King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

パシヴァとレシヴァ

2009年07月05日 23時10分57秒 | 読書
昨日の久米宏のラジオなんですけどで
『1Q84』に触れていました。
『ノルウェイの森』の朗読から始まり、そして
ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』をかけて
『1Q84』も朗読しました。

久米さんは、まだ下巻の半分くらいだといっていました。
ずるいんだよ、サスペンスとラブロマンスとその
二本立てでくるんだよと楽しそうに話していました。

ネットの読書感想でもいつものことながら、何の
ためにもならないようなものばかりです。

読み終わりました。よかったです。

今回も堪能しました。

何を堪能したのか言ってみてくれよ。

何か感動させてくれることが書いてあったのか。

お前はその本で人生が変わるくらい何か考えた
のか。

まあ、ネットなんてこんなもんですよ。

それに、一番最初に読んだ活字の書評もこれだけ
売れている本にけちをつけるだけの勇気のあるものはなく、
敵を作りたくないのか痛烈な批評なんて最近はお目に
かかれないのです。

私が一番最初に読んだのは日経新聞ででした。
私は、上巻の終わりの方だったでしょうか。
まだ売れている最中にその結末とその結果得られるである
物についてズバッと触れていました。

これはある意味、読む価値があるかという意味にも
とれるものですし、日本でこれを読まないと世の中
についていけないとも取れるような内容だったと思います。

でもそんなどうでもいい書評が今の時期必要なのか。

私は異例の今回の売り出し方と実際の売れ方。

これは、前回のカフカでネットで実況中継のような売り出し
方をして、最近の注目のされ方や現実の行動がニュースに出た
ことで、計画されたものだと思います。

全てを謎にして読者の渇望をあおり、最初は売り切れですと
言う演出で余計世間の焦りをあつめ、それを宣伝としてがっと
山盛り店頭に乗っけて売りに売ったということでしょう。

書店は久々に売れたヒットをいつまでも続けたいでしょうし、
関連した出来事を仕掛けとしてブームを演出したいところでしょう。

カフカの時のようにあまり知られていないクラッシックの
曲を物語のキーのように使い、そのCDも売れてしまうという
ニュースをマスコミが流し、ブームをあおりましたが、
今回はカフカほど曲に興味がわくような使われ方はしていなくて
いかにもブーム演出の臭いがします。

それに、物語が年代的に日本が一番元気だったころの話なのに
それが伝わらないで、その時の暗いものばかりを集めている
のもなぜ84年なんだ、何の意味があるんだとなります。

仕事人のような殺し屋や、塾講師で小説家の卵のモラトリアム
人間、高校生芥川賞候補者、農園のような共同体、セクト争い
で仲間を殺してしまう過激派などなど、みんな聞いたことの
ある出来事ばかりであり、手垢にまみれたテーマのようにも
感じます。

こんな本が何でこれだけ読まれるんだろう。

これがまず浮かぶ疑問ではないでしょうか。

ひとつには久米さんも言っていたサスペンスであり、過去
実際起きたような事件や団体を扱っていただけに、どこからクレームが
飛び込んでもおかしくないような物語がどう転んでいくのか、
そんな期待も持たせるからでしょう。

実は、私は後数ページを残すところですが、これを読まずに
とってあります。
それは、いくつか事情が重なったのですが、久米さんのラジオ
でひとまず触れておきたくなったのと、タイトルのパシヴァと
レシヴァの意味が解ってしまったからつい書いてしまったのです。

またちゃんと読み終わって色々書きたいですが、まずはここまで。

コメント
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