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映画『マレフィセント2』(2019年、アメリカ):魔女マレフィセントは、独裁的で全能的な魔力を持つにもかかわらず、この上なく寛容だ!

2019-10-29 19:58:50 | 日記
※原題“Maleficent: Mistress of Evil”

(1)
妖精の国と人間の国の戦争と和解の物語。妖精の国のオーロラ姫と人間の国のフィリップ皇子が結婚を望み、また両国の平和な関係を望む。姫のゴッドマザーである魔女マレフィセントは、人間を疑い信用しない。彼女の気持ちは戦争と平和の間を揺れる。
(2)
人間の国では、皇子の母イングリス王妃が、妖精の国絶滅戦争を計画する。王妃は妖精を憎む。幼少期に妖精の国との戦争で恐怖の体験をしたからだ。これに対し国王は平和を望む。かくて王妃は国王を殺し、妖精の国との戦争を陰謀・計画する。
(3)
妖精の国でも、戦争派と平和派が対立する。平和派リーダーの妖精がイングリス王妃に殺され、戦争派リーダーが主導権を握る。こうして人間の国と妖精の国は全面戦争に突入する。
(4)
戦争の中で、魔女マレフィセントは、イングリス王妃を追い詰めるが、殺さず王妃と和解しようとする。ところが気を許し油断したマレフィセントを、イングリス王妃がだまし討ちによって殺す。かくてイングリス王妃は、人間の国の大勝利と、妖精の大量殺戮に高笑いする。
(5)
だが魔女マレフィセントは、不死だった。彼女は死から蘇る。王妃の裏切りへの怒りは頂点に達し、マレフィセントは、全能の凶暴な力で人間の兵士たちを攻撃し殺し、人間の国の城の破壊を開始する。
(6)
この時、オーロラ姫が、ゴッドマザーの魔女マレフィセントに「怒りを鎮めてほしい」、「人間の国と妖精の国が和解してほしい」と真底から訴える。両国の和解のみが、オーロラ姫とフィリップ皇子との結婚を可能にする。
(6)-2
魔女マレフィセントは、オーロラ姫への愛を大切に思い、人間の国と妖精の国の和解に同意する。
(6)-3
魔女マレフィセントの持つ魔力は全能だ。彼女は死んだ国王、死んだ人間の兵士たち、死んだ妖精たちをすべて生き返らせ、また破壊された城を復元する。人間の国と妖精の国は、戦争以前の美しい状態にもどる。妖精の国のオーロラ姫と人間の国のフィリップ皇子が結婚し、両国は平和のうちに統一される。
(6)-4
妖精の国への敵意に満ち、絶滅戦争を開始したイングリス王妃は、魔女マレフィセントの魔法によって無害なヤギに変身させられる。(マレフィセントは寛容だ!)

《感想1》国家間の対立がある時、それぞれの国の内部に戦争派と平和派が生まれる。戦争派は、最終的に、敵国人の奴隷化、または絶滅を目指す。例えばヒトラーは、ナチス・ドイツの世界支配、スラブ民族の奴隷化、ユダヤ人の絶滅を目指した。
《感想2》かつて米ソ冷戦は、ソ連邦の崩壊で終わった。その時、ソ連国民の奴隷化、絶滅はなかった。米国側陣営は、その限りで極めて寛容だった。民主主義が理念だったからだ。独裁国家と違い、民主主義国家は、寛容である。
《感想3》魔女マレフィセントは、独裁的で全能的な魔力を持つにもかかわらず、この上なく寛容だ。まるで民主主義的独裁者、啓蒙専制君主のようだ。


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