おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

キーボードの使用目的

2024年03月07日 | レッスン

ピアノの先生がご家庭の練習で使う楽器でこれだけは避けてほしいと思っているのが、キーボードだと思います。

なぜでしょう。

鍵盤数が足りないという理由もあると思いますが、それより問題なのは、腕や体の重さを使って演奏することが身に付かない=ピアノの音が鳴らせない=綺麗な音でピアノが弾けるようにならない、からです。

ピアノという楽器が弾けるようになりたくてピアノを始めるのでしたら、キーボードやシンセサイザーは避けるべきです。


では、キーボードの用途は何でしょう。

鍵盤数が僅かしかないキーボードやシンセサイザーは、子供用に作られたという意味ではなく、バンドの人が持ち運びやすいとか、曲を作る時に歌いながらコードを考えるのに使うとか、アレンジの音色を決めるとか、そのような目的のためにあります。

音大の授業でしたら、伴奏付けの授業で使う程度でしょうか。

決してピアノという楽器が演奏できるために存在しているのではありません。


ピアノはとても大きな楽器です。
この楽器の本当の音を鳴らすためには、指先だけでは無理です。

残念なことに触っただけでも音は聞こえるので、それがピアノの音と勘違いされることが多いのですが、それでしたらそれこそネコちゃんでもワンちゃんでもできちゃいます。

ピアノは指で弾くのではなく、腕で弾くと言っても過言ではありません。
ピアニストたちの弾き方を観察するとお分かりになると思います。

プロになるわけではないから関係ない、と思われるかもしれませんが、プロになれなくともピアノに合わない弾き方は体を傷めます。


管楽器は息で音を出しますが、ピアノで腕の重さ、体の重さで音を鳴らさないのは、管楽器で息で音を出さないで演奏しようとしているのと同じです。


腕、体の重さを支えるのは指です。(100%ではありませんが)
支えられる指を作るのは、重さに耐えられる鍵盤を使って練習するしか方法がありません。

それを良い音が聞こえてくる楽器で練習できたら、やはり楽しいと思います。

脚がしっかりとある電子ピアノでしたら、重さを支える指を作ることは可能だと思います。

アコースティックピアノでしたらそこから音のニュアンスの違いを感じ取り、色々と工夫をする術を学ぶことが出来るでしょう。


人間の体は実際に使わなければ発達しません。

空中で腕立て伏せの格好をしても筋力は付かないわけで、キーボードはそういうことです。

支えが作れなければ、一歩にも達しない。


このようなことをピアノを教える人はちゃんと親御さんに教えなければいけない気がします。
その上で、どう選択するかはご家庭の問題。
知らないだけで間違えた選択をしている場合があるかもしれませんので。


ローランドのサイトにこのような言葉があります。

<電子ピアノとキーボードは、用途の異なる楽器とお考えください。ピアノを弾くのが目的の方、特にこれからピアノのレッスンをはじめる方には、少なくともピアノらしい鍵盤タッチと音を表現できる電子ピアノをおすすめします。>

キーボードと電子ピアノって何が違うの? | はじめての電子ピアノ選び | ローランド

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