木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

使えない焼却炉 1

2019-02-26 00:00:57 | 仕事
昔、職人さんがフル活動してる時にはとんでもない量の鉋屑が出てた
うちの仕事は小さな材料で大きなものを作るのではなく、木を削って仕事をする
その材木よりも大きなものが出来たためしがない
つまり仕事をするという事は鉋屑を作るという事に他ならない

当時は普通の焼却炉を朝から夕方までフル活動させ、それでも焼却しきれないので風呂屋さんを探してそこに持ち込むというのまで仕事にしていた
そしてその風呂屋さんを見つけるのがまた大変
苦労して見つけて、慣れた頃に廃業という言葉を聞かされる
そうすると目の前が真っ暗になる
また探す 見つかる また廃業
それは自分がほとんどやって来てその綱渡りぶりは今から考えても奇跡的にすごい仕事だったと思う
結局10軒くらいの風呂屋さんに世話になったはずだ

当時は中区で仕事をしててどんな風呂屋さんでも15分くらいでは行けてたように思う
そして今の天白の工場に移ったのが平成5年
来た当時も職人さんは軽トラに鉋屑の入った南京袋を何本も積んで走り回っていた

また廃業
そのころになると仕事の種類が少し変わって仕事場の前の焼却炉で大体の処理は賄えるようになる
いつか保健所から「あまり燃やさないでくださいね」という比較的優しい通達があった
この優しい通達でも僕の胸は張り裂けそうなプレッシャーを感じたのだ

ある日鉋屑の処理方法として農地にばら撒くという方法を知った
農地が肥えると聞いた
それからしばらくして夕方の散歩をしているときに突如農家の庭先に出た
仕事場から天白川を越えたところには今も多くの農家がある
そのうちの一軒の前に立った時、御主人らしき顔に出会う
「すみません、突然の話ですが、畑に鉋屑撒かせてもらえない物でしょうか?」
いきなりの質問(笑) その辺の自分の嗅覚に驚く
「うちは小さな畑しかないけど、そらそっち右手のお宅はたくさんの畑を持っておられるからそこで聞いてごらん」
僕は散歩中だし勿論手ぶら
その庭に入っていった
「すみません 川向うで木工所をやってる者ですが鉋屑を畑に撒かせてもらうことってできるでしょうか。」
たったひとこと「いいよ」

その農家さんはぶどう農園や蜜柑山を所有しているわけだ


読むのも疲れたでしょ? この辺にしといたほうがいいよね
実は今日はちょっと辛いことがあった
それでもまた僕は一日で打開している
運命に感謝するしかない。


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2 コメント

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鉋屑という問題があるなんて (masamikeitas)
2019-02-26 03:54:43
かっつん、おはようございます。

>「すみません 川向うで木工所をやってる者ですが鉋屑を畑に撒かせてもらうことってできるでしょうか。」
たったひとこと「いいよ」

手ぶらでも快く引き受けていただき、助かりましたね。鉋屑という問題があるなんて思いませんでした。

農家といえば畑での野焼きをされますね。
私がバイトをしていた施設にも煙が届いて介護士さんが「火事?」だと騒いで近くの畑まで見に行ったことがあります。
忘れられない思い出です。

>実は今日はちょっと辛いことがあった
それでもまた僕は一日で打開している

何があったかはわかりませんが、かっつんの打開能力はたいしたものです。(笑)

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masaやん (かっつん)
2019-02-26 15:31:01
うちはお金にも悩まされてきましたが、鉋屑の処理にも同じくらい悩まされてきたのでした
でも、どちらも贅沢さえ言わなければ、努力すればなんとかなるものですね
これで努力をしなかったら多分そこで終わりです
そこで終わった方がよかったんじゃね? という意見もあるかもしれませんけどね(笑)
勿論この処理はお金を積めば難なくクリアできます
でもそれをすると経営的には大きな痛手です
そんな仕事でも楽なことはありません
それはわかっています
masaやんも仕事においてはそういう難関を突破されてきての現在があるのでしょう
お疲れ様でした。
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