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徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

長寿の特効薬

2015年11月27日 | 病気

放送大学で健康に関する面白い講義をやってた。現代人の死亡原因のTOPはガンと心臓疾患・脳疾患を含む血管障害だね。脳血栓、心筋梗塞、脳出血、動脈破裂などの血管障害のリスク要因は血糖です。血液中の糖が血管壁をボロボロにして障害を引き起こす。この血糖値を下げる事で死亡原因を半分に減らす事ができる。

血糖値を下げるのはインシュリンの働きだと言う事がこの半世紀の常識であったわけだが、最近別のメカニズムで血糖値が下がる事が見つかった。AMPキナーゼの発見です。

地球上の全ての生物は運動エネルギーを同じ方法で得ている。ATP(アデノシン3燐酸)ですな。細胞膜にあるプロトンポンプが内外電位差でグルリと一回転すると3個のATPが出来る。逆にATPがリンを放出しATP->ADP->AMPと変化する過程でエネルギーを放出する。ATPは生体におけるエネルギー通貨という訳だね。ちなみに人は一日で100kg以上のATPを消費している。といっても、ATPサイクルが回っているので100kgが消えてなくなっているわけではなく膨大なATP-AMPの変化が常に細胞内で起こっていることを意味している。

AMPキナーゼは酵素の一種でATPがエネルギーを失った状態のAMPと結合して活性化される。その活性化したAMPKは細胞内GLUT4を細胞膜上に移動(トランスロケーション)し細胞のグルコース取り込み能力を上げることが判ってきた。

いままで知られていた血糖を消費するインスリン受容体経由のメカニズムとは別の、GLUT4経由のチャンネルが発見されたのだ。そしてそのチャンネル発現の条件が活性化AMPキナーゼでその活性化の条件がAMPなのです。

AMPは運動によってATPを消費する事で発生する。<- 言いたい事はこれだけです。

適度な運動は単にカロリー消費するだけではなく細胞そのものを活性化し、糖消費型の体質に変えることが分子生物学の観点から確認されたと言う事です。運動する事は長寿のための何よりの特効薬なのです。

さあ、長生きしたければ朝30分走ろう!

 


親知らずの抜歯

2015年02月26日 | 病気

親知らずは20代の頃に3本抜いた。上二本と右下の一本です。上二本はアッサリ抜けたのですが右下の一本が頑固で歯医者さんが1時間近くかかって苦労して抜いてくれた。抜いた歯を見せてもらったところ、三叉のいかにも強そうな立派な頑固者の様相を呈していたことを覚えています。しかし、これに懲りてその歯科医は残りの一本は口腔外科で抜いてもらえワシはもう嫌じゃ、といって抜いてくれませんでした。30年以上前の事です。

その残った一本の親知らずが最近、冷たいものなどが沁みるようになってきた。おまけに食べ物がやたらに引っかかるのだ。1年ほど我慢していたが先日歯医者に見てもらったところ知覚過敏だな、抜いたほうが良いぞ、とおっしゃる。しかし、ワシは抜かないから大病院の口腔外科に紹介状を書いてやる、ということで紹介状を書いていただきました。

その紹介状をもってノコノコ病院に出かけると、早速パノラマ・レントゲンなるものでぐるりを鮮明に撮影してもらい見たところ影が見える。どうやら虫歯らしい。おまけに相方の上の歯が無いので3mmくらい浮いている。それで、直ぐに抜いてくれると思いきや、今日は抜かないから予約しろとおっしゃる。それなら速いほうが良いなと思い翌日の午後(本日)予約を入れて抜いてもらった。

前回(30年前)はえらく苦労したので今回も凄いことになるぞ、と恐怖と期待で緊張していたが、麻酔をチクチク注射した後、アゴを押さえてゴリゴリやってペンチみたいなものでグイッと引っこ抜いてくれた。なんとアッサリ5分もかからずに抜けてしまった。抜けた時は全然わからなくて先生にもう抜けました、と言われて思わずエッと口走ってしまった。口腔外科の医師は腕が良いのかなあ?まだ30歳を超えたばかりの若い先生でしたが有りがとうございました。

