おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

鍵盤を見て弾くこと(第8号)

2012年04月02日 | 苦手なことがある子供たち
ピアノを弾く時に鍵盤をどのくらい見ているものでしょうか。

実はあまり見ていないと思います。触れた感じで大体わかります。
それから、頭の中に鍵盤があって音を出す前にはそれがイメージされています。

ところが鍵盤から目を離すことなく、ひたすら下を向いてピアノを弾く子供がいます。
顔を上げて楽譜を見ながら弾くことがなかなかできないのです。
そうすると色々と不都合が生じます。その中の一つに、目で追えるだけの音しか弾くことができなくなり、目で追えるスピードでしか弾くことができなくなるということがあると思います。

生徒には自分で楽譜を読む力をつけてほしいとともに、たくさんの音楽を自分で楽しめるようになってほしいと思います。
そのためにはできれば楽譜を見ながら弾けるようになってほしいのです。





さて、なぜ鍵盤を見ずに弾けないのでしょう?

音感の問題もあると思います。木製鍵盤ではないもので練習していることも関係しているかもしれません。
他に、もしかしたら空間認知の力が関係しているのではないかと思っています。
この辺りに「ド」があるとか「ファの♯」があるとか推量する力、そして自分の手がその時どのような形になるかを思い浮かべる力です。

空間認知を鍛える方法で、ポケットの中に小銭を入れて手で触っただけで何円玉か当てる方法があります。
私はこれを利用して、布製の袋の中に大きさの違うスーパーボールや小さなマスコット類を入れて、それを当てるということをしています。
初めは右手、次は左手。慣れてきたら、私が指定したものを探してもらったり2個同時に手に持ってそれを当ててもらったり。

2個同時は説明だけでは生徒にはわからないので私が例を示します。ところが時々間違えます・・・ 
似たものを入れているのです。しかし、先生でも間違えるのだから自分もやってみようと生徒は怖がらずにやってくれます。

ほとんどの生徒は私よりよく当てられます。
これをやった後に、「袋の中にあるもの見ないでこんなに当てられたんだから、ピアノなんて見なくても弾けるんじゃない?」
と言うと、みんな驚くくらい鍵盤を見ずに弾きます。
中には意地でも見ないと感覚を研ぎ澄まして弾く子もいます。そしてこれが結構ちゃんと弾けるのです。

どうやらみんな、自分は鍵盤を見なければ弾けっこないと思っている節があります。
きっかけ作りに試されてみてははいかがでしょうか。

来月は、両腕の感覚と姿勢について書かせていただきます。

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