ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

三方分山からパノラマ台へ

2015-12-31 19:09:02 | 登山(伊豆・箱根・富士山周辺)

12月30日(水)

河口湖駅→精進バス停→女坂峠(阿難坂)→三方分山→精進峠(三ツ沢峠)→根子峠→
パノラマ台→根子峠→パノラマ台下バス停→河口湖駅

毎年恒例となりつつある年末の富士五湖周辺の山登り。
今年は、河口湖駅でのバスの乗り換えに少々スリリングな、三方分山に決定した。
河口湖駅には、大宮駅西口から6時20分発と6時40分発の高速バスが出ている。
ぴすけとダーリンが乗車したのは6時20分大宮駅西口発、河口湖駅9時5分着予定のバスで
精進バス停を通過する富士宮駅行きのバスは、河口湖駅9時8分発であるため
少しでも高速バスが遅れれば三方分山をあきらめて、毛無山か黒岳か三つ峠に行くことにしていた。
高速バスは予定より大幅に早く、9時50分に河口湖駅に到着。
余裕の乗り換え時間で、富士宮駅行きのバスに乗車した我々は、精進バス停で下車した。

バスから降りてみると、高速バスの中からは雲一つかかることなくくっきり見えていた富士山が
すっかり雲の中に隠れて、裾野さえ見えないではないか
高速バスの中での期待値の高まりは、ここで嫌な予感に変わってしまった
気を取り直して身支度をした我々は、登山口に向けて出発したはいいが
バス停から道を挟んで斜め右手にある石畳の道がそれとは気づかず、少々辺りをさまよった。
10時5分、石畳の道が登山道に続く道だとわかり進んでいくと、左手に諏訪神社がある。

境内には諏訪神社の大杉と呼ばれるスギがあり、環境省巨樹巨木林データベースによれば
幹周7.05m、樹高42mで、現地説明板によると樹齢1200年とのことである。

石畳の道で見つけたマンホールの蓋は、旧上九一色村の時のもののようで
デザインされているのは、村の鳥に指定されていたコノハズクと
村の木に指定されていたヒメコマツ(富士五葉)のようだ。
左上部には「上」と「九」の字を組み合わせた、村章と思われるマークが鋳抜かれている。
この石畳の道から女坂峠に至る道は、中道往還と呼ばれた甲府とのかつての交易路である。
石畳の道が終わり登山道に入ると、丸木橋で沢を幾度か渡りながら、堰堤を3つ巻きながら登る。

この日は風もほとんどなく穏やかで、暖かい木漏れ日の射す道を進む。

10時53分、女坂峠(阿難坂)に到着。

女坂峠からいったん下り、登りに転じると、途中には富士山を眺められる場所がある。
朝より雲が上がってきているようだ。
昼ごろ雲が晴れれば、三方分山の山頂では絶景が見られるかも。
またまた期待値が高まる

林床に笹が見られるようになると、傾斜が緩んでルンルン気分

11時30分、三方分山山頂に立つ。
が、切り開かれた南面から見えたのは、富士山を覆った雲であった
ここでお昼にしながら待てば、もしかしたら雲が晴れるかもしれないと淡い期待を抱きつつ休憩にしたが
雲はますます増えてきて、日射しが届かなくなった途端に一気に冷えてきた感じがした。
そこへ、「今日の富士山はお休みでーす」と大きな声で話しながら2人のオバサマが登場。
オバサマたちは見えない富士山には興味がないのか、先に行ってしまった。
12時10分、見えない富士山にがっかりしつつ、三方分山を後にする。

見えないのは富士山だけで、北側の樹間からは南アルプスの山々が白く輝いているのが見える。
後から調べて分かったのだが、三方分山とこれから進む精進峠の間に精進山というピークがあり
絶好の展望地であるようなのだが、この日歩いていてそれらしき場所には気づかなかった。
まあ、富士山も見えなかったので、いいか。
でも、南アルプスがとてもきれいだったので、木で遮られることなく見られなかったのは、残念。
三方分山からの下り(本当は、精進山からの下り)は、そこそこ急なうえにざらついた地面が滑りやすい。
そこに先ほどのオバサマ2人がいて、「早いわねー」と、声を掛けてきた。
「下りが怖くてねー」
「怖かったですねー。私も必死でした」
少し話をして、今度は我々が先に行く。

12時40分、精進峠(三ツ沢峠)に着く。
「ハノフマロ」で笑ってしまったが、かつては「パノラマ台」となっていたのだろう。
13時20分、根子峠と思われる三叉路を通過。
緩やかに登り、中之倉への分岐を右に見送って進むと…

ドーン
13時38分、突然目の前が開け、パノラマ台へと躍り出る。
あきらめていた富士山の姿が、たなびく雲の切れ間から現れた
パノラマ台ではひなたぼっこができるほど暖かく、三方分山山頂の寒さがうそのようだった。
お茶を煎れてのんびりしつつも、浮き立つ気持ちを抑えきれず、カメラを持ってうろつく。

眼下には精進湖、右手前方には樹海のなか足和田山が島のように浮かんで見える。
肉眼では、広いテラス状になった三湖台と、紅葉台レストハウスの白い建物がはっきりと見えた。

本栖湖の湖面も、午後の暖かい日差しを受けて光り輝いていた。

こちらは先ほど登った三方分山。
存外どっしりしている。
三方分山の山頂奥左手なだらかに下った後のピークは、瑞牆山だそうである。
せっかくだからあの元気のよいオバサマたちに姿を現した富士山を見せてあげたいと
ダーリンと話しながら、そろそろバスの時間もあるから出発しようかという時
元気なオバサマ2人がやってきて歓声を上げた。
「毎年来ているけれど、毎年富士山はすごいわねーって思うよねー
たしかに
14時10分、パノラマ台を出発。

先ほどの三叉路は、やはり根子峠のようだ。
14時20分、三叉路を右に進み、パノラマ台下バス停へと向かう。

14時56分、パノラマ台下バス停に到着。
バス停で待つ間、けっこう寒かったので、もっとパノラマ台にいてもよかったのだが
なにせ初めての地であるし、もし何かのアクシデントがあってバスに乗り遅れたらと考え
早めにパノラマ台を出てきたのだった。
バスを待っている間に、元気なオバサマたちも下山してきた。
15時16分発のバスは定刻より遅れてやってきた。
乗り込んだバスの車窓から、元気なオバサマたちが車を停めていた駐車場を見ると
オバサマたちも我々に気づいて、大きく手を振ってくれていた。


年末ということもあり、また、交通の便がさして良いとは言えない場所でもあるので
想像していたより出会った人が少なく、ほぼ2人で歩きとおした山行であった。
富士山の見える見えないで、こうも気分が上がったり下がったりするものかと
自分でも少々おかしかったが、終わりよければすべてよしの結末になった。
河口湖駅16時48分発の大宮駅西口行き高速バスで、帰途に就いた。



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