goo blog サービス終了のお知らせ 

スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

インド人と朝

2012-12-07 22:52:31 | 日記
インド人の同僚曰く、「自分はスウェーデンに適応して来た」のだという。暗闇に慣れてきたというのだ。ただ朝インドでは日の出によって自然に目が覚めていたのが、こちらスウェーデンではちょっと問題なのだという。確かに日の出がもう午前8時半ごろなので、朝は真っ暗なのだ。自分が「そうだよね。起きるのがちょっと辛いよね。。」というと「いや、インドと同じく日が登るまで目が覚めないんだ!それが問題なんだよ!!」。おい。

捕鯨問題

2012-12-06 16:38:04 | 日記
インド人(女性)と話しているうちに捕鯨の話になった。どうも捕鯨反対派らしい。色々聞かれたので面倒臭いながら答えた。
「日本は鯨をとって食べてるんでしょ!!」「とってるけど、あれはあくまで調査のためだよ」「調査?調査の為に殺したりしなくたっていいじゃないの!」「本当だって。調査のために必要だからとってるだけで、数も限られているよ」「でも日本人は食べているんでしょ!」「そんなに消費されていないよ。微々たるものだって。東京のスーパーマーケットに行ってごらんよ。鯨肉なんて滅多に売ってないから」「いや!きっとどこかにブラックマーケットがあるんでしょ?」「ないよ!テレビ番組の見すぎだよ!」「大体、鯨を殺すなんてかわいそう。。。」さすがにこれにはこっちもちょっとムッと来た。
「かわいそうだって!!そんなことを言うなら19世紀に西欧諸国が何をやって来たか、君は知ってるのかい?アメリカなんて捕鯨しまくっていたんだよ!!君も19世紀の女性がふわふわしたスカートを履いている写真を見たことがあると思うけど、あれ何で出来ていたか知ってるの?鯨の骨なんだよ!そのころ何万頭も鯨を殺しておいて、今になって日本が鯨を殺すのは『倫理的に』どうたらこうたらなんて、おかしいよ!違うかい!!」「うん、そうだね、大体先進諸国はおかしいよ。散々工業化しながら、我々の国にはCO2がどうたらこうたらとか。。」と言う訳で話が逸れていった。これにて終了である。
一応調べると、日本の捕鯨実績はだいたい年間数百頭単位。もちろん調査捕鯨である。古くは室町時代の料理書にも鯨肉の記載があるそうで、食用の歴史は古い。ただ文化としてどう捉えるべきかは議論が有るそうで、詳細は下記ウィキペディアをご参照あれ。最も現在はこの頭数でも在庫がだぶつき気味なのだそうで、余った肉が学校給食に供されたりしているのだそうだ。
Wikipedia「鯨肉」
以前の南米移民の件もそうだが、海外で暮らすというのは日本の文化や歴史について改めて学びなおす機会でもあるかと感じる。
南米移民
鰯の埋葬

大雪から明けて

2012-12-06 15:55:00 | 日記
凄まじい大雪が降り続いた翌日の今日。一面の雪景色である。日差しが弱いこともあいまってモノクロの世界に見える。交通機関は大分復旧してきた様だ。昨年は殆ど出番の無かった除雪車もここぞとばかり走り回っている。気温は持ち直して今日は零下3℃ほど。それにしても随分積もったものだ。先日ストックホルムに到着された山中教授も、この雪と交通麻痺には仰天したに違いない。
上写真は本日午後1時頃、下写真は午後3時40分頃の写真。それにしても日照時間の短い事よ。


大雪

2012-12-05 21:02:24 | 日記
朝から雪である。それもまた凄まじい雪であった。本当に吹雪と呼ぶにふさわしい雪である。ストックホルムの交通機関は全面的に乱れ、更にアーランダ空港も飛行機の殆どが欠航する騒ぎになった。
http://www.thelocal.se/44872/20121205/
そしてよりによって今日の朝、仕事でオスロに向かっていた同僚がいたのである。当然飛行機は欠航となり予約取り直し。その取りなおした予約もまた欠航。遂に諦めて空港から引き返す事になったがそれがまた凄い光景に。高速道路には点々と事故を起こした車両が横たわり、道行く車は時速20km/hかそこらの速度。見ると2車線ある高速道路にはパトカーが2台、横に並びながら徐行で走っていて後ろの車が追い越せない様にブロックしているのだ。そのパトカーの後ろに大名行列の様に車の大集団がノロノロと続き、その後ろしばらく行くとまた2台のパトカーが。。。という状況であったのだ。しかしその速度でも運転は本当に恐怖であった様で、視界はせいぜい数10m。風が吹き付けると雪が舞い上がり、その瞬間には10㎝程度にまで視界が低下していたのだという。
夕方にどうやらこうやら職場まで辿りついたが、疲れ切った様子。「もう冬のスウェーデンでは、絶対に旅行はしないよ!」と断言していた。