抜けた歯がこれ、

拡大はややグロなので見たいヒトだけクリックしてください。

知覚過敏どころか真ん中に大穴が開いてる。浮いてむき出しになった歯根部が隣の歯とこすれあって虫歯になってたらしい。この穴にやたらに食べ物が引っかかってたわけだ。最初の歯医者さん、これが見えなかったんかな、藪医者じゃね。

と、麻酔がまだ効いていて口がしびれたままこれを書いていたが、やばい、すこし痛みが出てきた。これは麻酔が切れるとけっこう痛いかもね ( ̄  ̄;)


その後の経過ー1 

昨日は普通に食事をして(右側だけで咀嚼)鎮痛剤と抗生物質を飲んで寝ました。一晩経過しましたが今のところ痛みはほとんど無い。ネットで調べるとドライソケットというのが有って抜いた跡の穴に上手く血餅が固まらないと歯槽骨がむき出しになって、それはそれは痛い事になるらしい。とにかく上手く歯肉が塞がってくれる事を祈ります。

その後の経過ー2

二晩経過して痛みも腫れも無い、順調です。鎮痛剤は7日分出たが1回しか飲んでない。抗生物質は4日分出てる。抗生物質ももう飲む必要は無いと思うが医者からは4日分飲み切れという指示が出てる。耐性菌が出るのを防ぎたいんだな。まあ人類の為だと思って飲みますよ。後は、いつから抜いた側で食べ物を噛めるかだね。

その後の経過ー3

6日経過し傷口がほぼ塞がった感じがする。4日目あたりであごの下のリンパ節が少し腫れて痛みが出たので感染したかな、と思ったが次の日には直った。どうも、回復の過程でその様なことが起るらしい。傷口を早く治すにはビタミンCが必要らしいのでせっせとキウイやトマトを食べている。

その後の経過ー4

10日経って再診に行ってきた。塩水で洗浄して3分で終了、キレイな傷口でもう来なくて良いといわれました。ただ、穴はまだ開いてるのであと二週間くらいは反対側で噛んだ方が良いね、との事

以下、Wiki 参照

炎症反応、異物除去

受傷6~24時間は、周辺の毛細血管から好中球が滑り出てくる(好中球は、もし創(そう、傷口)が不潔な場合、細菌などを貪食処理する)。そして好中球は短時間で消滅する[14]。 受傷後12~48時間は、単球が創内に集まってくる。単球はアメーバ状に形をかえつつ、細菌や組織分解物の貪食を開始し、次第に捕食消化する能力を高めてゆく。これは単球がマクロファージに分化し、活性化マクロファージへ変化したことを意味する(もし、創内に向かってマクロファージが集まらなかったり力が弱かったりする場合は、分解物が除去できず炎症が長く続く

瘢痕治癒

マクロファージによる異物の除去作業が終了するころに、毛細血管の新生が起こり、線維芽細胞が出現する。 線維芽細胞はコラーゲン、タンパク質、多糖類を合成し、細胞間腔に分泌を開始する。線維芽細胞によるタンパク質合成には十分な酸素と栄養素が必要で、毛細血管の新生は、線維芽細胞にそれを供給する役割を果たしている(毛細血管は、周囲の血管から発芽状に発生、創内へとループ状に発育し、網目状になる)。コラーゲン分子は凝集し、原線維となり、瘢痕組織が形成され、創の修復が進む[14][15]

この過程にかかわる注意点として、 コラーゲンは線維芽細胞の中にある粗面小胞体で合成されるが、水酸化されてから細胞から分泌される。もし水酸化が進まないと、線維束化されず、治癒は延滞してしまう。コラーゲン線維の水酸化には、ビタミンCが欠かせないとされる[14][16]

受傷後12~48時間の、創に近い表皮細胞の端は、細胞が外観を失い、無定形化および膨化し、移動し、凝血内にある血清タンパク質や線維素の切れ端を貪食消化する(これは細胞分裂の準備を行っている)[14]。そして、連続性を備えた細胞層を形成しつつ、正常な外観を取り戻してゆき、表皮再生と真皮での治癒がほぼ同時に完了する[14]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%B2%BB%E7%99%92%E5%8A%9B


