ぽっぽ

日々の俳句を綴っていきます、ぽっぽのページです。

日向ぼこ いつしか似会う 祖母になり

2007年12月17日 | Weblog
今年もあと2週間ばかりになり、気持ちばかりが忙しく落ち着かぬ日の朝、「会わない?」仲良しのTさんから誘いがかかりました。待ってましたとばかり、名古屋高島屋まえで落合い、気にかかっていた映画「4分間のピアニスト」(栄の名画小劇場)を見てきました。
無実の罪で囚われた天才ピアニストが、自分を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出していくと言うドラマですが、彼女に残された時間は、たった4分間。自由をつかむための4分間のラストコンサートは、想像もつかぬ激しいもので、彼女の内からの叫びのように聞こえ、本当に感動的でした。ぜひお勧めのドイツ映画です。映画は見始めると、」ずっとみたくなり「ある愛の風景」「エンジェル」「ゼロ時間の謎」「やわらかな手」など見たい映画がずっと続きます。そのあと軽い食事をして、デパートをブラブラしていると、もうわたしの自由な時間は少なく「サヨナラ!」電車にかけこみましたが、とってもリフレッシュできた一日でした。そしてなにより年明けは「ウインナーワルツコンサート」(名古屋芸術劇場)のチケットがゲットできました。今年も無事に暮れようとしています。

熱燗で 旅の続きを 語りをり

2007年12月10日 | Weblog
今月初めての、地域のお年寄りの集い「XX会」に今回も元気に義母は参加しました。本当はお年寄りばかりでなく、一人暮らしの人、子育てで忙しい人、仲間を作りたい人たちを応援するグループとして、町内に出来、健康体操や時には落語を聞いたり、カラオケや卓球など係りの人たちが色々工夫してもらい、出るのを躊躇していた義母も近頃は、予定日を楽しみにするようになり、よろこんででかけましたが、昨夜は一枚の書類をもらって帰ってきました。

「XXさんが皆に配られた、あまり深く考えず、サインして家の人に渡せといわれた。」と言って、見せられた書類には「尊厳死依頼書」でした。

義母に、これほどの信念があり、頼まれて初めてその意思を尊重するべきもので、老人の楽しい会のおりに皆に配られるその風景に、なんか寒々としたものを感じたのは自分と連れ合いだけでしょうか?
おそらく、会の役員さんであるその人は、強い信念を持ち、「尊厳死協会」に入って見える人だと思います。そして長い苦しみの中で自分の意思でなく、生かされる苦しみよりもと選択されたのでしょうが、それなら、このテーマでじっくり皆に話を聞かせてもらってからでいいのではないだろうか?

ましてここは老人ばかりでなく、誰でも参加できる場所、年齢もそれぞれ違ってくるわけで、、、。

なんとも納得のいかぬ出来事でした。

顔見世や ひいき役者の 一幕見

2007年12月09日 | Weblog
三重のローカル誌「NAGI凪」の30号に、私の実家であり、いまは廃業した菓子屋「栄昇軒」の戦前のラベル「鈴の戸」が載っていて、驚いたことは記しましたが、どうしても本物のラベルが見られないかと本の発行所「月兎舎」に思いを投書しましたが、最近連絡があり、新しく31号が発行された知らせと、その中の「読者のページ」に自分の文面を載せた断りがかいてあり、もう発行されているというので、すぐ買い求めてみてみました。
何より残念だったのは、30号へ記載のラベルは津にお住まいの故S氏の甥御さんに借りて、のせたもので、その方もこの8月に亡くなられたというコメントが付いていたことです。

今にない手書きのもの、版画調の物など到底今ではみることのできない味わい深いラベルやマッチの数々、機会があれば、蒐集された物すべて続編で見られたらと期待していましたが、非常に残念です。

あと、この蒐集を家族の方が興味をもち、大切に保存してもらえるよう、そしてまた見る機会を作ってもらえるよういのるのみです。

そういう私も、この菓子屋をやっていた祖父、父が同じように多色刷りの「てぬぐい」をいっぱい集めていて、自分の小さい頃近くの銀行の依頼で展示会があったのを、ふとおもいだし、(それもどこかに消えてなくなりましたが)それが今、東京にいた頃から浅草「ふじや」ほかいろんな処に行くと集めだし、季節ごとに、絵を飾るごとく、とりかえてたのしむきっかけになっています。

休館の 日だけ掃かるる 散紅葉

2007年12月01日 | Weblog
東京から帰ってから、風邪を引いてしまい嘔吐と下痢、そして熱で苦しみましたが、遊び好きな私のこと、27日にはケロッとしていて、一寸恥ずかしかったけど、われわれ夫婦と豊橋のN夫婦で1泊2日の東紀州の旅に出発しました。

近場と言うこともあり、豊橋組は長島温泉にあるジャズドリームでお買い物を、私たちは10時過ぎ、のんびりと道の駅をのぞいたりしながら、まず大紀町にある「瀧原宮」を参拝しました。宮川をさかのぼること40キロその支流大内山川が深い渓谷をなしてながれる山間にあります。皇大神宮の別宮ということで、祭神は天照坐皇大御神です。後ろに山をひかえうっそうと茂る杉の大森林から、燃えるような紅葉が美しすぎて、しばらくこの景色にみとれてしまいました。

そのあと今回の宿「美鈴」へ。
全国のグルメが密かに訪れると聞いていた割烹民宿で、以前から、娘Sにすすめられていましたが、たまたま雑誌「百楽」10月号でみつけた豊橋のN夫婦からのでんわで、即決念願がかないました。
まあご主人の料理へのこだわりはそうとうなもので、秋の数週間は行楽シーズンにもかかわらず宿を閉めて自家製の「からすみ」の仕込みに没頭するほどだそうで、決まりにこだわらずご主人がおいしいと感じるものだけを出すと言うだけあって、珍味も多く、ヤドカリのおつくりや、ボラのへそなどはじめてくちにするものばかりでした。そして何より昨年の「からすみ」今年の「からすみ」と贅沢に味比べをさせてもらったのもはじめてでした。

その日は私たち2組だけの客だったので、ご主人もビールを持参で仲間に加わり、あげくは明日出かける、スーツにあうネクタイ選びまでさせられたのは、笑えました。民宿ときいていましたが、玄関の格子戸をカラリとあけて、館内に一歩足を踏み入れると、そこは異空間、木の香がする純和風数奇屋つくりの玄関屋敷、スリッパなどありません。そして売店やカラオケなどの設備は一切省き、客室は完全予約制で1日4組まで、とことんグレードを高めたと言う趣でした。ぜひもう一度いってみたいやどの一つになりました。

心地よく翌日眼を覚ませば、朝食に磯汁これもとってもおいしかったのでつけくわえておきます。

朝10時「美鈴」のあたたかい見送りで熊野へ。
娘Sの長年通っている熊野にいくのは本当に初めてで、また厚かましく娘のお世話になっている熊野市役所のKさんに声をかけたところ、お忙しいのに午前中付き合ってくださり、中身の濃い観光をさせてもらいました。娘の調査地、「徐福伝説」の徐福の宮、丸山千枚田、松本峠から見た七里御浜、鬼ヶ城、丁寧に説明してもらい、きけば我々と高校の先輩後輩の間柄、ますますうれしくなりすっかりあまえてしまった半日でした。

御多忙のSさんと午前中にお別れしてあとは「浜峯」さんでおいしい干物を買って夕刻帰路につきました。
ああ、近いうちもう一度ゆっくり熊野をまわってみたいものです。