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「うぬぼれの強いひきがえる」『スペイン民話集(エスピノーサ篇)』(第71話):ヒキガエルはなぜ平たくて、醜い姿か?車にひかれてヒキガエルはペチャンコになったが、神様が生き返らせたから!

2024-06-18 18:49:57 | 日記
(1)昔、ヒキガエルは「とってもいい男」だった。女房は(普通の)カエルだった。女房のカエルは妊娠していた。二匹が山を歩いていた。妊娠した女房カエルが大きな体のヒキガエルと歩いているので、動物たちが笑った。ヒキガエルは、道を車がきしみ音を立てながらやって来るのを見て、動物たちに言った。「僕はいい男だけでなく、力もあるんだ。みんな見ていろ、僕が車をひっくりかえしてやる!」
(2)ヒキガエルは車が通る道の凹みに行って体を膨らませ始めた。そこを車が通ったのでヒキガエルはペチャンコになって死んだ。神様がヒキガエルをかわいそうに思われて、生き返らせることにされた。しかしその体はいつまでも「平たくて醜い姿」になってしまった。

《感想1》「大きな体のヒキガエル」が「普通の小さなカエル」を女房にすると、動物たちに笑われる。「美女」と「野獣」のような話だ。しかも女房は「妊娠」している。
《感想2》「釣り合わぬは不縁のもと」という諺に似る。「身分や財産などの釣り合いが取れない男女の結婚は、うまくいかなくなることが多い」!
《感想3》ヒキガエルとカエルの結婚は「異類婚姻譚」(Ex. 鶴と人間の結婚)のようなものだ。
《感想4》「ヒキガエルは車が通る道の凹みに行って体を膨らませた」のだが、ヒキガエルは「自信過剰」であると同時に、「非常識」・「阿呆」だ。車に引かれたら「ペチャンコになって死ぬ」のが道理だ。
《感想5》この話は、ヒキガエルがなぜ「平たくて醜い姿」であるかの起源譚だ。
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