主婦ゲーマーのゲーム日記

世間に隠したオタク心を爆発させています。時折まじめに読書など。

本日の読書

2013-05-07 10:19:26 | 読書
恒川光太郎著『夜市』
先日読んだアンソロジーでこの方の文章が好みだったので、借りてみました。
今宵は夜市が開かれる。
学校蝙蝠から告げられた祐司は、高校時代の同級生いずみを誘い、夜市に出かけた。
この世界とは異なる世界に繋がる夜市。
それには、1つのルールがあった・・・。

第12回日本ホラー小説大賞受賞作ということですが、ホラーと言うよりはダークファンタジーな印象を受けた。
ま、ホラーもファンタジーの一種だよね。

もう1話の「風の古道」も異なる世界に入り込むお話です。
こちらの方が、私にはある意味怖かったです。
2人の少年の夏の冒険が・・・・。
夜市はタイトル通り黒い闇の風景を、こちらからは白い霧がかかった風景を思い浮かべました。


石野晶著『月のさなぎ』
上はホラー大賞受賞作ですが、こちらは第22回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
何かの本を借りた時に、後ろの本の宣伝ページでと心引かれたので借りてみました。

森の中の学園に隔離されて育った、性別のない子どもたち。成人するにつれ性別が確定し、ひとり、またひとりと巣立っていく。年に一度の降誕祭を前に「学園の貴公子」と称される薄荷は、外界から侵入してきた少年と恋に落ちた。森への逃避行、フラッシュバックする記憶。17歳の身体と心は、意思とうらはらに変わりはじめる…。

紹介ページより引用。

全ての生まれてくる子供が、性別のない子供-月童子-ではなく、一部の子供がそのように生まれついている世界です。
「その月童子たちは一般の子供に比べて、免疫力が低いので、隔離して育てられる」ということで、学園寮生活ものとなるわけです。
役柄として男の子や女の子を演じ、そして、その性別に沿った恋心を持つこともある、子供達。
性別が確定していく時期が近づくにつれ、望む性になるのか、自己というのは・・・と心が乱れ、揺れ動いていきます。
そのような心情や学園生活を描かれていった訳ですが、最後の最後でどんでん返しが。
ちょっとばっかり唐突でしたが、へえ、と驚かせて貰いました。

著者紹介欄に好きな作家として、恩田陸、京極夏彦、宮沢
賢治とあるのは、なんか凄く納得する感じ。


大崎梢著『クローバー・レイン』
大手出版社の文芸部の3年目の編集者である彰彦。
他社の新人賞授賞式で、最近ご無沙汰している担当作家と会った。
あまり売れないと言うことで、最近わざわざ会いに行くこともなかったため多少気まずい思いを抱えて挨拶を交わ別れた。
しかし、帰り際その作家・家永がクロークの札を落としているのを見つけ、探すのを手伝い、酔った状態になった彼を送り届けることにした。
そして、介抱のために家に上がると、そこには出版先が決まっていない原稿があり、読ませて貰うと、それは彼の代表作と言うべきでもある内容だった。
そのような作品に出会えた喜びに、「是非本に!」と訴える彰彦。
しかし、家永の反応は・・・。

こういう編集さんが出てくる話を読む度思うのですが、それだけのことをしているのに、どうして「これで○○円取るなんて、どうよ!」というお話が世の中にあるのだろうと、思ってしまうのですが。

あとは大崎さんについて。
こういう本屋さんや本を作る人の話の時は、なかなか面白いのですが、それ以外になるとどうして駄目なのだろう・・・。
自分の好きな世界の話ならのびのびと書ける、と言うことなのかしら。
コメント (2)
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