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9月22日(月)
尾瀬沼東岸→沼尻→見晴→東電小屋分岐→赤田代→平滑ノ滝→三条ノ滝→赤田代
21日の夜もこの日の朝も、雲が出ていたせいか冷え込みはなく、暖かかった。尾瀬沼ヒュッテの朝食は6時からで、おかずはこんな感じ。
卵は温泉卵だった。
身支度を整え、7時尾瀬沼ヒュッテを出発
まずは尾瀬沼東岸を沼尻(ぬしり)まで。
浅湖湿原の草紅葉は、手前の緑と奥につれてオレンジが入る色味に風情がある。
前日尾瀬に足を踏み入れる前は「草紅葉って何?」
と言っていたぽぴさんだったが、もうすっかりこの色合いの虜である
林床では、ゴゼンタチバナが陶器のような質感の赤い実をつけていた。
こんなに見事に実が残っていて、まるでブローチのようだ。
朝の足慣らしは写真を撮りながらゆっくり歩き、8時10分に沼尻に到着。
燧ヶ岳を眺めながら、沼からの風に涼んで一休み。
ここから燧ヶ岳へ、ナデッ窪を登る道が分かれる。
沼尻から見晴までは、今まで歩いてきた木道とは趣を異にする山道が中心となる。
ここでぽぴさんはダブルストックになり、万全の態勢。
8時25分沼尻を出発。
ぽぴさんが心配していた林間の山道も、ダブルストックに助けられたのと
ぽぴさんが森が大好きということで、真っ赤に色づいたヤマウルシや
木の幹がまだらな模様のブナの大木など、様々な木々に目を奪われて歩くうち
疲れ知らずで、10時15分、6軒の山小屋とキャンプ場のある見晴に到着。
この日は平日とあってか、尾瀬沼ヒュッテを出てから見晴に来るまで
沼尻の休憩所に何組かが休憩していたほかは、道中の前後に人はおらず
この尾瀬に2人しかいないかのような錯覚を覚えたくらいだった。
尾瀬の中心部にあり、たいていは最もにぎわう場所であるこの見晴らしも、とても静かだった。
10時40分、見晴を出発してすぐの分岐を右手に折れ、赤田代に向かう。
雲は多いものの、朝の曇り空から一変してすっかり晴れて気温も上昇。
前日も歩き出して早々に半袖()になったぽぴさんだったが、この日ももちろん半袖
ちなみにぴすけは下着の上にウール混の長袖と、薄いナイロン製のベストを着用。「暑くないの?」
と、何度もぽぴさんに聞かれたが、汗をかいたのはこの後、三条ノ滝からの登りのみで
木道を歩いている分にはその服装でも汗はかかず、大変快適であった尾瀬ヶ原の東端を横断するこの道は、右手に燧ヶ岳、左手には至仏山を望みながら歩ける。
まだまだ鮮やかさを保っていたオゼミズギク。
10時58分、左手に東電小屋への道を分けて、温泉小屋にはそのまま直進。
ウメバチソウも木道の脇でたくさんの花を咲かせている。
11時20分、温泉小屋に到着。
庭のベンチとテーブルをお借りしてお昼休憩をした後、本館の玄関に行くと
宿泊者で滝まで行く人の荷物を預かる際の手順が書かれた貼り紙があった。
温泉小屋では荷物を預かってくれるほか、小型のザックも貸し出していて
ぴすけはほとんどの持ち物をザックにすっぽり入るくらいの大型の防水バッグに入れていて
それをザックからごっそり抜いて、水と行動食・レインウェア・防寒着・救急キット・ストックを残し
ぽぴさんは小屋の小型のザックに必要なものを詰めて、自分のザックを預けて11時53分に出発。
12時15分、平滑ノ滝展望台に到着。
この平滑ノ滝は、燧ヶ岳の噴火によってできた一枚岩の上を只見川が流れる滑滝である。
温泉小屋から三条ノ滝までは、このような岩ゴロの山道で、ぬかるみも多少あるが
慎重に足を運べば危険はないし、ぬかるみと言っても滑ったり、足が潜るような状態ではない。
平滑ノ滝から燧裏林道を経て御池、もしくは渋沢温泉小屋を経て小沢平への分岐。
12時57分、名瀑・三条ノ滝に到着。
平滑ノ滝から慎重に歩いたので、約45分かかった。
ぴすけはかつて父とここに来たことがあり、その時のことが忘れられず
尾瀬が初めてのぽぴさんをぜひとも連れてきたいと、今回の計画を練った。
ぽぴさんも、この滝の豪快さ、水しぶきが白い霧となり舞い上がる様子などに圧倒されたようだった。
観瀑台で、ゴーゴーと響く落水の音を聞きながら、暫し憩う。
さあ、滝見の後は登りが待っている。
ぽぴさんは、今来た道を登り返すのかと不安を抱いたようだったが
実際に歩いてみると、下りより登りの方が肉体的にはつらくとも精神的には楽であり
自分が想像していたよりもずっと順調に登れることがわかったようだ。
登山道には、この花がたくさん咲いていた。
シソ科の植物と思われるので、カメバヒキオコシか。
14時30分、温泉小屋に戻る。
受付を済ませて、女性は15時から入れる風呂に一番乗り
…は良かったのだが、湯が熱いこと熱いこと
「43℃にしてあります」などと書いてあったが、ウソウソ
日頃42℃の湯に入っているというぽぴさんの体感によれば、45℃はあるとのことだった。
ひょ、ひょ、ひょえ~
シャワーは39℃、湯船の湯でさえ40℃のぴすけにとっては熱湯風呂状態
ちびちびと浸かる領域を広げながら、なんとか湯船に浸かり
身体を動かすことができずに、なぜか合掌しながら目を閉じる
足や体はなんともないが、手が異様にジンジンして、湯に浸けることができない。
それでも登りで汗をかいた後の風呂は、さっぱりして気持のよいものだった。
感謝、感謝
17時に夕食を告げるアナウンスが入り、空いたお腹を抱えて食堂へ。
湿原が見渡せる食堂も素敵だが、味噌汁もおかずも大変おいしく
今まで泊った山小屋の食事では上位も上位、満足度の高い食事だった
夕食後は、ほんのりオレンジ色に染まる空を眺めつつ、庭で写真撮影。
ゆったりした夕暮れの時間が過ぎる。
なんと贅沢なことよ
とても冷え込んできたので、明日は晴れると今から期待上昇
消灯は20時30分なので、20時までロビーでストーブに当たりながら、尾瀬に関する書籍を読みまくる。
なんとこの日割り当てられた部屋は湿原側の角部屋で、部屋から満天の星空が眺められた
ぴすけは寒さに震えて毛布を次々に重ね、ぽぴさんは布団から手足を出して就寝
寒さに強く、学生時代にテント泊の経験豊富なぽぴさんなら、良いかもしれません。
小屋に泊まるより自然に近づいた感じがします。