冬の太陽2012

2012-12-04 19:13:05 | スウェーデン生活情報
冬になると毎年恒例なのが日照時間が短いこと、そして太陽の位置が低いことである。太陽がやっと昇ったと思ったら、地面すれすれを這うように動いて直ぐ沈んでしまう訳だ。こちら、昨日の午前11時30分の写真。太陽はまだ低いが、これがほぼ最高到達点で、この位置のまま西に向かって移動して地平の下に去っていく。嗚呼。

騒音トラブル殺人事件

2012-12-04 18:36:38 | 時事問題
以前、マンションの騒音問題はスウェーデンは日本に比べてかなり緩いらしい、と書いた。
マンション騒音問題
確かにかなり緩めではあるし、特に子供の泣き声などに関しては特に寛容度が高い様にも感じてはいたのであるが、そんな中で発生したのがこちらの事件。スウェーデン英語誌、The localより。
http://www.thelocal.se/44848/20121204/
ストックホルム近郊の町にて。アパートに住む31歳の男性が同じアパートに住む13歳の少女を殺害してしまったのである。理由はこの少女の発する騒音がうるさかったからとの由。この少女一家が男性のアパートの上階に住んでいた模様である。少女の家族が留守の隙を見計らって男性はこの少女を襲い、金槌で顔面や頭を殴りつけて殺してしまった。警察が駆け付けると男性は窓から飛び降りて自殺を図ったが、死ぬ事はなかった。どうも男性は精神的にも問題を抱えていたそうで何ともやるせない。日本で最初の騒音殺人と言われる神奈川県平塚市のピアノ殺人事件と若干経緯が似ている。
Wikipedia「ピアノ騒音殺人事件」
原則としてスウェーデンは子供の騒音よりもむしろ子供の体罰に厳しく、日本で良くある様に「しつけて静かにさせる」というやり方は虐待と受け取られる危険もある。実際子供も日本よりも若干のびのび振舞っている感は否めない。ただそれでもスウェーデン人が騒音に対する耐性が強いという訳では決してないのである。最低限の気遣いは必要であろう。実際職場の上司は子連れでの引っ越し時にはそのアパート全員に挨拶をして回っていた。

気温低下その2

2012-12-03 21:30:38 | 日記
気温が更に低下傾向に入って来ている。午後9時半現在、気温零下19℃である。幸いにして風が無いのだが、それでも寒さは強烈である。今、下半身は普通のズボンを履いているのだが、歩いていると足の中に寒さが忍び込んで来る様な感覚がある。中々厳しいシーズンである。

気温低下

2012-12-02 21:15:15 | 日記
気温が一気に降下している。午後9時現在、気温零下15度になった。もちろん日中もずっと気温は零下10度前後のまま、外出すれば刺す様な冷気が顔に当たる。こんな中でも子供を遊ばせる人もいて、また子供の方も元気に雪の中を走り回っている。子供は風の子というが、零下10度でも子供には無関係の様である。

子ども手当のこと

2012-12-02 20:32:54 | 考えてみたこと
日本のネットニュースを覗いてみるとすっかり総選挙モードで、どの党も政策をあれこれ出しては競っている様である。何と言っても10個以上も政党があるので、ちょっと全部の政党の公約(マニフェストと書くのが正しいのだろうか)を見きれない。パラパラと流し読みしているうちに民主党政権の目玉政策であった政策の一つ、子ども手当のことを思い出した。これについて少し書いておきたい。

