DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

君は空想になる!あるいは君は想念になる!

2018-07-09 22:15:29 | 日記
(1)
心が壊れてしまった。一年中、いらいらしている。
(2)
沈黙しよう。君は石になる。
(3)
いやだいやだ。思い出すのはいやなことばかり。周りはいやな奴ばかり。希望はない。
(4)
つまらない君の自尊心。面倒くさい君の欲望。
(5)
君はイデアになりたい。この世でない世界に住みたい。肉体はいらない。きみは形も重さもなく見えない魂になる。君は空想になる。あるいは君は想念になる。
(6)
君は形あるものが嫌いだ。形ないものだけが、君をほっとさせる。面倒くさい肉体は嫌いだ。
(7)
君は習慣の束だ。受精卵として君の宇宙が始まって、君は繰り返される体験・経験の蓄積、つまり習慣の束として、君になった。何という偶然、同時に何という必然!全く、イヤだイヤだ。君は偶然なのに必然だ。困ったものだ。
(8)
君は消えてしまってもよかったのだ。ところが君において宇宙が現れることとなった。(偶然性)
(9)
ところが宇宙は、君の宇宙だ。君は絶対であり、誰も君になれない。(必然性)あーあ、全く面倒なことだ。総体としての宇宙(複数の宇宙の総体)はそのようにできているのだ。
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室生犀星(1989-1962)「あさきよめ(※朝浄め)」(1959年、70歳):朝の掃除、住まいを清めることとは、心の居住まいを正すことつまり《朝の決意》だ!

2018-07-09 22:13:24 | 日記
 「あさきよめ」 "Cleaning in the morning"

悔のない一日をおくることも If I can live a day of mine with no rgret,
容易ならざる光栄である。 I narrowly recieve glory.
時間一杯に多くのものを読み、 Using my limited time efficiently, I read many books,
何かを心に書きつらね、 write something a lot on your mind.
少しもたるみなくけふを暮さうと、 and live this day as earnest as I can.
身がまへてはゐるけれど、 I am ready to live in such a way.
鈍間(ノロマ)な生涯がのろのろと、 However I live slowly a silly life
山また山の彼方に続いてゐる。 that extends far away beyond mountains.

山のあなたに幸ひ住むと、 Happiness lives beyond mountains.
むかしの詩人はうたつたけれど、 Long ago, a poet wrote such a poem.
山の向ふも山ばかりが聾(ソビ)え、 However beyond mountains, only mountains also rise up,
果(ハテ)には波打つ海があるだけだ。 and at the end there is the wavy sea alone.
なにごとも為(ナ)しえなかつたごとく、 It seems that I could not achive anything,
為しえなかつたために、 and I really could not achieve anything.
見極めがつくまで生きねばならない。 Therefore I have to live till I grasp what I am.
街のむかふも街だらけ、 Beyond a town, there are only towns all around
果には山があるだけだ、 and at the end, there are mountains alone.
幸福なんぞあるかないかも判(ワカ)らないが、 It is doubtful whether there is happiness or not,
生きて生き抜かなければならないことだけは確かだ。 but it is certain that I must live and continue to live through.

《感想1》
この詩人は、私生児として生まれ、僧侶の養子とされた。12歳で裁判所の給仕となり、働きなが文学を志す。萩原朔太郎の知遇を得て、1918年(29歳)処女詩集を刊行。この詩人は苦労人だ。
《感想2》
「悔のない一日をおくることも/容易ならざる光栄である。」まことにその通りだ。詩人は、すでに70歳。その彼が、前向きだ。尊敬に値する。彼は先を見る。「鈍間(ノロマ)な生涯」であり、「のろのろと」であれ、彼は自分の進み行く前方を見る。元気だ。
《感想3》
70歳の詩人は、毎日、「多くのものを読み、何かを心に書きつらね」る。つまりこれは、彼にとっては、仕事を続けることだ。彼は引退しない。《生涯現役》あるいは《24時間働く》精神の人だ。そして「少しもたるみなくけふを暮さうと、身がまへてはゐる」と言う彼は、そうするのが、楽しいのだ。マメな人だ。
《感想4》
確かに「山のあなたに幸ひ住む」かどうか、不明だ。この詩人は文壇で成功したのだから、《勝ち組》だ。だが彼の目標は高い。あるいは彼は、生きる意味を探す。「幸い」とは、①経済的にともかく生計が経つこと、②人並みに暮らせること、③人生に意味を見いだせること、④目標を達成できることの四つだ。詩人は①②は達成したから、今求めるのは、③人生の意味と④目標の達成だ。
《感想5》
「山の向ふも山ばかりが聾(ソビ)え、果(ハテ)には波打つ海があるだけだ」との言明は、70歳の老人の《人生一般に対する感情》でもある。人生は困難な道だ。容易に「幸福」には、たどり着かない。《憂き世》だ。
《感想6》
詩人は、昔風に言えば、《日暮れて道遠し》と思う。「なにごとも為(ナ)しえなかつた」。
《感想7》
人生は困難な道だ。「街のむかふも街だらけ」、「果には山があるだけ」、「幸福なんぞあるかないかも判(ワカ)らない」。だが詩人は、あきらめない。根性の人だ。「見極めがつくまで生きねばならない」。「生きて生き抜かなければならない」。
《感想7-2》
これは、他面では、《この世への未練》あるいは《死後の存念》でもある。
《感想8》
「あさきよめ」とは、朝の掃除、住まいを清めること。ここでは心の居住まいを正すこと。つまり《朝の決意》だ。
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