ぽっぽ

日々の俳句を綴っていきます、ぽっぽのページです。

花卯木 母に明日は 何話なそ

2010年05月30日 | Weblog
久しぶりに良い映画を観ました。

「春との旅」です。北海道から東北、宮城と一人の老人が孫娘を連れて、疎遠になっている親類縁者の元を訪ねる旅のお話なのですが、監督は国際映画祭で多くの受賞歴を持つ小林正広、そして主演は仲代達矢、孫娘には徳永エリ、この人はしりませんでした。
そして大滝秀治、菅井きん、小林薫、田中裕子、淡島千景、柄本 明、美穂 純といったそうそうたるメンバーが脇をかためます。
主演の仲代達矢が「いままで出演してきた150本ほどの作品の中で5本の指に入る作品」と書いていますが、本当に小津安二郎の「東京物語」を何故か思い出す、しみじみとした良い映画でした。
誰にも訪れる人生の転機を捉え、生きることのすばらしさ、人は寄り添って生きていくんだよと話しかけられたようで、本当に胸にしみました。

名古屋錦通「名演小劇場」でやっています。ぜひ! 電話052-931-1741
ちなみに、ここは地味ですがとっても良い映画が上映されます。

 柝のキザミ 心に残し 春は往く

2010年05月19日 | Weblog
歌舞伎座の閉場式から、早いもので明日で20日になる。

つれあいの退職で、ふるさとの三重に戻ってからは歌舞伎を見る機会もすっかり減ってしまい、もっぱらテレビで楽しむだけになってしまったが考えてみると、なんと東京での生活は特に文化は贅沢だったのだろう。

馬込に住んでいたので、銀座線で20分あっという間に東銀座に出ることができた。
そして歌舞伎も立ち見席は千円で見られるので、本当に良い演目がかかるとすぐでかけてみたものだ。
おのぼりさんまるだしで、海老蔵襲名の「にらみ」はなんと4回も通って笑われたりした。

テレビの話になるが、先日「勘三郎一家」の2時間番組の中で千秋楽の折、親子で鏡獅子を踊り終わって、緞帳がおりても拍手が鳴り止まず、孝太郎、七之助が「どうしよう」と困惑するなかで、勘三郎は少しも動揺せず、「気持ちでは、もうアンコールにこたえて出ておりました。しかしいつもの舞台とは違います。
歌舞伎をここまで支えてきた先人のためにも、私だけが、舞台にもう一度でるべきではないのです」
そう言いきったかれの姿に、「さすが中村屋」と叫びたい気がした。この世界には間違いなく上下関係、師弟関係が良い意味でまだ存在していること、とってもさわやかな千秋楽だったとおもう。

これをあの歌舞伎座で、じかに観る事ができたらもっともっと幸せでしょうが、3年先の新しい歌舞伎座に思いをつないで、しばらくはテレビと地方公演で楽しむことにします。

藤棚へ にわか作りの 喫茶室

2010年05月07日 | Weblog
昨日あんなに気持ちの良いお天気だったのに、朝起きると雨音がしている。
聞けば夜中の1時頃から降り出したそうだ。

昨夜は熟睡の私、投句は済んだし昨日は俳句仲間の仲良し3人がおばあちゃんのお見舞いの代わりに、私をお昼にご馳走してくれると言うので、いそいそと出かけた、、いそいそが高じて道の途中すってんころりん、両足と両手に擦り傷をお土産にして、会った途端案の定笑われた。個室を取ってもらっていて、ゆっくりたわいない話に、大いに笑いつかれも吹き飛ぶのが自分でもわかった。
やはり友人とこうしておしゃべりしているのが一番良い。食事の後自宅が近いので、無理やり三人を引っ張ってきて、またまた4時近くまで大笑いしながら、おしゃべりした。

先日お母さんを突然になくされたAさんもご一緒だったが、亡くなられた後、お母さんの「思い出」を一冊の本にまとめられ、表紙までお母さんのお着物を使って、和とじの本にまとめ、すてきな俳句も添えられて、またそんな彼女のお母さんだから、「押し絵」や「刺し子」「編み物」といっぱい作品を残して見えたのを、きれいに彼女は本に取り込み、もう一度ゆっくり見せてもらう約束をした。私がきれいな包装紙があると、絶対に便箋にしてしまうが、それは小田原の兄も一緒でなんでもない母の日常も、子供はいつの間にか身体に染み付いてしまうものらしい。
こんな作業を懸命にやっていたら、悲しみも遠のきすっきりしたとAさんよかった、よかった!

夕方、アルバイト先から帰ったつれあいが「もう夕飯できてる?まだなら外に食べに行かないか?」やったぁ
近くの魚食事処で、私も生ビールを少しもらってゆったりした時間が持てた。
おばあちゃんが入院中だからできる、ささやかな贅沢もあって最高な一日でした。

今日のタイトルの句は、これも先日ご近所の方がご自宅の藤棚に急きょ机とイスを持ち出してアフタヌーンティに誘ってくださったときの句です。お粗末!
みんな、みんな本当に感謝、感謝です。