 

 

 


睡眠薬、その後

2015年01月01日 | 病気

ちょっと前に新しい睡眠薬(ベルソムラ)の事を書きましたが、その続きの話です。結局2週間分(14錠)処方してもらいましたがまだ4錠しか飲んでません。といっても、15mgを半分に割って2錠4回と15mgそのままで2回の計6晩ほど飲んで寝ました。

効果はあります。特に15mgを飲むと朝まで寝続けることが出来ます。寝起きも悪くない。また、飲んだり、飲まなかったりしてもベンゾ系薬剤のように副作用としての不眠が起るわけでもなく、けっこう安全な薬だという感じがします。

ただ、やはりこれは個人的信条に関することですが、薬で眠るのはためらわれます。美味しい料理を作るのに化学調味料を使うか否か、という類の問題ですが... 

これを飲めば朝まで眠れる。しかし、それは原因を直しているわけではなく対症療法に過ぎません。飲まなければ元の木阿弥、悪くすればベンゾ系のように悪化する可能性だってあります。

ということで、この薬を毎晩連続して飲み続ける事はしないことに決めました。しかし、時々美味しい睡眠を楽しみたいときに15mgを飲む。そんな感じで残り10錠を試したいと思います。

それと、これは関連が有るかどうかは良くわからないのですが、この薬を飲んで寝たときに見る夢が妙に鮮明なのです。悪夢と言うわけではなく普通の夢なのですが鮮やかな現実感が残ります。何なのでしょうか?


不眠症と新しい睡眠薬

2014年12月10日 | 病気

自分の事で恐縮ですがこの10年来、不眠症で困っています。不眠症といっても色々あって、私の場合は寝つきはすごく良いのですが夜中に眼が覚めてしまう中途覚醒、或いは早朝覚醒と言うタイプです。夜中の3時過ぎにきまって頭ガキンキンと冴えてきて寝続けることが出来ない。寝直そうと悶々とするのですがなんせ頭が完全回転を開始しているのでとても寝れない。仕方がないので本を読んだりしてると20-30分くらいで再度眠りにつく、といった具合です。これはどうも加齢と関係あるようで、知り合いに言わせると寝るにも体力がいって歳を取ると寝る体力が無くなるのだとの説です。最近は悲しいことに夜中の3時どころか1時頃にも眼が覚めるようになり寝るのが苦痛になってきました。

寝れないなら睡眠薬と言うのが選択肢の一つですが、寝つきが悪いのなら即効性の睡眠薬も効果があるのですが、私のように朝まで続けて眠れない場合は持続効果が必要で強力なものになる。そんなものを飲むと寝起きが最悪で一日中ボーとした不快な気分になる。だいいち、今までの睡眠薬(ベンゾ系)は依存性、耐性の問題があり麻薬と同じで飲むと碌な事にならないことが判り切っているから飲まないでいました。

この睡眠に関して、1998年に日本人科学者達の手でオレキシンという脳内物質が発見されました。

以下、参照抜粋

オレキシンは摂食行動の制御系と睡眠・覚醒の制御系の両者と深い関係をもっている[1] [2]。オレキシンと報酬系との関連も示唆されており、情動や体内時計エネルギー恒常性を統合した情報をもとに、適切な睡眠・覚醒状態をサポートする機能をもっていると考えられる[2]

 行動を制御するには覚醒の維持が必須であるが、オレキシンはさまざまな行動をサポートするために、覚醒を維持する機能をはたしている。一方、オレキシンの機能障害はナルコレプシーなどの過眠症に、機能亢進は不眠症などの病態に結び付くと予想される。

http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3

オレキシンは覚醒を維持する為に必要なものですが多すぎると不眠になる。私の場合はまさにこれで、寝ていて頭が冴えてきて寝続けることが出来ない。オレキシンの過剰分泌ですね。

