ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

三ツ峠から河口湖へ

2009-10-24 21:50:20 | 登山(伊豆・箱根・富士山周辺)

【第2日・10月21日(水)】
三ツ峠山荘→木無山→府戸尾根→霜山→天上山→開運の湯→河口湖駅



オリオン座流星群の鑑賞をあっさりあきらめて20時に寝た我々は
夜明け前ならと一縷の望みを抱いて5時に起床。
まだ暗いなか、三ツ峠山荘のテラスへと向かった。

だが、あっという間に明るくなってしまうもので
外に出たら東の空が橙色に染まりつつあった。
実は昨夜20時に寝てから、夜中に目が覚めて時刻を確認したのが2時過ぎで
今から考えれば、そのときに部屋から空を確認しておくべきだったのだ。
しかし、そのときもあっさり眠ることにしたのは
昨夜見た夜の街があまりにも明るく、星を見る気分になれなかったということも大きい。

徐々に姿を現す富士山。

日の出と共に、富士山の山肌が桃色に染まる。
このとき、写真を撮りに来ていた男性が一緒にテラスにいて
雲海がもっと低い位置にあれば、雲全体が桃色に染まるのだと教えてくれた。
今日は雲の位置が高いため、富士山の山肌が桃色に染まっただけであったが
昨日の夕空といい今朝の黎明といい、十分に自然の神秘を堪能できた。

すっかり日も昇り、朝食ができたと山荘の奥さんから声が掛かった。
ぴすけ達の部屋は、この写真の2階、向かって右の部屋で
部屋に居ながらにして富士山が望める。

その部屋のベランダからの眺め。
ベンチとテーブルが置かれているテラスが、富士山を眺望する特等席だ。
朝食をいただき、しばし山荘の御主人と修験道や長谷川恒男さんの話をする。
わざわざ江戸時代の絵図のコピーや古い地図まで出して
三ツ峠へ登る知る人ぞ知るルートなどを教えていただいた。
丁重にお礼を述べると
「人のいるところは好きそうじゃないから、この道が良いかなと思って
と、おっしゃるではないか
ど、ど、どうしてわかったんだ…
しかも、修験道の話や山を守ってきた先人の話などをしているうち
「昨日の夕焼けといい今朝の空といい、ここに来てあんな空を見られたのは
 あなた方の山に対する敬虔な気持ちがあったからでしょう
 昨日のような雲は滅多に見られないんですよ。
 あれは空からの何らかのメッセージですよ
と、何とも意味深なこともおっしゃるではないか。

ダーリンは、仲良くなった山荘の番犬「カコちゃん」にお別れの御挨拶。

三ツ峠山荘からは、カラマツの生える気持ちの良い展望地を抜け
木無山の分岐を右手に採り、天上山公園まで尾根上の下りである。

小御嶽神社が鎮座している天上山を過ぎると、天上山公園はすぐそこだ。

登山道から突然飛び出た天上山公園は完全に観光地で
ザックを背負って熊鈴をぶら下げ、ストックを持っている我々は場違いも甚だしい

ここまで、河口湖畔から徒歩で登ることもできるが
「カチカチ山ロープウェイ」を利用すれば簡単に来られるとあって
老若男女問わず、外国人観光客も大勢訪れている。

我々は河口湖を見下ろしながら、公園の遊歩道を歩いて湖畔まで下り
ロイヤルホテル河口湖開運の湯で汗を流した。
まだ昼前とあってお風呂は貸し切りで、ゆっくりできた。
さあ、あとは高速バスの空席があるか確認し、チケットを購入できたら
山梨名物「ほうとう」で腹ごしらえだ。

河口湖駅で新宿行きの高速バスの空席を確認したところ
ちょうど2席残っているという。
「お席が離れても構いませんか?」
そう聞かれたぴすけは、「はい」と即答
隣にいたダーリンは、「どうする?」とも聞かずに決断したぴすけの男気()に
またまた惚れ直したようだ
後から「席が離れちゃ嫌だよね?」って聞いてくれるかと思った
とかなんとか、ブチブチ言っていたようでもあるが…
しかし、残り2席は隣同士で、結果オーライ

河口湖駅前のほうとう不動でほうとうに舌鼓。
お腹がいっぱいになった我々は、河口湖駅14時40分発の高速バスに乗り
富士山に見送られながら、新宿に着くまでの間睡眠を貪ったのであった



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
額には... (ガブ)
2009-10-27 13:14:34
ぴすけさん、こんにちは。

宿のご主人、もしや額に瘤のよえなものはありませんか?

角の様な。

富士山は何度みても、見るたび息を飲みます。

昨夏登って以来、より身近な存在になりました。

いまの季節も良いですね。虫もいないし。

ぼくは一昨日、越生ハイキング大会に行ってきました。

黒山三滝の近くにも、役小角の石像がある様です。前鬼と後鬼のオプション付きです。

コースの外なので、今回は見られませんでした。
返信する
瘤は (ぴすけ)
2009-10-28 11:52:42
私にあります
赤ちゃんのとき、その瘤だか骨だかにべっとりわけのわからないものがついていて、ただれていたそうです。
それが徐々に取れていったら、額が盛り上がっていたそうな…
長じてからは目立たなくなりましたが、それでも触ると2箇所に盛り上がりがあります

富士山は、不思議な山ですね。
富士山の姿が見えると、ほかの山を圧倒してしまう何かがあります。
私もなぜか、富士山が見えるとカメラを向けてしまいます。
でも、なぜか登る気が起きないのす。
人が多いからなのかな
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魅力的な山 (ガブ)
2009-10-28 14:50:31
ぴすけさん、こんにちは。

験力の持ち主は、ぴすけさんの方ですね。

富士山。

東海地区に車で出張に行くようになり、見る機会が増えました。

そのうち「一度は登ってみたい」と思うようになり、昨年夏に決行。

登山の経験もなく、辛うじて雨具は用意。靴はワークブーツ。賛同者無し。

やむなく、ツアーにて初登山の初登頂でした。

気圧の低さ、気温の寒さなど、すべてが初体験。山小屋のいい匂いも。御来迎も。

感動もありましたが、それ以上に「登山」に興味が湧きました。

気圧も低く体力も限界に達した時、「止めた」と思えばそれで終わり。なんとも簡単。それでは「何で止めないの?」と聞かれても、「分からない」としか答えようが無い。

それは、仕事やどんな時より充実した時間でした。

その後少しずつ道具を揃え、幾つかの山に登りました。

単独を常とするため、人の少ない山はもう少し慣れて、上達してからと思います。

正直、人のいない山に憧れますが。

最近、富士山に登った頃とは違う、山との向き合い方を知った様に思います。

道元の回光返照を体感してみたいとか。

それでも、富士山が見えると見入ってしまう。とても魅力的な山です。
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