スウェーデンにも子ども手当は存在し、名称はバーンビドラッグ(Barnbidrag)という。2012年現在、子ども一人に付き毎月1050クローナ(約12600円)が支払われる。条件は「16歳以下の、スウェーデンに居住している子ども」であり、子どもおよび両親の国籍、両親が結婚か同棲か、さらに両親が異性のカップルか同性のカップルかも関係なく、また親の所得制限も不問である。さらに「大家族手当」といって、子ども2人目には毎月150クローナ(約1800円)、3人目には604クローナ(約7250円)と言う風に別途上乗せされる支給金も存在する。例えば2人子供がいる家庭ではバーンビドラッグの1050クローナ×2=2100クローナに加えて150クローナで2250クローナ(約27000円)が毎月支給される訳である。詳細はこちらの冊子を参考されたい。
Child allowance [Barnbidrag]
なお、子育て支援としては両親双方への育児休暇、子どもが急病の時の看護休暇(看病のための休暇時に給与の8割を支給される、もちろん一般の有給休暇とは別)などもある。では何故、この様な手厚い子育て支援が実現しているのだろうか?
元を辿れば第一次世界大戦後の1920年代、スウェーデンの出生率が急落した事に端を発する。「どうすれば出生率を回復させうるか」が論争になる中、経済学者ギュンナー・ミュルダール(Gunnar Myrdal)は1934年に「人口問題の危機(Crisis in the Population Question)」という本を執筆する。これが大ベストセラーとなり世論の形成に大きな影響を与えたのである。この本は純粋な学術書であった様であるが、それが大ヒットしたというのが面白い。ミュルダールは後にノーベル経済学賞も受賞している。
Wikipedia「Crisis in the Population Question」
Wikipedia「グンナー・ミュルダール」
かくて1937年に子ども手当の原型がスタートし、1948年にほぼ現行の制度になったのである。当初は親の所得制限があったがやがて撤廃されている。

ただこの制度が機能する社会背景として、付言すべき点が2点ほどある。1つ目はスウェーデンでは「男女共稼ぎ」が皆の前提になっている事である。なので基本的に上記の制度は『女性が働きながら子供を持つ事に障害がない様に』存在する。共稼ぎ推進という事が一種の国策と言っても良いのだと思う。例えば年金なども男女共に働いている事を前提として計算される。実際スウェーデン人の間では専業主婦というのはかなり珍しいらしく、こちらに夫婦で赴任して来た男性に対してスウェーデン人がごく普通に聞く質問が「ところで、奥さんは何をしているんですか?」であり、ここで「今、専業主婦です」と答えるとかなり「え!?」という反応が返って来たりするのである。

2点目は職場環境の違いである。元々スウェーデンの職場では頻繁に人が休む。そしてしばしば当然の様にその為にプロジェクトがストップしてしまう。そしてその事に誰もイライラしないのである。子育てのためと言わなくても、元々簡単に仕事が休めてしまうし、むしろ休む「権利」について皆敏感なのである。以前も書いた通り、救急医療では予算・人員不足で受診制限がかかり、外来では血だらけだったり脱臼してたりする患者さんが5時間待ちしていたりするのだ。にも関わらず医師も看護師もしっかりフルで休暇を取り、その状況下でも一般のスウェーデン人は「わが国の医療制度は予算を有功に使えていて良いと思う」とコメントする国なのである。これは文化の違いと言っても良いかもしれない。
河本準一生活保護受給問題のことその2

さて、日本である。ここまで長々と書いてしまった理由は、今日本の各党の何処となく総花的な感が漂う公約を見ていて、果たして選挙後に本当に必要な部分に支援がなされるかどうかに若干の不安を覚えたからにほかならない。今は知らないが、日本の制度はこれまで「妻専業主婦、子ども2人」をモデルにして制度が組み立てられていたとされる。今このモデルが崩れている事は明白である。そして今後、日本はどういう家庭をモデルとしてどういう支援をするか、どの党の公約を見ても今一つ良く分からないのである。
今後の日本でほぼ確実なのが労働人口が大幅に減少する事、支えるべき高齢人口が大幅に増加する事である。そして現時点での子育て支援政策の結果は確実に20年後30年後の国力に跳ね返って来る。何らかの集中投資が必要である事はもはや議論の余地のない事実である。「国家100年の大計」などと日本の政治家は好んで口にするが、これこそまさに国家100年の未来に関わる話ではないか。予算は限られているのだからなおさら、正確な分析が行われ、必要な部分にきちんと投資がなされる事を願いたいところである。