そして、朗報はこのオレキシンを制御するタイプの睡眠薬が今年の11月に認可・発売される事になったのです。メルクのベルソムラ(一般名スボレキサンド)という薬です。この薬は脳のオレキシン受容体に結合してオレキシンを働かないようにする阻害剤で覚醒レベルを下げる効果があります。一般の睡眠薬が睡眠レベルを上げる働きをするのと逆の機序ですね。特徴は依存性や耐性の問題がほとんど無いと言う事、敢えて副作用を上げるとナルコレプシー様の覚醒レベルの低下がありえるということくらいです。

まあ、薬メーカーは良いことしか言わんからね、というのがかかり付けの医者の言葉ですが無理矢理頼み込んで処方箋を書いてもらい2週間分をGETしました。そこの医院の処方第1号です。ところが、日本の厚生省は何を考えているのかメーカーの推奨用量が10mgなのに15mg、20mgのものを認可して5mg、10mgは認可して無いのです。自分の身は自分で守るしかない。15mgを処方してもらいカッターで半分に割って飲んでみました。ちなみに2週間分14ピルで880円、半割で飲むと1ヶ月は持ちます。

まだ飲み始めて2日目ですがなかな良さげです。何がよいかと言うと朝の目覚めが爽快、ベンゾ系睡眠薬なぞを飲むと朝ぐったりしてボーっとして最悪ですがこれはそんな感じが無い。ちょっとボーっと感はありますが寝すぎた時と同じ感覚です。それで、夜中の覚醒はどうだったかと言うと実は飲んでも眼が覚めました、しかし直ぐに再入眠が出来ました。量を減らしているのでこんなものかもしれません。

薬は毒と同じなので飲まないに越した事はありませんが、これで美味しい睡眠が得られるなら魅力的です。ただ、新薬にはリスクが付き物なので1週間ほど試してみて続けるかどうか決めようと思っています。続報をお待ち下さい。

 


新しいがん治療薬と、がんになりにくい体質

2014年11月26日 | 病気

小野薬品の株価が上がっている。がんの新薬を発売したのだ。http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78790300T21C14A0X11000/

この薬、従来の抗がん剤とは全く違う働きをする。元々人の身体には免疫機構があり異物を排除する働きが備わっている。しかし、癌はこの免疫の攻撃を受けずに成長・転移し全身を蝕む。なぜ、がんが免疫の対象にならないかと言うとPD-1という生体高分子が働く事で免疫T細胞の免疫機能を抑制するからだ。

このPD-1免疫抑制因子は2009年京大で発見された。 http://news.mynavi.jp/news/2013/09/19/026/

 

がん細胞はこのPD-1分子を使って免疫を逃れているわけだ。

小野薬品の新しい薬はこのPD-1に結合し機能させなくすることで、がんに対する免疫寛容を抑制しがんを本来からだが持っている免疫機能で消滅させることが出来る。 

このPD-1抑制の効果は歴然でがん患者の10年後生存率が3割から8割に改善している。

 

しかし、このPD-1抑制は良いことばかりではなく副作用もある。PD-1の研究は元々自己免疫症の研究から始まった。自己免疫症というのは自分の免疫機構が自分自身を攻撃する病気の総称でリューマチ、エリテマトーデスなどの膠原病や潰瘍性大腸炎などがその代表例だ。このような自己免疫症にかかりやすい人はPD-1分子が少ないため自己免疫寛容度が低く免疫が自分自身を攻撃する。小野薬品の新薬を飲むとこれと同じ状況になる。免疫はがんを攻撃すると同時に自分自身も攻撃するようになる。ただ、異物であるがんと自分自身では免疫対象となる度合いが違うので効果が勝ることになる。

逆に言うと、自己免疫症の人はがんに罹りにくいという事だ。PD-1分子が少ない自己免疫症体質の人は免疫が自分自身を攻撃しやすいと同時にがん細胞を免疫機構が早期に除去してくれるためがんに罹りにくい。

そこで、ふと自分自身の事を思い出した。私自身足のひざに乾癬が出来て15年以上になる。乾癬とは皮膚に現れる自己免疫症の一種で、なかなか治らない。ステロイド剤で症状は治まっているが根治はしないで困っている。困っているといっても別に命に別状があるわけでもなく単に見てくれが悪いだけだが... 

