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セザンヌ「キューピッドの石膏像のある静物」は不思議な絵だ! 『コートールド美術館展 魅惑の印象派』東京都美術館(2019/10/02)

2019-10-06 08:21:19 | 日記
ロンドンにあるコートールド美術館のコレクションの展示だ。

セザンヌ「キューピッドの石膏像のある静物」(1894頃)は不思議な絵だ。
(1)
空間が歪んでいる。空間のゆがみと錯綜。①キューピッドの向う側の板が床に対し垂直なはずなのに傾いている。②床が平らでなく変形している。③左下で、床、キューピッドを乗せたテーブル、暗色のクロースの位置関係が極めて曖昧だ。床なのか、大きな台なのか、区別がつかない。キューピッドを乗せたテーブル面と床面が同一にも見える。④暗色のクロースは宙に浮いている。⑤右上部の床上の果物が遠くにあるのに大きい。しかも傾いた床を重力でころがってきそうだ。
(2)
床、立板、手前の台の直線に対し、キューピッド、果物、クロースは曲線だ。直線と曲線の対比。その対比が、歪んだ空間によって強調される。
(3)
画面右上は、しゃがんだ人間(男or女)の彫刻が台の上に載っているのか、あるいは彫刻を描いた絵なのか、判然としない。
(4)
動きのない静物と対比させられて、キューピッドの石膏像(またしゃがんだ人間の彫刻)のバロック風の動きが、強調される。

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