」

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 そして、この2月7日。同じ日をもって、柔道部から引退をした選手が、実はいた。

 ニュースで、キチンと、顔が確認出来るほど、映されていた記憶は、無い。

    (中継動画映像より)

 この左側のスーツ姿の女性が、そのひと。

 この大きな造花のような花束を、会社側からの贈呈役目として、松本に渡す。ま、セレモニー。ミエミエの、儀礼的セレモニー。

 で。このスポンサー名やら記載された看板の裏に、松本が、一度引っ込み、数秒後。

 再び、さっき贈呈された、おんなじ花束を、この女性に、逆贈呈。余計なカネ掛けない、セレモニー。

   ( 生中継画像より)

 会見の際に、トレーニングパートナーで、イケダアヤカさんという人がいて、、長い間苦しいのに、これまでつきあってくださって、感謝しております、ということを話していた。

 そのクチにしていた人が、この「池田彩華」だった。

 ソレは、調べて分かったこと。

  というのも、彼女が、思わず、あふれた涙をぬぐった瞬間が、どうにも、気になっていた。

 確かに、会見で、現役正式引退の時に、わざわざ、感謝の一言を言ってくださった・・・・という嬉しい想いが残っていた、にせよだ。

 で、気になると・・・・眠れないことはないが、どうにも、寝にくい。

  (柔道部HPより)

 それで、単なる「トレーニングパートナー」としてだけではなく、池田彩華も、かつて、将来を嘱望(しょくぼう)された、柔道選手だったことが、判明。

  性格は明るく、チームの雰囲気を、いつも良くしていたという評価。

 帝京大学に入学し、この「野獣」の後輩として、稽古を積み重ねてきた。

  ある記載事項には、帝京大学時代に、ケガをしばしばして、戦績、苦難の道を歩んだ・・・・らしい、と。

 それでも、2011年。「東京都女子柔道 体重別選手権大会」に出場し、57kg級で優勝を飾っている。

 2015年8月28日、「全日本実業団 個人選手権大会」では、63kg級で出場したものの、1回戦で、大内刈りを喰らい、敗退。

  2016年には、松本の故郷、石川県金沢市で行われた「金沢マラソン」に、揃って2人で出場し、市民の歓声を浴びた。

 次いで、昨年の2018年6月20日。

 「野獣」が、久々に大会に出るとあって、マスコミの注目を浴びた、「全日本実業団 柔道団体対抗大会」に、松本と出た。

 シードで、1回戦は免除。

 2回戦や3回戦で、チカラの墜ちたとはいえ、松本は勝ったものの、この池田彩華は、大将として出たが、2回戦で敗退。

 大将は、3回戦から、別の選手に代わった。

 松本を支え続けた池田彩華もまた、自分の選手としての限界を、自覚、痛感するしかなかった・・・・のでは、なかろうか。自分の役目、役割も、終えた・・・・と。

  そして・・・・松本薫が、正式に現役引退を告げた、その同じときに、池田彩華もまた、「現役引退」を、公けにクチにすることもなく、表舞台から、涙をぬぐって、別れを告げた。

 ひっそり、と・・・・・・。

 取材さえ、したことの無い、柔道選手ではあるけれど、「長い間、本当に、お疲れ様でした」と、言い添えたい。

 少なくとも、ロンドン五輪で、「野獣」と化した、松本薫の金メダル、続く「リオ五輪」で銅メダル獲得は、池田彩華の存在なしでは、あり得なかったであろうと、思われるから・・・・・・

 

 

 



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