と言う事は、私は 自己免疫体質=がんに罹りにくい と言う事がいえそうだ。 禍福は糾える縄の如し、あるいは災い転じて福となす と、言う事かな 


歯の話

2014年10月20日 | 病気

よく爺様がワシは歯だけが自慢じゃあ、というのがあるが私もそうなのである。申し訳ないが生まれてこの方、虫歯になったことが無い。歯医者にかかったのは親知らずを3本抜いたときと何度か歯石除去をしてもらった位だ。

ところが悲しいかな、これが年をとると言うことか最近食事の後に歯間にものがやたらと引っかかるようになった。若い頃オヤジ達がしきりと爪楊枝を使うのを見て、なんだあいつらはと思っていたが、自分がそういうハメになってきたわけだ。とくに唯一残っている1本の親知らずに引っかかる。ここに引っかかると爪楊枝ぐらいでは絶対取れないので気持ち悪くてしょうがない。そこで登場するのがデンタルフロス、糸楊枝です。これを使うとゴッソリきれいに取れます。ついでに他の歯の間もグイグイやっておけば歯はスースーと気持ちよくなる。それで、最近はこれが食事後の必須作業になっている。

ある日の事です。いつものようにデンタルフロスを使っていると下前歯で引っ掛かりがある。そこでグイッと力を入れて引っ張ると見事に3-4mmの歯石がポロリと取れた。良く見ると下前歯の辺りに歯石がずいぶん溜まっている。そこで千枚通しを持ってきて自分で溜まっている歯石をほじくったっらボロボロと面白いように取れる。歯石の下の歯肉は赤くなっているので炎症を起こしているのだろう。

すっきりしたところでWEBで歯石の事を調べてみると面白いことが色々書いてある。まず、虫歯と歯石の関係。歯石と言うのは主に炭酸カルシウムから成っているがこのカルシウムは唾液から供給されるらしい。この唾液中のカルシウム分泌能力に個人差があり歯石の出来やすい人はカルシウム分泌が多い。そして、このカルシウムは歯の再石灰化を進める為虫歯を修復する。つまり、歯石のできやすい人は虫歯に成りにくいのだ。私はこれに該当するのだろう。やたらと歯石が出来るが虫歯は一本も無いということです。

もう一つ常識を覆すようなことも書いてある。食後すぐに歯磨きはしてはいけないらしい。食後すぐに歯磨きをすると酸性物質を歯に掏り込む事になり虫歯を加速するという事が最近わかった様だ。

 http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20120608/Rocketnews24_218845.html

3-3-3運動と言って食後3度、3分以内に3分間歯磨きしましょうなんて歯医者が言ってたがトンデモナイ話で、これをやると一発で虫歯になるというお話。歯は大事で虫歯や歯周病と糖尿病の関係が指摘されていて、よい歯を維持していると寿命は延びる。長生きしたかったら歯磨きはホドホドにする事ですね。


エボラ ワクチン

2014年10月11日 | 病気

WHOによると西アフリカでのエボラ出血熱での死亡者が4000人を超えたようだ。医療従事者も数百人のオーダーで死亡しており、実際の患者はこの10倍はいると見て良いだろう。まさにパンデミックの様相を呈してきた。また、アフリカ以外でもアメリカ・テキサスで1人死亡、スペインで看護師が感染、フランスで看護師が感染・治癒等の報告がある。

この病気の蔓延を食い止める方法はワクチンしかない。予め弱毒化されたワクチンを接種して免疫抗体を体内に持っていればこの病気にかかる事は無い。しかし、なぜ未だにワクチン接種が始まらないかと言うとお金の問題が絡んでいるからだ。ワクチン開発には莫大な費用がかかる。今までアフリカの一地方の風土病であったエボラの為に莫大な費用をかけてワクチンを開発する企業は無かった。しかし、ここに来て世界的な関心が集まる中、WHOがワクチン開発に乗り出している。

http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/01-october-2014/en/

ワクチンの有望な候補は二つある。一つはグラクソの開発したcAd3-ZEBOV、もう一つはカナダ企業の開発したrVSV-ZEBOVだ。この二つは遺伝子工学を応用してエボラウイルスの遺伝子を無害なウイルスに転写して弱毒化したもので、これでエボラは発症せずに免疫抗体を作る事が出来る

