主婦ゲーマーのゲーム日記

世間に隠したオタク心を爆発させています。時折まじめに読書など。

本日の読書

2012-02-23 20:13:22 | 読書
上田 早夕里著『華竜の宮』
昨年のSF大賞受賞作。
SF作品は内容を説明するのが難しいですよ。
なので背表紙から引用。

ホットプルームの活性化による海底隆起で、多くの陸地が水没した25世紀。未曾有の危機と混乱を乗り越えた人類は、再び繁栄を謳歌していた。陸上民は残された土地と海上都市で高度な情報社会を維持し、海上民は海洋域で〈魚舟〉と呼ばれる生物船を駆り生活する。
陸の国家連合と海上社会との確執が次第に深まる中、日本政府の外交官・青澄誠司は、アジア海域での政府と海上民との対立を解消すべく、海上民の女性長ツキソメと会談する。両者はお互いの立場を理解し合うが、政府官僚同士の諍いや各国家連合の思惑が、障壁となってふたりの前に立ち塞がる。
同じ頃、IERA〈国際環境研究連合〉はこの星が再度人類に与える過酷な試練の予兆を掴み、極秘計画を発案した。
最新の地球惑星科学をベースに、地球と人類の運命を真正面から描く、黙示録的海洋SF巨篇。

設定はSFですが、中身は政治的なお話が多いです。
こんな時代にもなっても日本の政治は現在のような外交政策です。
気質という物は簡単に変わらないということでしょうか。
1冊の本の中であれこれエピソードが出過ぎ、という気がしないでもないです。
獣舟の変異についてのエピソードをもうちょっとじっくり読みたかったです。
この世界観での別の本「魚舟・獣舟」というのがあるので、そちらで書かれているのかな?
しかし、図書館には無いのだよ。
今回珍しく入っていたのは、SF大賞効果?
もっとこの世界に浸りたいと思わせてくれる作品でした。


三崎 亜記著『決起! コロヨシ!!2』
今まで、どんなに良い雰囲気の世界観でも1冊で終わっていたのに、続編が出たよ!!
父の真実、また大会の裏に隠された事情を知ってしまった藤代樹。
全国大会で第三位の成績を修め、高校三年生になり、掃除部の主将となった。
新国技指定の可能性と全国大会での好成績により、これまでマイナーであった掃除部にも、これで肩身の狭い思いはしなくなるかと思いきや、今まで見守ってきてくれていた校長が態度を豹変。
しかも寺西顧問も去ってしまった。

という波乱万丈な新学期スタートな所から始まります。
序盤は、前作に引き続き、ちょっと変わったスポーツとして描かれている掃除ですが、中盤から掃除の隠された歴史、力などが語りだされ、スポ根からファンタジーへまっしぐらです。
もう、その力と言ったらね!!
いやもう!
素敵な三崎ワールドをありがとう、な気持ちですよ。
ただし、表紙のイラストはなあ。
私のイメージとはまるっきり違っていただけない。

コメント (6)
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本日の読書

2012-02-11 20:11:13 | 読書
小野不由美著『ゴーストハント 7 扉を開けて』
完結編です。
うん、シリーズの謎が何かわかったよ。
やはりシリーズものは順番通りに読むのが正しいですね。
で、十二国記はどうなったのですかあああ。


堀川 アサコ著『幻想郵便局』
表紙の風景が気に入ったので借りてみたら、見事私好みなファンタジーでした。
短大を卒業したものの就職浪人。
友人達が就職活動をしている間、自分がなりたいものがわからなかったアズサは、鷹揚な両親にも恵まれ、ゆっくりと時間を過ごしていた。
しかし、学校の就職担当の職員に怖い顔をされ、履歴書の特技欄には「探し物」と書いてしまい提出。
そして、7月。
特技欄を見て名指しでアルバイトの求人が来ているという連絡が。
話を聞きに行くと、そのアルバイト先は郵便局という。
山のてっぺんにある登天郵便局、郵便局と特技の探し物のってどんな関係?
え?あんな所に郵便局は無い?それって??
と、変わった郵便局で死にものぐるいで探されているものとは。

事件ごとに章区切りされていますが、短編集の形の方がすっきりした感じになって読みやすそうと感じるくらい、ちょっとダラダラ続く雰囲気がありますが、それでも楽しく一気に読めました。
大変気に入ったので、他の作品も読んでみようと思います。


小川 洋子著『人質の朗読会』
地球の裏側にある村を訪れていた、ツアー客、添乗員達が現地の反政府ゲリラの襲撃を受け、人質となった。
100日を過ぎた頃に悲劇的な結末で事件は終了。
その2年後、犯人グループの動きを探るために録音された盗聴テープが公開された。
そこから聞こえたのは、人質となった八人が、自分の中にしまわれた過去、一つの思い出を書き朗読し合う声。
この八人とこのテープを録音していた特殊部隊の一人の中にある人生の物語です。

一つ一つのお話に趣があってよいのですが、この「人質」という設定が生きているのかどうか考え込んでしまいました。
少なくともタイトルにインパクトはあるけど。
このような事態になったとき、自分には語るべき話が思い当たらないことに愕然。


恩田 陸著『夢違』
いやあ、久しぶりに堪能しました。恩田さんの作品。
夢を映像として記録し、デジタル化することが可能となった時代。
日本においては夢札は主に精神分析を行うことに利用されており、浩章は夢を解析する職業「夢判断」の仕事をしていた。
各地の小学校で集団で悪夢を見るという事件が起こり、その原因を探るため子供たちの夢札を視る仕事が回ってきた。
子供達の夢札から、彼らは共通した何かを見て以来、悪夢を見始めたことがわかり、一緒に解析をした上司、更に小児精神の専門家、研究者、警察庁の人と共に手がかりとなりそうな子供を訪ねることになった。

ちょっとホラーな雰囲気が漂っていて、何が出てくるかドキドキ。
と、どんどん読み進めて一気読み。
雰囲気に流されてしまいましたが、読後に「出たものはわかったけど、なんでそれ!いや、たぶんあれに関係があるんだろうけど。」「うーん、奥さんの存在意義は?」と言う細かな疑問が。
でも、やっぱり好きだよ、恩田ワールド。
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