ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

安達太良山(乳首)周回

2016-06-06 22:19:03 | 登山(東北南部)

6月4日(土)

奥岳登山口→あだたら渓谷自然遊歩道→勢至平→峰の辻分岐→峰の辻→牛ノ背→
安達太良山(乳首)→表登山口分岐→みはらし台→奥岳登山口


5月の吾妻訪問から1か月経たないうちに、福島訪問となったのにはわけがある。
5日(日)に福島市音楽堂で、ぴすけの30年来の大大大ファンである
イギリスのヴォーカルアンサンブルグループ、ザ=キングス=シンガーズ福島公演を行うのだ。
うっかりして東京公演のチケットを取り損ねたぴすけは、なんと福島まで来て聴こうというのだった
せっかくだから山にも登ろう、せっかくだから友人にも会おう、せっかくだからお世話になった方にも…
ということで、山は福島に行く途中の安達太良山に決定した。


6時前に自家用車で自宅を出発
東北自動車道を北上し、二本松ICで一般道に下りて、9時過ぎに奥岳登山口に到着。
大変広い駐車場は、既に3分の2ほど埋まっていて、安達太良山の人気の高さが伺えた。
駐車場で身支度をしながらほかの車を見ると、地元福島はもとより
秋田・山形といった東北地方、遠くは川越・湘南といったナンバーが。
見込みより1時間以上早く出発できるので、登りにゴンドラは使わず、勢至平経由で歩くことにした。

9時32分、奥岳登山口を出発。

奥岳の湯とあだたらスキー場のレストラン前を通り過ぎ、右手のあだたら渓谷自然遊歩道へと入る。

登山道脇に咲いていた、タニギキョウ。

あだたら渓谷自然遊歩道は、通称烏川(からすがわ)沿いに設けられた遊歩道で
途中には二階滝・魚止滝・昇竜滝・平滑の床などがあり、変化に富んだ景観が楽しめる。

今が盛りと咲くサラサドウダン。
ヤマツツジ・ベニサラサドウダンも山道を彩っている。

10時、遊歩道の突き当たりを右に折れ、橋を渡ってくろがね小屋方面へ。
左に行けば、奥岳登山口に戻ることができる。

歩くこと25分、目指す安達太良山(乳首)が見えてきた。

遊歩道から山道に入った当初こそ多少傾斜があるものの
ほどなく傾斜は緩んで、上の写真のようなかなり歩きやすい道になる。

と、そこに、吾妻では見かけたことのないランの花が。
名前もわからず、とりあえず写真に収めたが、後でオノエランだとわかり、感激する。
もっとじっくり観察しておけばよかった。

淡い紫色が異彩を放つガクウラジロヨウラク。
ツマトリソウ・イワカガミ・サラサドウダン・ベニサラサドウダンなどがこれでもかと咲いている。

10時45分、「勢至平」の道標が立つ場所に来たが、
ここが昭文社『山と高原地図11 磐梯・吾妻 安達太良』の「勢至平分岐」だと思い
左にある踏み跡へと入って行くと…

そこにはすばらしい景色が待っていた。
しかし、ここは地図の「勢至平分岐」ではないようで、ウロウロしたものの結局行き止まり。
仕方がないので引き返す。

足元には可憐なツマトリソウが小群落を作っている。
先ほどの「勢至平」の道標が分岐だと思い込んでいるぴすけたちは
勢至平経由で峰の辻に向かうことをあきらめ、くろがね小屋経由で行くしかないと思っていた。

ところが、「勢至平」の道標から10分後の11時4分、「峰の辻分岐」の道標が現れたではないか。
これが地図の「勢至平分岐」に当たるとわかり、左の道へと入る。
洗掘されて歩きにくい道で、下りに使う人が多いようだ。

11時35分、峰の辻手前の見晴らしの良い場所で、おにぎりを頬張る
谷を隔てた山腹のくろがね小屋に向かう道には、多くの人が行き来しているのが見える。

11時51分、峰の辻を目指して出発。
12時9分、 多くの人が行きかう峰の辻に着く。
さすがに稜線に乗ると、風が強い
次に目指すのは、ぴすけが行きたくて仕方がなかった牛ノ背だ。

12時25分、牛ノ背に乗る。
その西に広がる景色を、11年ぶりに見る喜びに、胸が高鳴る

ドーン
見下ろす沼ノ平とその先に見える秋元湖、最奥に飯豊連峰。
強風の刺激なのか、この景色に出合えた感激なのか、涙がポロポロと出てきた。

荒涼とした火山特有の風景を十分楽しんで、牛ノ背を乳首へと向かう。

小さい小さい花を咲かせていたミネズオウ。
12時49分、乳首に付けられた鎖を使って一登りし、山頂に立つ。

こちらは南、和尚山方面の眺め。

西峰を眺めると、磐梯山と猪苗代湖が目に飛び込んで来る。

北には、鉄山の向こうに、吾妻連峰がたおやかに聳えている。

12時57分、乳首直下から奥岳登山口に向かって下山開始。

歩きやすい登山道には、ムラサキヤシオツツジが数多く咲いている。

オオカメノキの花も美しい。

足元には、イワカガミとマイヅルソウがたくさん咲いている。

13時55分、みはらし台に到着。
小1時間前にいた乳首が、なんだかとても遠くに見える。
ここからゴンドラの駅はすぐだが、時間もまだ早く、体力にも余裕があったので、そのまま下る。

みはらし台までのよく整備された登山道とは打って変わり、段差の大きい道に変わる。

君は誰?
まるで黒い鋲をつけた鋼鉄の鎧を着たかのように見えるカミキリムシ。
昆虫に詳しい方に聞いたところ、トガリシロオビサビカミキリではないかとのこと

タニウツギがそこここに咲いていて、目を楽しませてくれる。

あだたらスキー場のゲレンデを下りるのが、いちばんきつい下りか。
傾斜もそこそこあるうえ、一定にだらだらと下るのは、とても疲れる
14時53分、奥岳登山口に無事下山。
多くの花々と好展望、上天気に恵まれ、充実した山行になった


奥岳登山口を後にした我々は、一路鷲倉温泉へ。
温泉で汗を流して部屋に戻ってくると、そこには万年バロック青年が我々を待っていた。
吾妻小舎の小屋番を終えて郡山で会って以来、2年半ぶりの再会であった。
この夜は、久しぶりに積もる話をして、盛り上がったのだった。



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