鈴木大拙師は浄土真宗の篤心の信者さんである妙好人を
広く世に知らしめた人でもあります。
特に師の晩年は、妙好人の研究に没頭しておられました。
大拙師と妙好人森ヒナさんとの話。
ヒナさん
『わが機、ながめりや、あいそもつきる、わがみながらも、いやになる。
ああ、はづかしや、なむあみだぶつ』
『いやになるやうな、ざまたれ、ばばに、ついてはなれぬ、おやござる。
ああ、ありがたい、なむあみだぶつ』
大拙師
「わが身ながらもいやになると書いてあるが、これあんたの煩悩やろ。この煩悩、半分わしに分けてくれんか?」
ヒナさん
「いや、あげられん」
大拙師
「なんでや?あいそもつきるような煩悩なら分けてくれんか?」
ヒナさん
「いや、これは分けられん」
「この煩悩あればこそ、この煩悩照らされて(如来さんというはたらきに)であえたんや」
大拙師
「そうやったな、儂もおばあちゃんの二倍も三倍も煩悩もっとるさかい、お互い、この煩悩大切に生きていこうな」
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※妙好人浅原才市さんも「煩悩は喜びの種…南無阿弥陀仏」と言っておられた。