ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

三ツ峠

2009-10-22 00:20:20 | 登山(伊豆・箱根・富士山周辺)

【第1日・10月20日(火)】
三ツ峠駅→三ツ峠遊園→神鈴の滝→達磨石→股のぞき→屏風岩→三ツ峠山荘
→開運山山頂→三ツ峠山荘




前夜遅くに帰宅したダーリンの状態を考え
予定より遅く最寄り駅を出発した我々は
途中大宮駅・武蔵浦和駅・西国分寺駅・高尾駅・大月駅で乗り換え
10時13分に富士急行三つ峠駅に到着した。

三つ峠駅の駅舎越しに、これから登る三ツ峠が見える。
三ツ峠は、本来、御巣鷹山・開運山・木無山の三つの峰の総称であるが
そのうち最も標高が高い開運山が、代表して「三ツ峠山」と呼ばれているようだ。

駅からの道標に従い住宅街を抜けてしばらく行くと
三ツ峠グリーンセンターというスポーツ=レジャー施設がある。
その脇に、これから登る三ツ峠までの登山案内図が立っているのだが
その絵が、ほぼ垂直に登ると思わせるような代物なのだ
確かに、標高610メートルの三つ峠駅から標高1785メートルの開運山まで
標高差にして1175メートルあり、近年では約4時間半の登りが敬遠されてか
三ツ峠の北西に位置し、土・日・祝日にはバスが運行されている三ツ峠登山口
もしくはその先の林道にある駐車場まで車で入り、2時間弱で登れるルートが
主流になっているようである。
しかし三ツ峠は、役小角が開いたとされ、かつては修験の山として栄えた霊山である。
そうした信仰の、歴史的遺構を見ながら歩くのも、山を登る一つの楽しみでもある。
昨今は、ただ登頂するだけが目的の狩りのような山登りや
百名山が終われば次は二百名山だというような
数や高さといった数字を自慢にしたりする登り方が増えているようだが
そうした登り方では、地元の人々や山を信仰した人々が
どのようにして山を見ていたか、どのようにして山を守ってきたかはわかるまい。
四季折々の、山の変化はわかるまい。
時々刻々の、山の表情は読み取れまい。
残念なことだ。

三ツ峠遊園という遊歩道のある園地を歩いていくと、「神鈴の滝」が現れる。

ここからさらにいこいの森を抜け、やっとアスファルト舗装が途切れると
アークという梵字が刻まれた「達磨石」がある。
「達磨石」は達磨型の天然石で、アークは大日如来を意味している。

「達磨石」から40分ほどで「股のぞき」という場所に出る。
富士山が、股の間から覗ける場所ということだろう。
ちょうどベンチがあったので、ここでお昼を食べたのだが
その直後に、昨夜遅く帰宅したダーリンに猛烈な睡魔が襲ってきたらしい。

ベンチに横たわり、寝る人
あまり長く寝ていては良くないので、ほどほどのところで出発。
途中、「馬返し」と呼ばれるところを過ぎると、多少傾斜がきつくなるが
大変歩きやすく、所々にポイントもあって、大変良い道だ。

そのポイントの一つ、「不二石」。
うーん、富士山に形が似ているから「不二石」なのだろうが…

さらにしばらく登ると、「八十八大師」と呼ばれる石仏群が山肌に安置されている。
この付近には、信仰の山として栄えた往時の遺跡が点在している。

ガレ場を慎重に渡り、開けたところから富士山が見える。
この日は午後から曇ってきたにもかかわらず、ずっと富士山は見えていた。

「一字一石供養塔」は、近郷の信者が参詣した折に
経文を小石に一字ずつ書いて埋めた場所だとされている。

この供養塔を過ぎると、視界がパッと開け
ロッククライミングで有名な「屏風岩」が現れる。
登山道はその真下を通っているため、屏風岩の大きさや広がりは圧巻だ。
見上げれば、そこここに、クライマーが取り付いている。

なかなか写真だと高度感を出すのが難しいが、クライマーが木の高さの
遥か上方に取り付いていることから、高さを推し量っていただきたい。
ほんのわずかの平らな場所で、体の向きを変えるクライマーに冷や冷やしながら
屏風岩の下を通り抜けると、道が二手に分かれる。
我々は、今夜の宿泊先である三ツ峠山荘の看板の方へ向かう。
この先は、かなりきつい傾斜があるが、道は階段状になっており
登りきると三ツ峠山荘の裏手に飛び出る。
荷物を山荘に置き、開運山まで往復する。

三ツ峠山荘の裏手の展望地からは、遠くに南アルプスが見える。

こちらは金峰山・瑞牆山方面。
肉眼では、金峰山の五丈石がはっきり見えた。

三ツ峠にあるもう一つの山小屋・四季楽園の前を通り、ザレた山肌を登れば
NHKのライブカメラが設置されている鉄塔が立つ、開運山の山頂だ。
この真下が屏風岩である。
山頂から三ツ峠山荘に戻り、テラスでお湯を沸かしてのんびりと紅茶を飲む。

しばらくすると、屏風岩が夕焼けに染まってきた。

富士山方面にも素晴らしい空が広がっている。

山荘の御主人のお話によれば、こんな夕空は
5年とか7年に1度くらいの頻度でしか見られないほど素晴らしいもので
山荘の宿泊者もテラスに出てきて、皆思い思いにケイタイやカメラで写真を撮り出し
にわか撮影会となった。

雲の美しさに見とれることしばし。

30分間も夕空の変化を楽しめることは、滅多にないことだという。
日帰りにしようか悩んだ三ツ峠登山だったが
宿泊しなければこの夕空には出会えなかった。
夜は、オリオン座流星群を見るというのも、宿泊したもう一つの理由であったが
この後雲が広がり、早々にあきらめて20時に就寝
あきらめが早すぎたかな…




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