おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

事情というものがあるのですねぇ

2018年08月05日 | 重力奏法
ピアニスト中村紘子さんの「ピアニストだって冒険する(新潮社)」をただいま読んでおります。

2017年6月に発行された本です。中村紘子さんが亡くなられて1年位経って発刊されました。月刊誌「新潮45」と「音楽の友」に掲載、連載されたものをまとめたものです。

ご存知のように中村さんの文章は面白いのでどんどん読めてしまいます。
私が最初に出会った中村さんの本は、面白い本があると大人の生徒さんにプレゼントされた「ピアニストという蛮族がいる」です。読書好きとは言い難い私が一気に読めてしまった本です。その後「チャイコフスキー・コンクール」も裏話が面白くどんどん読めてしまいました。

そんな中村さんの本が亡くなった後に出版されているとは知りませんでした。
そしてこの本、日本人のハイフィンガー信仰の元になった真犯人も推理されています。

前書きが長くなりましたが、日本のピアニズムの章に「バーキン」という話があります。「パークアヴェニューの妻たち」という本をお読みになってあまりの馬鹿馬鹿しさに卒倒しそうになったそうですが、その中の一つを書かれています。

ニューヨークのマンハッタンにある超セレブリティが暮らすアッパーイーストサイドでは、住人として認められるために予約3年待ちと言われる(場合によってそれさえ断られる)200万円以上もするエルメスのハンドバッッグ「バーキン」を持っていなければならない。

それを持っていなければ街で出会おうとパーティーで一緒になろうと、住民だと知っていようと完全に無視されるのだそうです。

人格や人柄、教養などに価値を求めるのではなく高価なバッグに価値を求めるのは馬鹿げています。

中村さんはこのように綴っています。
『そういう「価値観」が、あなたが好きか嫌いか、良いか悪いか、ということと関係なく、あるソサエティでは否応なく存在し、生きていくためには必要になるらしい』

これを読んだ時に裕福層が多く暮らす教室でロシアンメソッドで体験レッスンをしたら、お友達はそんなことをしていないといってことごとく断られた教室の事を思い出しました。

その地域なりの事情があるのですねぇ・・

追記:
今テレビで、クロールは思いっきりバタ足するより足を固定してバタ足をしない方が水の抵抗が減り速く泳げるという実験をしていました。もちろんプロは大きな筋肉を使い小さく細かなバタ足でバタ足なしより速いタイムを出しておりました。
それを見たスイミングスクールの指導者が思いっきりバタ足をするよう教えてきたものを小さくバタ足をするよう指導を変えていました。

スタジオのゲスト、シンクロで活躍された田中ウルヴェ京さんが大きな筋肉を使って腰から脚だと思って膝を曲げずに脚を小さく細かく動かすとおっしゃっていました。

なんだかピアノ奏法にも共通するものが・・
正しい奏法、間違った古い指導法・・
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシアンメソッド日本の現状 | トップ | わかっているのに、なぜ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

重力奏法」カテゴリの最新記事