WHOワクチンプログラムのスケジュールは下記の通りで来年の1,2月頃には上記二つのワクチンの評価及び量産体制が確立され接種が開始される見込みだ。

ワクチン接種さえ開始されれば抗体を持つ人の壁が出来てウイルスの蔓延は阻止される。慌てず落ち着いて事態を見守ることにしよう。

 

Key expected milestones

October 2014: 
Mechanisms for evaluating and sharing data in real time must be prepared and agreed upon and the remainder of the phase 1 trials must be started

October–November 2014:
Agreed common protocols (including for phase 2 studies) across different sites must be developed

October–November 2014:
Preparation of sites in affected countries for phase 2 b should start as soon as possible

November–December 2014:
Initial safety data from phase 1 trials will be available

January 2015:
GMP (Good Manufacturing Practices) grade vaccine doses will be available for phase 2 as soon as possible

January–February 2015:
Phase 2 studies to be approved and initiated in affected and non-affected countries (as appropriate)

As soon as possible after data on efficacy become available: 
Planning for large-scale vaccination, including systems for vaccine financing, allocation, and use.


エボラ出血熱 リベリアで5万人隔離 、或は防疫線(cordon sanitarian)

2014年08月22日 | 病気

リベリアが大変なことになっている。リベリアはかってアメリカの黒人解放奴隷の帰還により出来た国でアフリカのUSAと呼ばれる美しい国だった。しかし1989年以降、二度の内戦で国土は荒廃し国民の8割が無職と言う悲惨な経済状況に陥っている。そこに降って沸いたのがエボラ出血熱だ。今回のエボラは隣国ギニアの二歳の男児の感染から始まっているようだが、現在リベリア、ギニア、シェラレオネで患者が増えつつある。下図赤丸がエボラ患者が増えている西アフリカ3国。

そのリベリアの首都で7月16日にとんでもないことが起った。

貧困層が多く住むウエスト・ポイント地区で16日、感染した疑いのある患者らを収容する隔離施設を住民らが襲撃、施設の患者37人が逃げ出した。襲撃者たちはこの際、患者の血などが付いた寝具などを盗んで逃走した。

 患者37人については19日までに再収容したとされるが、患者や患者の血などが付着した盗難品との接触などによる感染拡大を懸念したリベリア政府は20日、地区一帯の隔離に着手。約5万人が住むとされるエリアを有刺鉄線などで封鎖した。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140821-00000078-mai-m_est

このウエストポイント地区は世界でも最も不潔なスラムだ。

下図首都モンロビアとウエストポイント地区

リベリアは世界で4番目の最貧国でそのスラムたるや凄まじい。ゴミの山でトイレが無く5万人の住民は全員海岸で用を足す。つまり海岸は足の踏み場も無いくらいの雲古だらけなのだ。

ここにエボラ患者37人が逃げ込み、おまけに彼等の血や汚物のついたマットレスやシートが持ち込まれた。エボラウイルスは感染力が異常に強く、たった数個のウイルスで発症する。逃走した患者やそのマットレス等に触れた者は確実に100%感染する。ここのスラムの5万人の住民全員がエボラに感染するのは時間の問題だ。エボラの致死率は55%-90%、つまりこの5万人の人たちの良くて半数、下手をすると9割が死亡する事になる。そして軍隊がこの半島を鉄条網で封鎖したらしいが海を泳げば直ぐに首都に感染は広がる。まさにバイオハザード、映画やゲームの世界が現実になろうとしている。

エボラに感染した二人のアメリカ人医療関係者はZmappという未承認薬の投与で回復している。ただ、この薬はタバコの細胞で培養する抗体で、量産が効かない。現時点で十数人分しか薬は無くいま一生懸命タバコの育成を図っているが年末まで待ってもその量は知れている。

