徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

インド人の理髪師

2011年12月03日 | ブータン ライフ

 昨日で大学の全ての試験が終わり、学生達は冬休みに入る。ほとんどの学生は帰省し来年の二月まで大学はガランとなる。ということで、こちらも本当に暇になるのだが来学期の時間割が発表されて、2教科で週に5時間の講義と4時間の実験実習および1時間のチューターと結構忙しい。週に10時間しか働かないのか、と言われるかも知れませんが5時間の講義には10時間以上の準備が必要なのですよ。

 ブータンに着任して早二ヶ月が過ぎ、髪が随分と伸びてきた。最近気がついた頭頂部の薄さに比べ、後頭部や耳の上などの髪はせっせと伸びる。そこで意を決して床屋に行ってきた。散髪椅子が6脚ほどある床屋に入り、髪を切ってくれと言うと、そこに座れと顎でしゃくられ、どれだけ切るのだと問うので手で自分の髪をつかみこれくらいと言うとミディアムカットだなと洒落たことを言う。

 それからは別の無口で小柄なインド人がハサミをシャカシャカ言わせながらバサバサと髪を切ってくれた。時々両手でぐいっと首の角度を決められ、その姿勢でじっとしていると上手に切ってくれる。日本では1500円の床屋に行っているのだが、その3倍くらいの時間をかけて実に丁寧に上手にカットしてくれる。生え際も使い捨てカミソリでスッキリ整えてくれた。

 やっと終わりかと思ったら、マッサージもやるか、と聞くのでついでにやってもらった。これがまたすごい。頭をポコポコ言わせて叩いたり頭皮を思いっきり頭頂部に向けて引き上げたり、腕を取ってありえない角度にねじ上げてもみ上げ、首を左右にゴキッと言わせたりと、うぎゃーと声が出るようなインド・ヨガ式マッサージをトックリとやってもらった。おかげで随分と頭や肩首が軽くなった。それやこれやで1時間ほど色々やってもらった挙句値段を聞くと80Nuとおっしゃる。日本円でなんと120円ですよ。一物一価の原則は明らかに間違っていることが良くわかりますね。

 このインド人の理髪師、仕事中は少々怒ったタカのような真剣な目付きで淡々と手を動かしていたが、最後にこちらも満足してありがとうと言うと、ニコッと相好を崩し実に人間的な表情を見せてくれた。インド人も日本人も同じ人間ですね。

 ということで、とても満足して何時ものチベットオヤジの店に昼飯を食べに行くと、オーずいぶんハンサムになってブータン娘にモテモテだな、などと冷やかされた。こんなに安くて気持ち良くなれるのだったら毎月散髪に行っても良いな、と思う今日この頃です。