ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

『ギフト 僕がきみに残せるもの』

2017-10-01 00:21:38 | 映画
アメリカで数々の映画賞を獲得した“GLEASON”邦題『ギフト 僕がきみに残せるもの』を、ダーリンと観たがなかなか記事が書けず、日が経ってしまった。この映画は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した元アメリカンフットボール選手であるスティーヴ=グリーソンが、生まれてくる子供に贈るために撮影し始めたビデオダイアリーを基にして制作された。ALSとは、運動神経系が徐々に老化し、歩 . . . 本文を読む

『ヒトラーへの285枚の葉書』 

2017-07-31 22:05:33 | 映画
7月11日(火)、『ヒトラーへの285枚の葉書』を観た。原作は、ハンス=ファラダの『ベルリンに一人死す』でゲシュタポの記録文書を基に、わずか4週間で書き上げたと言われる小説。ヒトラーやナチスに対する不信や抗議を、ペンと葉書だけで命懸けで訴えたハンペル夫妻(オットーとエリーゼ)という実在の人物をモデルにしている。映画では、ハンペル夫妻はクヴェンゲル夫妻(オットーとアンナ)になっている。あらすじは&h . . . 本文を読む

『花戦さ』 ~持ち味が生かされない配役と演出~

2017-07-27 13:42:10 | 映画
6月4日(日)、私の好きな人・野村萬斎主演の映画『花戦さ』を観に行った。第一の目的は野村萬斎を観ることなので、観た時点で目的は果たしているのだがなんとも、こう、消化不良なのである一つは、野村萬斎を起用したからには、彼の持ち味を思う存分引き出してほしいというのがファンというか、彼の芸を楽しみにしている者にとっての希望であって「この役、べつに野村萬斎でなくても、良かったんじゃないの~?」と感じてしまう . . . 本文を読む

『メッセージ』 ~スタートレックはすごい!~

2017-07-26 23:56:38 | 映画
ドゥニ=ビルヌーブ監督『メッセージ』を観た。猛烈に忙しかった最中だったようで、珍しく手帳にも記入していない。いつ観たのか、思い出そうにも思い出せず、鑑賞した日付けは忘却の彼方に…この『メッセージ』、知ったのはドゥニ=ビルヌーブのインタビューを聞いたからだ。彼は幼い頃、世界の為政者たちは英知と勇気で世界を治めていると思っていたそうだ。ところが、長じるにつれ、実際はそうではないことに気づ . . . 本文を読む

『わたしは、ダニエル・ブレイク』 ~露骨でなく体の良い弱肉強食~

2017-04-07 23:55:24 | 映画
ダーリンが仕事を休めたので、二人で『わたしは、ダニエル・ブレイク』を観に行った。「ゆりかごから墓場まで」…、既に34年も前のことであるが私は高校の現代社会の授業で、イギリスの社会福祉政策についてそう学んだ。それが現在はどうだろう。ケン=ローチ監督が描く現在のイギリスは、全く別の社会になってしまったかのようだ。そしてそこに、日本の近い将来を見ているのは私だけだろうか。いや、近い将来の話 . . . 本文を読む

“LA LA LAND” ~予想に反して元気出ず~

2017-02-28 19:57:13 | 映画
昨日のアカデミー賞での作品賞の発表時の混乱ぶりでも話題になった“LA LA LAND"。ダーリンは、日曜日がまるまる休みになった日に映画を観ることで案外リフレッシュできると感じたらしく『沈黙 ―サイレンス―』に続き昨日も二人で映画鑑賞へ。この“LA LA LAND"、『沈黙』の時に予告編を観て、ぴすけが観たいと思った映画だ。「へ~、どうした風の吹き回し?ミュージカルが観たい . . . 本文を読む

マーティン=スコセッシ監督『沈黙 ―サイレンス―』

2017-02-20 20:02:42 | 映画
昨年12月は残業時間が過労死ラインを突破したダーリンだったが今年に入って1月もその状態は依然続き、今月も既に過労死ラインを軽く突破する勢い法定休日さえも休めず、体も心もギリギリのところで持ちこたえている様子。ダーリンからはいろいろと話を聞いたり、こちらから入れ知恵をしたりしているが会社のなかでそんな働き方をしているのがダーリンだけではないと聞いた時雇用者をここまで疲弊させるような働かせ方をしている . . . 本文を読む

“MERU”[メルー] ~タバコのことで頭がいっぱい~

2017-01-07 14:00:03 | 映画
正月休みにダーリンと、“MERU”[メルー]を観に行った。我々はこれまで何作かの山岳映画を観てきたが、山岳映画とはあまり相性がよろしくないフィクション・ノンフィクションにかかわらず、鑑賞後に後味の悪さしか残らないことが多いのだ。悲惨な遭難を題材にしたものが多いということもあるかもしれないがそれより多くの登山者のあくなき登攀意欲…というと聞こえが良いが他者の命を . . . 本文を読む

『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』

2016-05-22 16:19:56 | 映画
野村萬斎主演の『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』(以下、『スキャナー』と省略)を観た。野村萬斎は、ン十年来の私の「好きな人」である(ダーリンより古い)。その野村萬斎を主演にすべく作られたのが本作で、ぴすけはよく知らないのだが脚本は『リーガルハイ』や『相棒』・『寄生獣』を手掛けた古沢良太(以下、敬称略)。それよりなにより、監督が金子修介だというところで、ぴすけの観たいモードはMAXに。金子修介と言 . . . 本文を読む

エベレスト3D ~不愉快になれる映画~

2015-11-20 12:14:52 | 映画
1996年に起きたエベレストでの大量遭難を題材にした映画『エベレスト3D』(邦題)を観た。鑑賞後は、たいそう不愉快になった映画だった。それは私のみならず、ダーリンも同じだったようである。“NANGA PARBAT”(原題)『ヒマラヤ 運命の山』(邦題)の時もそうだったがどうして邦題に「3D」なんてつけたのだろう。もうそこからしてセンスなし。それだけではない。登場人物がやたら . . . 本文を読む