また、富士フィルムグループ 富山化学工業の新インフルエンザ治療薬アビガン(一般名:ファビピラビル)がエボラウィルスに効く可能性がありアメリカが承認を急いでいる。ただし、ファビビラビルには催奇性があり、投与後1週間は男も女も子作り禁止だ。

 

治療法 wiki

  • 2014年8月6日、中央アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱の医療チームで感染した米国人2人に対して投与された実験用の抗体治療剤「ZMapp」の効果があったことから、この未承認薬のエボラ出血熱患者への投与承認を求める申請がWHOになされた[120]
  • 2014年8月7日、アメリカ国防総省当局者は富士フイルムホールディングスの傘下企業富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬『ファビピラビル』を、富士フイルムの米国での提携相手であるメディベクターがエボラ出血熱感染者の治療に使えるよう申請する意向で、FDAと協議していると述べた[121]。承認されれば、エボラ出血熱の感染者治療で米当局が承認する初の医薬品の一つとなる見通し[122][123][124]
  • 2014年8月7日、新薬「TKMエボラ」を開発しているカナダのテクミラ・ファーマシューティカルズ社が、臨床試験を差し止めていたFDAの措置が変更され、患者への部分的な利用が可能になったと発表[121]
  • 2014年8月12日、WHO専門家委員会は、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱をめぐり、開発段階の治療薬やワクチンを使用することの是非について議論した結果、使用は倫理的との認識で一致した


 


エボラ出血熱 アウトブレイク

2014年08月02日 | 病気

最近気になるニュースがある。 西アフリカにおけるエボラ出血熱の蔓延だ。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014080200010

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140801/k10013456291000.html

左図 エボラ・ウィルス

 この病気は致死率50-90%という大変危険な病気でエボラウィルスの感染で起こる。感染力が非常に強く数個のウィルスが体内に侵入するだけで発病する。潜伏期は7日(一説には21日)で風邪様の頭痛・発熱から嘔吐・下痢・腹痛をおこし最後には全身の出血・下血・吐血を起こして死亡する。ただし、幸いなことにインフルエンザのような空気感染ではなく、患者の血・体液を直接触ることで接触感染を起こすタイプなので、患者に近づかなければ移ることは無い。

また、エンベロープ(細胞様膜)有りのRNAウィルスなのでエンベロープを溶かすアルコール消毒が有効であり手洗い・消毒が蔓延を防ぐ有効な手立てとなる。今のところワクチンその他の有効な対処法は見つかって無い。

一般にウィルスは感染する生物種が限定されていて鳥インフルエンザは鳥にしか感染しないし口蹄疫は偶蹄類にしか感染しない。また、天然痘は人類にしか感染しないので天然痘感染者が居なくなった時点で根絶といえる。ところが、このエボラウィルスはサルや食用コウモリも宿主となることが確認されており、森に潜んでいるので何時飛び出してくるか判らない。

今年の3月頃から発生は伝えられていたがここに来てWHO(世界保健機構)は手の施しようの無い蔓延、アウトブレイクを宣言した。7月31日の発表によると西アフリカ(リベリア・ギニア。シェラレオネ)における死亡は729人で、感染が確認・疑われる例は1326人にのぼる。この中にはアメリカ人一人の死亡と二名の医療従事者の感染が含まれる。

シェラレオネでは治安部隊を出動し感染地域を封鎖、またリベリアでも国境を封鎖し蔓延を防ごうとしているが、既にナイジェリアでも1名の死亡が確認されており空路による感染拡大が懸念される。米政府の組織する平和部隊(ピースコウ)340名はすでにこの3国からの撤退を開始しており、我が国のJICAボランティアも早急な撤退が余儀なくされるだろう。

とにかく、空路で感染者が移動すればあっという間に感染は拡大する。2-3日あれば日本にもやってくるかもしれない。接触感染で移る病気なので衛生管理をきちんとやればそれほど恐れる必要は無いが、心の準備はしておく必要があるだろう。